国産つがるりんごジュース

豊かな甘みと、ほどよい酸味が楽しめる「つがる」。その持ち味を生かすため、香料を使わず、やや濃いめの還元率で仕上げました。この1本に5～6個分を使用しています。国産で、品種まで限定したりんごジュースは、市販ではなかなかありません。

『国産つがるりんごジュース』について詳しく知ろう！

【今回お話をうかがった方】（2024年8月時点）

コーシン乳業株式会社坂口さん宮嶋さん
パルシステム連合会商品開発本部山口さん

『国産つがるりんごジュース』は、20年以上前から2社に製造を依頼し、お届けしている商品です。
今回は、その1社であるコーシン乳業（株）に話をうかがいました。

生産量が減少し社でこの品種は本品だけに使用

◆「つがる」という品種にこだわった理由は

坂口　「つがる」は、りんごの季節が始まる９月中旬から下旬に収穫される早生種（※）で、甘みと酸味のバランスがとれた品種です。20年以上前はおもにジャムなどの加工品に使われていました。すっきりした甘みがあるので、ジュースとして商品化できないかと考え、開発しました。
※りんごのなかでも早い時期に収穫されるもの

◆原料調達でたいへんなことは

坂口　「つがる」の出荷量は、20年ほど前に比べておよそ4割減少し、30年前のピーク時に比べると半分以下に。果樹が老齢化して実のなる数が少なくなっていることや、栽培のむずかしさから、ほかの品種や果樹に植え替えるなどが理由にあります。このため現在は本品の１年分の原料を確保するのがギリギリの状態です。

◆国産りんごのジュースをこの価格で提供できるのは

宮嶋　青森県の搾汁メーカー4社との間で、「つがる」はすべて当社で買い取る契約をしています。産地との情報交換も含めて20年以上培ってきたルートや信頼関係、そうした積み重ねが利用しやすい価格の理由のひとつだと思っています。安定した原料の確保によって、「つがる」で作った他社のジュースより低価格での提供を実現しています。それでも昨今の資源価格の高騰などにより、価格維持が厳しく、これまでの品質と生産量を確保するため、2024年5月より値上げという苦しい選択をしました。今後もつがる品種にこだわり、毎企画滞りなくお届けしたいと思います。

年々、収穫時期が早まる薄紅色のつがる

香料は不使用濃いめの還元率で自然な風味に

◆濃縮還元にした理由は

宮嶋　果汁100％のジュースは、しぼった果汁をそのまま使うストレートタイプと、しぼった果汁の水分を抜き、商品を作るたびに水を加える濃縮還元タイプの２種類があります。「つがる」が収穫できるのは、毎年9月中旬からの2週間だけ。それ以外の時期にもお届けできるよう、本品では濃縮還元タイプを採用し、年間をとおして製造しています。

◆香料を使わず、りんご感を出す

坂口　通常、濃縮還元は水分を抜くために少し熱を加える必要があり、その際に風味が飛んでしまいます。このため一般的には風味を補うために香料を使用します。本品はできるだけ熱をかけないよう真空状態で沸点を下げて糖度40～45度まで水分を抜き、風味が落ちるのを極力防いでいます。また、青果の「つがる」の糖度は10～11度で、りんごジュースの糖度は10度にするのが一般的です。本品は通常より少し濃い還元率11.5度で作ることで、香料を使わずに自然なりんごの風味を実現しています。

◆混濁タイプにしたのは

宮嶋　りんごのジュースには、混濁タイプとクリアタイプがあります。前者は果実をしぼっただけで、しっかりとした味わいがあるのが特徴。後者は食物繊維とペクチンを取り除くので見た目は透明ですが、風味が失われがちです。本品はりんごそのものの味が楽しめるよう、混濁タイプにしました。組合員からも「ストレートのりんごジュースに近い味わい」との声をいただいています。