国産ビーフのコンソメ（顆粒）

国産牛の濃厚なうまみを、熱を加えない製法で粒状に仕上げたコンソメです。ポトフやミートソースなどに加えるだけで、ワンランク上の洋風料理ができ上がり。分量調節がしやすく、さらりと溶ける顆粒タイプなので炒め物にもおすすめです。

『国産ビーフのコンソメ（顆粒）』について詳しく知ろう！

【今回お話をうかがった方】（2024年12月時点）

三菱商事ライフサイエンス株式会社中谷さん大村さん木寺さん

深いうまみを出し具材の味が引き立つビーフコンソメを

◆2013年に登場。開発の経緯は

大村　当社で製造している顆粒タイプの『産直鶏ガラスープ』は食材になじみやすく、分量の調節も簡単で使い勝手がよいと好評です。そのバリエーションとして、ビーフのコンソメに着目しました。ビーフはチキンと比較してしっかり味が付くので、子どもが好きなポトフやカレー、ミートソースなどの洋風料理に活躍します。ただ、市販のビーフコンソメに多い固形タイプでは、料理によっては量を調整するために割る必要があるなど使いにくい場面も。そのため、『産直鶏ガラスープ』と同様の顆粒タイプにこだわりました。またしっかりとした味が付くビーフコンソメは調味料の味が立ってしまいがちです。このため、野菜本来の味を豊かに感じられるような、素材を引き立てる味をめざしました。

◆約6年後、国産原料にリニューアルした理由は

木寺　「毎日の料理に使うからこそ安心できるものを」という組合員の声を受け、海外産ビーフエキスの原料の安定供給ができなくなったのを機に、野菜とビーフエキスを国産に変更。また原料の切り替えとともにアレルゲンから「乳」をなくし、多くの方に手にとってもらいやすくしました。さらに、うまみ成分となる酵母エキスを複数種類組み合わせることで、ビーフ感をより引き立たせました。

大村　国産ビーフエキスの調達には苦労しました。リニューアルで変更する製法では、水分のあるタイプは使えず、肉のうまみがしっかりと出ている理想的なビーフエキスはペースト状のものしか見つかりませんでした。そこで、パルシステムが国産にこだわる思いや取り組み、組合員の思いを原料メーカーに伝え、共感していただいた結果、本品のために粉末状のビーフエキスを作ってもらえることになりました。

ひと粒が細かく、より溶けやすく、少量でもしっかり味が付きます

熱を加えない ”乾式造粒法“で牛のうまみがギュッ

◆リニューアルに際し製法も変えた理由は

大村　牛肉のエキスや野菜のうまみを生かしたいという思いから従来の〝押出造粒法〟から〝乾式造粒法〟に変えました。〝押出造粒法〟は、原料に水などを加えて湿らせ、均一に混ぜ込み、それに熱をかけて乾燥させながら押し出していく製法で、一度にたくさん作れます。一方〝乾式造粒法〟は水などの液体は加えず、圧力をかけて押し固める製法。原料がもつ水分だけで結着させるので、天然エキスを使うものに向いています。さらに熱を加えないので、原料のうまみを損なわず封じ込めることができます。この〝乾式造粒法〟に変えることで国産原料のよさをそのままに、さらに、粒自体が小さくなったぶん、粒同士が接する面積が減り、開封前に湿気で粒同士が固まることも少なくなりました。

◆〝乾式造粒法〟の苦労は

大村　液体を加えない製法のため、気温や湿度の影響を受けやすいことです。そのため圧力をかけても固まらなかったり、固まりすぎると溶けにくくなったり。日々、状態を確かめながら、製造エリアを除湿するなど微調整しなければなりません。ちょうどよい固さにするのは、まさに匠の技です。