• 惣菜(冷蔵、冷凍、軽食)

生あげ(厚揚)

カリッのあとにふ〜んわり。パルシステムのPB商品「もめん豆腐」を一番搾りの菜種油で揚げました

 グリルなどで軽く焼き、薬味を添えるだけで立派な一品になる厚揚げ。この厚揚げを、パルシステムでは「生あげ(厚揚)」として販売。素材よし、風味よしで開発以来25年にわたって支持されている大ロングセラー商品です。もちろん『もめん豆 腐』同様、消泡剤不使用、凝固剤はにがりのみ。原料の大豆にはすべて国産大豆を使用しています。 *PB商品…独自開発商品

『生あげ(厚揚)』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】
共生食品株式会社 小野寺和明さん
    同    澤田好行さん
    同    本山研二さん

始まりは「自分たちが食べたい豆腐」だった

 『生あげ(厚揚)』を手掛ける共生食品(株)が創業したのは、いまから36年前の1975年のこ と。都市部に大型スーパーマーケットが普及し、大量生産された商品が安価で売られた時代でした。

 その当時、パルシステムの前身の地域生協組合員数は、合わせても約3万人。この生まれたての会社と小さな生協が手を取り合い、 掲げたのが、「安全で環境を汚さない商品を作り、世の中を変えよう」という理想でした。

 生協のオリジナル商品としての豆腐の開発がスタートしたのは1984年。そのとき生協が提案したのが、「国産大豆を使う」「消泡剤は使わない」「凝固剤はにがりのみ」という3つの条件でしたが、それは当時の豆腐作りの世界ではほとんど不可能とされていた こと。その実現にあえて挑戦しようとしたことが、共生食品の本気度を物語っているようです。

 「豆腐を作るには、まず水にひたしておいた大豆をすりつぶして釜で煮ますが、加熱した大豆は猛烈な量の泡を生じます。泡の発生 を少しでも抑えるために、メーカーとともに煮釜の改良を重ねたり、泡を取り除くための工程を増やしたり。商品と呼べるような豆腐が作れるようになるまで、1年間は失敗の連続でした」(澤田さん)

生あげの基本はおいしい『もめん豆腐』

 こうした試行錯誤の末に誕生し、いまではパルシステムの商品カタログで定番となった『もめん 豆腐』。それをそのまま油で揚げたのが『生あげ(厚揚)』です。この生あげ、パックから取り出したときに感じるのはゴワゴワとした食 感です。ところが、軽く焼いてしょうゆをたらし口に入れた途端、揚げた生地はカリッ、大豆の香りがふんわり。見た目の武骨さからは想像できない繊細な味わいに驚かされます。

 「カリカリ感はねらったわけではないんですよ。私たちは、おいしい豆腐を作って、揚げているだけです」と澤田さん。生あげのもと になる豆腐と、『もめん豆腐』の作り方に、一切違いはないと語ります。「生あげならではのこだわりは油です。揚げ油には、色目や風味が良く軽くあっさりとした一番搾りの菜種油を使用しています。この油を、ろ過しながら使っています」(澤田さん)

 フライヤーの油は1台当たり約400リットル。油の汚れ具合を確かめるためには、一度油を冷ま し、専用の試験紙に浸けます。酸化した油を交換する目安には定められた数値がありますが、共生食品では、その数値を確認し早めに新しい油に交換。新鮮な油にこだわった、『生あげ(厚揚)』 ならではの香ばしさが生まれます。

豆腐はシンプルだからこそ原料にこだわる

 豆腐の原料は大豆。それに水とにがりのみ。豆腐はシンプルそのものの食品です。だからこそ、まずは原料の吟味、そしてよい商品を消費者に安定供給するための企業の姿勢が問われます。

 「私たちの大豆は、全国の契約産地と年間の数量を契約して仕入れています。たとえば佐賀のフクユタカはたんぱく質含有量が多い、 北海道のユキホマレは糖度が高いなど、土地によって特性の違う大豆をブレンドすることでよりおいしい豆腐を作ることができます。 また、産地が全国に分散していれば、たとえある産地の大豆が台風被害などにあっても、ほかの産地から仕入れることができるのです」 (澤田さん)

