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純米酢

国産米から生まれた、まろやかな酸味とコク料理に使いやすい、くせのないおいしさをめざしました

 残暑、夏ばて、節電疲れ…。こういう時期こそ、さっぱりとした酢の物が、ひときわおいしく感じられます。パルシステムのPB商品※『純米酢』は、国産米から生まれた、まろやかな酸味とコクが特徴です。製造し ているのは、パルシステム発足前の地域生協時代から取引がある私きさい市ち醸造株式会社(千葉県鎌ヶ谷市)。40 年来の長い信頼関係のなかで、「料理に使いやすいお酢」を追求してきました。 ※PB商品…独自開発商品

『純米酢』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】
私市醸造株式会社 私市一康さん(代表取締役社長)
    同    吉井三穂さん
    同    竹山和男さん

遺伝子組換え問題で評価を高めた『純米酢』

 私市醸造(株)は、江戸前寿司に使われる伝統的な赤酢(酒粕酢)から、家庭料理に適したまろやかな味わいの酢商品まで、幅広く生産しているメーカーです。  パルシステムとのつながりは1970年代にさかのぼり、下総生協(現・パルシステム千葉)、たつみ生協(現・パルシステム東京) の当時から取引があります。現在は、『純米酢』だけでなく、『食酢』、『味付ぽん酢』といったPBの酢商 品も、私市醸造が製造しています。

 ロングセラーとなっている『純米酢』。単なる「米酢」ではなく、「純」の一文字が付いているのには、ちゃんとした理由があります。

「JAS規格によって、酢1リットル当たり40グラム以上のお米を原料に使っていれば『米酢』と表示できますが、『純米酢』と表示 できるのは、原料にアルコールなどを使わず、米と水のみで作られた酢だけと決められているんです」(吉井さん)

 米と水のみを原料に酢を作ると、酢1リットル当たり120グラム以上の米が必要だと考えられていますが、私市醸造は140グラムの米を使って『純米酢』をつくっています。

 しかも、その米は宮城、新潟産の酒造好適米。選び抜かれた原料を、ぜいたくに使って生まれたのが、パルシステムの『純米酢』なのです。

 『純米酢』が再評価されたのは、遺伝子組換え食品問題の関心が高まった90年代でした。

 当時の食酢には遺伝子組換えの可能性があるトウモロコシなどがアルコールの原料に使われていましたが、2001年にアルコール の専売制が廃止されるまで、食酢メーカーはアルコールを自分で選べませんでした。そのため、アル コールを添加せず、遺伝子組換えの心配がない国産米だけで作っている『純米酢』の人気が高まったのです。(※1)

(※1)パルシステムの『食酢』には醸造アルコールも使われていますが、その原料は現在、遺伝子組換え対象外のサトウキビです。

さわやかでフルーティー新しい時代の米酢

 『純米酢』を開発するときにめざしたのは、新しい時代に合った米酢でした。

 「従来のタイプの米酢は、どうしてもくさみがあったり、独特の重い香りがあったりします。そこで、『純米酢』の開発に当たっては、 時代のニーズに合った、さわやかでフルーティーなものをめざしま した。米酢は和食に向いていると思われていますが、和洋中と、どんな料理にも使ってもらえる米酢を作ろうということになったんです」(吉井さん)

 いちばんの苦労は原料の調達と酵母の選択でした。とくに米酢の香りは酵母によって左右されるので、何十種類もの酵母を用いて試行錯誤の末、フルーティーな香りをもつワインタイプの酵母を 選択することにしました。

  組合員のみなさんからは、「夫はツンとするお酢の匂いが苦手ですが、この酢は文句がでません」「酸味が苦手な子どももパクパク食べ ています」など、ご好評をいただいています。

