銀だら西京漬

『銀だら西京漬』について詳しく知ろう！

【今回お話をうかがった方】（2018年11月時点）

水野食品株式会社 社長 水野 茂さん
パルシステム連合会 商品開発本部 江口 優職員

人気の銀だらを上品な西京漬けでよりおいしく

組合員が協力し上品でやさしい味をめざしました

◆本品は2006年に登場して以来、人気のPB商品（※）です。どのようにして生まれたのですか

江口　西京漬けは、京風白みそをベースにした漬け床に魚などを漬け込んだもの。発酵調味料であるみそが素材をしっとりとやわらかくし、うまみを凝縮します。一方、銀だらは脂ののったふっくらした身が子どもにも食べやすい人気の魚です。本品はこの両者を合わせ、パ ルシステムの水産加工品の定番となるような商品を開発しようとスタートしました。

※PB商品：独自開発商品

◆原料の銀だらの特徴は

江口　本品にはアラスカ湾沖（アメリカ）の銀だらを使用しています。海水温が低いアラスカ湾沖では、銀だらは脂のりがよくほんのり甘く育ち、どこの海域のものよりおいしいといわれています。そのぶん世界的にも非常に人気が高く、乱獲されて減ってしまうことのないように厳重な資源管理が行われています。本品にはその貴重な原料のなかでも切り身のサイズにちょうどよい、脂ののった中型の銀だらを選んで使用しています。

組合員の協力でだれもが食べやすい甘みを抑えた味わいに

組合員の意見に耳を傾けながらみそを調合

◆製造元の水野食品（株）は宮城県石巻市の水産品の専門メーカーです

江口　同社で作る自社製品の銀だら西京漬けが味のよさで定評のある人気商品でした。その信頼から、本品でも開発に協力してもらうことになりました。

◆開発には当組合の組合員も協力しました

水野　味の方向性を決めるために、まずはサンプルとして当社の銀だら西京漬けを試食していただいたのですが、そのときは「おいしいけれど甘みが強い」「濃厚な味わいをもう少し軽くし、子どもにも食べやすく、ごはんに合う西京漬けにしたい」という声が寄せられ、宮城県などの北国と、首都圏のみなさんとの味の好みの違いに少々戸惑いました。

◆味付けの決め方は

水野　甘みを抑えるといっても、ただ糖分を減らすだけでは、西京漬け全体の味のバランスが崩れてしまいます。そこで京風白みそ、砂糖などの糖類、かつお節エキス、清酒など、それぞれの調味料の配合を少しずつ変えた漬け床を作り試食していただきました。約3カ月の間、月に2度ぐらい、そのつど数種類の西京漬けを用意したでしょうか。味の好みは千差万別なので、率直な意見を出し合いながら、少しずつ甘さを抑えた軽い味わいが出せる調合にしぼっていきました。

漬け時間を短くし素材を生かした軽い味わいに

切り身一つひとつに手作業でみそを塗ります

◆製造方法での工夫はありますか

水野　西京漬けのなかには漬け込みに日数をかけた、いわば「古漬け」のような濃厚な味わいの商品もありますが、本品の漬け込みは1日だけ低温熟成させる「浅漬け」です。身の奥まで味をしみ込ませるというよりも、脂のりのよさや、ほろっとした身のやわらかさなど、銀だら本来のおいしさを味わっていただけます。

◆2018年9月4回には原材料の一部を変更しリニューアルされました

江口　家庭で漬け床を手作りしたときのようなより自然な味をめざして、糖類のひとつをみりんに切り替えました。また、価格の見直しも行い、お求めいただきやすくなりました。プロが工夫を重ねた味わいが手軽に楽しめる本品を、ぜひこれからもご利用ください。

絆から生まれ、ともに育てた商品です

震災後も味を守り続ける水野食品（株）のみなさん

2011年3月の東日本大震災。
水野食品（株）の工場や冷凍保管していた原料の魚は、津波ですべて流されてしまいました。それでも本品がその年11月にパルシステムの水産加工品として復活第一号となったのは、職員や組合員のみなさんに「待ってるよ！」と声をかけ続けていただいたから。これからも応援していただける商品であるように、みなさんが求める味を追求していきます。

水野食品（株）水野茂さん

おいしい食べ方のポイント

• まずは完全解凍
  生焼けや焦げつき、焼きムラを 作らないために大切です。
• 洗わないで
  焦げの風味も味わってください。
• フライパンでもＯＫ
  ふたをして蒸し焼きにすると ふっくら仕上がります。
• 最後に電子レンジ加熱を
  仕上げに電子レンジ加熱をする と、ムラなく火がとおります。