• 惣菜(冷蔵、冷凍、軽食)

産直大豆の小粒納豆(たれ・からし付)

どりーむぺいじ』2014年1月号

『産直大豆の小粒納豆(たれ・からし付)』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】(2014年1月時点)
株式会社カジノヤ 梶光則 さん

パルシステムならではの生産者の顔が見える納豆

JAおとふけのみなさんと大豆農場で

広大なJA苫前町の大豆農場

パルシステムの定番納豆として、多くの方に愛されてきた国産大豆使用の『小粒納豆(たれ・からし付)』が、2013年10月から原料を産直大豆に限定した『産直大豆の小粒納豆(たれ・からし付)』として新たにお目見えしました。

製造元の(株)カジノヤでは従来も北海道の契約農家から仕入れ大豆を用いていましたが、今回のリニューアルでは産地を「JA苫前町」「JA当麻」「JAおとふけ」の3カ所に限定。生産者の顔が見えるPB(※)納豆という、よりパルシステムらしさを感じていただける納豆になりました。一方、作る側にとっては、「大豆栽培は長期間にわたるので、そのリスクを分散させる意味合いもありました」と梶さんは話します。

「大豆は5月ごろに種をまき、夏になると、いわゆる枝豆として食べる青い豆になります。これを刈り取らずに10月ごろまで畑で乾燥、熟成させた大豆が納豆の原料になるのです。収穫は大豆がすっかり乾燥してから行われますが、収穫適期を待っているうちに近年増えている台風の影響を受けたり、急に気温が下がり雪が積もる地域もあるんですよ。途中の生育状況がよくても、収穫が終わり大豆が蔵に入るまで毎年気が抜けません」

北海道では古くから、その気候風土に合った大豆栽培が行われてきました。しかし収穫までの期間が長いために、気候の変化によっては予想外の不作に見舞われることも。同じ北海道でも産地を分散させるのは、その危険をできるだけ避けるためなのです。同時に大豆そのものも、病害虫や寒さの影響を最小限にするために品種改良が重ねられてきました。

「現在おもに使っているユキシズカは糖分が多く納豆に大変適した品種です。また、枝の上のほうに豆がつくように改良されているので、刈り取りのときに土や石の混入などが少なくなり、刈り残しが減り、収穫量が安定するようになりました」

※PB商品:独自開発商品

納得できる納豆を作るために手間と時間をかける

その大豆を用いたカジノヤの納豆作りの基本は、「ゆっくりじっくり時間をかけること」と梶さん。リニューアル後もその姿勢は変わらないと言います。たとえば蒸煮(じょうしゃ)では、浸漬(しんせき)して大豆が含んだ水分とボイラーの蒸気を利用し、大豆がしっとりとやわらかくなるまで、約1時間20分、熱を加えます。

「高圧で蒸煮すれば早くやわらかくなりますが、高圧だと大豆は釜の中で踊ってしまうんですよ。ユキシズカは皮が薄いので、踊ると皮が破けてパックに盛り込むときに煮汁が出てしまう。安定した品質の納豆を作るためには、時間はかかりますが、この方法がいちばんなんです」

煮上がった大豆は納豆菌を散布してひとつずつパックに盛り込みます。ふたをしたパックは発酵室に運ばれ、ここでいよいよ“納豆”になるのです。発酵にかける時間は約19時間。納豆菌の働きが大豆の芯まで届き、一粒一粒が充分に発酵するのをじっくりと待ちます。

「今は発酵室の温度、湿度、酸素の量などは機械で管理し、安定的な生産ができるようになりました。それでも季節やその日の天候によっておいしく仕上がるように、人の感覚による微調整は欠かせません。効率的に作ろうとすれば、どこかに必ずしわ寄せが出て、今とは違う納豆になってしまうでしょう。一つひとつの工程にていねいに向き合うことで、私たち自身が納得いくものを作ることができる。時間は、そのために必要なのだと思っています」

産地との信頼関係こそがいちばんの強み

こうしてできた本品の特徴は、豆がふんわりやわらかなこと。そしてかき混ぜるときめ細かな白い糸がたっぷりとでき、その糸が豆にからむことで、グルタミン酸のうまみがしっかりと感じられること。まさに、納豆に適した大豆の栽培のために力を注いできた生産者と、カジノヤの納豆作りへの思いが結集して生まれた商品といえるでしょう。

「しかし、お互いの立場と努力を理解し、こだわりを共有できる生産者と出合うことは簡単ではありません。大豆は自然の産物ですから栽培にリスクは付き物です。そこを、パルシステムや私たちの理念である農薬や化学肥料をひかえた栽培や、その履歴を明らかにすることの大切さをわかってもらい、リスクの多い栽培方法で量も確保してもらうのです。私たちは自分たちで大豆の農場も作り、生産者の苦労も知っています。だからこそ私たちにとって生産者は大切な存在ですし、長年築いてきた産直関係が、今後もいちばんの強みでもあるのです」

最後に、納豆のより食べやすい方法をうかがうと、「ユキシズカは糖分が多く、納豆菌はその糖分が大好物なんですよ。1カップにほんのひとつまみの砂糖を入れてみてください。泡立ちがぐんとよくなり、苦みがやわらいでとてもまろやかになりますよ」とのこと。

小さなお子さんからおとなまで、誰もが食べやすいやわらかな食感とくせのない味わい。納豆はちょっと苦手…という方も、ぜひ一度召し上がってください。そして私たちの食卓にあり続けてきた“小粒納豆”を、これからも応援していきましょう。

『産直大豆の小粒納豆(たれ・からし付)』ができるまで

  1. step01

    浸漬(しんせき)

    20℃の水に18〜20時間漬けます。

  2. step02

    蒸煮(じょうしゃ)

    釜の温度を徐々に最高93℃まで上げ、1時間20分蒸します。

  3. step03

    納豆菌散布

    蒸し上がった大豆に納豆菌をまぶします。

    釜の中の熱々の大豆にすばやく散布

  4. step04

    盛り込み→たれ・からし投入

    カップに大豆を充てんし、被膜をかけて、たれ・からしを投入。トップシールでふたをします。

    パック包装が 完成!

  5. step05

    発酵→冷却→包装

    発酵室で室温30〜38℃、品温40〜48℃で19時間発酵させます。その後、発酵の進行を止めるために0〜5℃で24時間冷却。包装してでき上がり!

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※本ページの内容は2014年1月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。