つながるひろがるゆめ納豆

組合員と神奈川県の作り手で、大豆の栽培から手がけた当組合のオリジナルの納豆。県内で古くから作られてきた希少な「津久井在来大豆」を使用し、ふっくらと風味よく仕上げました。地元の人々の思いがたっぷりと詰まっています。

『つながるひろがるゆめ納豆』について詳しく知ろう！

【今回お話をうかがった方】（2023年6月時点）

株式会社カジノヤ　海老原淳さん
パルシステム神奈川事業推進課　関文子職員、齋藤美樹職員

地産地消の納豆を作ることで神奈川を元気にしたい

◆パルシステム神奈川でオリジナルの納豆を開発した経緯は

関　当組合では2009年ごろ県内の農業者、商業者、工業者、消費者が地域で連携して何かできないかという呼びかけをしました。それにこたえてくれたのが、パルシステムの『産直大豆の小粒納豆』でおなじみの（株）カジノヤです。自社に大豆の畑があるということで、組合員に大豆作りから参加してもらい、収穫した大豆で納豆を作り、商品化するという取り組みがスタートしました。

◆組合員と栽培する大豆は「交流大豆」と呼ばれています

海老原　大豆は神奈川県で古くから作られてきた「津久井在来大豆」です。甘みが強く、中粒で食べごたえがあるのが特徴です。輸入大豆におされて栽培が減り「幻の大豆」と呼ばれるようになりました。現在、生産量は多くありませんが県内各地で「津久井在来大豆」を守る活動が行われています。当社でもこの「幻の大豆」を以前から栽培していました。そこで組合員と大豆を作るなら、ぜひ地元のものを使いたいと思ったのです。

齋藤　2013年に組合員のみなさんと（株）カジノヤの畑に「津久井在来大豆」の種をまき、収穫したのが最初です。そして2014年に当組合オリジナル商品『つながるゆめ納豆』として発売しました。じつはこの商品名も組合員が名付け親です。ただ収量にかぎりがあり、毎年商品になるのは千個程度。年に一度の希少な納豆としてお届けしてきました。

（株）カジノヤの大豆畑

県内で生産された在来大豆も確保してパッケージを一新

◆2022年10月、リニューアルしました。そのきっかけは

関　昨年3月の（株）カジノヤからの「包装を紙カップに」という提案です。そこで、かねてからの課題であった当組合オリジナルの納豆を、「もっとたくさんの組合員に届けたい」という思いも含めて議論を重ねました。その結果、交流大豆だけでなく、おもに秦野市内で栽培された「津久井在来大豆」も新たに使用することになりました。商品名も、「活動の価値がさらに広がっていくように」との思いを込めて『つながるひろがるゆめ納豆』に変更しました。プラスチックの外装のないシンプルな紙カップにして、より利用しやすくなり、また従来品より約60％のプラスチック削減を実現できました。

◆本品の製造工程でのこだわりは

海老原　（株）カジノヤの納豆作りの特徴として、低い圧力でゆっくり約1時間ほどかけて大豆を煮ることで、大豆本来の甘みをより引き出しています。また発酵は、発酵室の温度を一定に保つのではなく、初期・中期・後期温度と、時間ごとに温度を変えながら、じっくり約18時間かけて発酵・熟成させていきます。これにより、ふっくらとした納豆に仕上がります。決して効率最優先の作り方はしていません。

納豆を経木と紙で包んでプラスチックの袋に入れていた従来品『つながるゆめ納豆』

大豆を圧力釜で蒸煮したあと、納豆菌を散布。ムラなく菌をいきわたらせるには職人技が欠かせない。蒸気の熱で作業もひと苦労

いろいろな立場の人々の思いが詰まった納豆をぜひ食卓に！

◆組合員へのメッセージは

関　リニューアルにより、作り手と組合員の「交流商品」というだけでなく、「地産地消」「環境面での社会貢献」が体現できる商品になりました。大豆の栽培、ネーミング、紙カップのイラストと、たくさんの組合員がかかわって作っているので、ぜひ食べてみてください。

齋藤　当組合が月に1回発行しているオリジナルカタログ『いいね！かながわ』で毎月紹介できるようになりました。みなさんのご注文をお待ちしています！

海老原　今年度の募集は終了しましたが、地元、神奈川県をさらに盛り上げるために当社の畑で「津久井在来大豆」を作る〝大豆ボランティア〞にもぜひ参加してみてください！