 新しいタイプの米酢の開発には、ドイツから持ち込まれた製法と醸造プラントの導入も決め手となりました。酢の製造方法は60年代後半から大きく変わっているの です。

 私市醸造(株)の酢作りの出発点は、酒粕を杉の木桶で発酵させた赤酢(酒粕の酢)でした。1955(昭和30)年から、千葉県内の老舗のお酢屋さんから原液 を供給してもらい、寿司職人などを相手に販売したのです。60年には自社内に杉の木桶を使った工場を新設して伝統的な酢作りを始めました。

 ところが、国内の食酢業界は、その数年後から大変革の時代に突入します。まず、食酢工場のシンボル的存在だった木桶がどんどん姿を消していきました。

 もうひとつの変化が、同じころドイツから入ってきた通気発酵という製法とその醸造プラントでした。

 「通気発酵は、空気を強制的にタンクに送り込んで、液体中でも酢酸菌が増殖できるようにするんですが、その結果、ものすごいス ピードで酢ができます。つまり1日単位でプラントの中の原液が酢に変わるんです」(私市さん)

 従来の木桶を使った製法(静置発酵と呼ばれる)では発酵だけで2〜3カ月ほどかかります。そ に対し、通気発酵を行うドイツのプラントでは、タンク内で発酵が軌道にのると24時間で酢を作ることができます。生産効率を高める ことができるだけでなく、原料の風味を生かしたくせのない酢を作れるというメリットもありました。 『純米酢』は、この通気発酵のプラントで製造されています。

伝統と新しい技術両方のよさを生かす

 私市醸造(株)のユニークな点は、木桶を使った伝統的な静置発酵を受け継ぎながら、通気発酵のプラントも利用している点です。

「わたしどもの最大の特徴は、国内の食酢工場から木桶がなくなってきているなかで木桶にこだわっていること。また、通気発酵プラ ントの食酢も自社生産していることです。そのふたつの組み合わせによってさまざまなブレンドができますし、それぞれの特徴をもっ た製品を供給できるんです」(私市さん)

 ちなみに、パルシステムの『食酢』は、木桶とプラントの両方の酢をブレンドしたもの。

「木桶で発酵させたお酢だけだとくせがありまして、お寿司屋さんのようなプロでもなかなか使いこなせないという面があるんです」 (竹山さん)

 食塩と並ぶ人類最古の調味料といわれる酢も、時代とともに進化しています。まさに、そのことを実感できる『純米酢』。口当たり のまろやかなその特徴を生かして、料理の幅を広げてみませんか。

木桶による発酵法

木桶による発酵法

代々使われてきた杉の木桶

私市醸造には、代々使われてきた巨大な杉の木桶(容量は5400リットル)が約30本あります。この中で静かに酢ができるのを 待つのが日本古来の製法でした。熟成させた酒粕を圧搾した搾り液に、醸造アルコール、種酢、水を加えて木桶に仕込みます。 蔵付きの酢酸菌の働きで発酵が終わるまで2〜3カ月、その後、違う木桶に移して熟成させるのにまた2〜3カ月。 杉の香りが移った伝統的な酢が生まれます。

『純米酢』ができるまで

  1. step01

    もろみの圧搾

    もろみの圧搾 製造の第一段階は、もろみ作り。ワインタイプの酵母によって米粉をアルコール発酵させます。もろみを圧搾してできるのが、酢の原料に なる液体の酢もろみ。絞った後には粕が残ります。

  2. step02

    通気発酵

    ドイツのフリングス社製のプラントに、酢もろみ、すでにでき上がった『純米酢』、水、そして同社の酢酸菌を入れて、細かい 泡を送り込みます。酢酸菌が活動を始めるまで約7〜10日。その後は、1日単位で酢ができるので、一部を貯蔵タンクに移 し、減った分だけ新たに酢もろみを加えるという工程を繰り返します。

  3. step03

    熟成

    通気発酵ででき上がった酢を建物の外のタンクに移して約1カ月間熟成させます。

  4. step04

    充填

    熟成が終わって、沈殿物を取り除いた酢をラインに乗せ、リユースびんに充填します。

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『純米酢』

※本ページは2011年9月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

※本ページは2011年9月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。