 この体制を確立したきっかけは、ある苦い体験が背景となっているとも。「1993年の米の大凶作。あのときは大豆も同様の状態 でした。国産大豆を使うことが私たちの使命なのに、そのときはパルシステムと協議のうえアメリカ産の有機大豆を50%ブレンドせざるをえなかったのです」(澤田さん)

 このときの悔いと反省が、産地との契約栽培へと向かわせ、年間を通じて安定的に豆腐 製品を作るための基盤となったのです。

豆腐職人は3年で一人前うまい豆腐は職人技の結晶

 ところで、取材中たびたび耳にした「職人」という言葉。そこには豆腐作りに携わる一人ひとりの自負や意地、誇りが込められてい るように感じられました。  「豆腐職人は、一人前になるのに最低でも3年かかるといわれています。豆腐作りでは、先輩社員であってもみんながライバル。だれよりもおいしい、昨日よりもおいしい豆腐を自分が作るんだと各自が思っています」と、澤田さんの後輩にあたる本山さん。最も肝心な豆乳ににがりを加える場面では、0・1秒刻みのタイマーをセットし、熟成バケットの前につきっきりでタイミングを見極めます。

 「室温や湿度、産地によって毎日違う大豆に合わせて、工程の一つひとつへの目配りも変わってくる。厳密に言えば、ふたつと同じ 豆腐は作れません」(澤田さん)とは、なんとも熟練を要する職人技です。そんな職人さんは、組合員のみなさんに『生あげ(厚揚)』を どのように食べてほしいと思っているのでしょうか?

 「せっかくよい菜種油で揚げていますから、まずは軽く焼くだけですっきりした風味を味わっていただきたいですね。お子さんには、 チーズを載せてフライパンで焼いたピザ風も喜ばれると思いますよ」(澤田さん)  その言葉には、自分の手元を離れても商品のゆくえを気にする、温かな愛情が溢れていました。

『生あげ(厚揚)』ができるまで

  1. step01

    浸漬(しんせき) →煮沸

    大豆は水に浸したあと(常温で9〜15時間)、すりつぶし密閉型の縦型 煮釜で煮ます(100℃で5分)。このときに膨大な泡が発生します。

  2. step02

    分離→泡取り

    煮た大豆を豆乳とおからに分離。にがりを加える前に、豆乳の泡を減らすためにタンクに通します。

    タンクには泡がいっぱい!

  3. step03

    凝固→熟成

    豆乳を熟成バケットに投入。直後に撹拌(かくはん)しながらにがりを加え、撹拌をストップ。その間、約3秒が勝負です。

    豆乳にはバケットの中でだんだん弾力がついてきます

  4. step04

    箱盛成形→切断

    バケットの豆腐を崩しながら型に盛り込み、水を切ったあと、ひとつずつにカット。

    崩し方で食味のよさが決まります

  5. step05

    油揚げ

    175℃前後の菜種油で約5分間揚げます。

    整然とフライヤーへ…

    コンガリきつね色!

  6. step06

    冷却→包装

    しっかり冷ましたあと、包装。製造翌日には組合員向けに仕分けされます。

    最後までしっかり検品

    組合員の食卓へ!

いまこそ、理想を語ろう

共生食品(株)代表取締役 三澤孝道さん

 生協とのお付き合いが始まって36 年。以来、夢や理想を語り合い、お互い切磋琢磨しながら歩んできまし た。今回、東日本大震災を体験し、 理想を思い描くことが、いっそう大 切になっているのではないか。いま こそ、企業や組織の真価が問われる のではないかと感じています。

 組合員のみなさんは、子どもたち にどんな社会を残したいか考えてみ るといいのではないでしょうか。そうすれば、私たちがやるべきことが、 おのずと見えてくると思いますよ。

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『生あげ(厚揚)』

※本ページの内容は2011年11月時点の情報です。
 商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

※本ページの内容は2011年11月時点の情報です。
 商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。