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富士の天然水(PET)

100%再生ペットボトル容器のミネラルウォーターを
パルシステムが初めて実現

富士の天然水(PET)』について詳しく知ろう!

【今回お話をうかがった方】(2017年7月時点)
パルシステム連合会 ドライ食品課 相原正和職員、他1名
   同     環境活動推進課 植村幸子職員

災害時の容器としてペットボトルを検討

使用済み容器は「資源」でもあります

 2016年1月、パルシステムではペットボトル入りミネラルウォーター『富士の天然水(PET)』の販売を開始しました。

 飲み物や調味料の容器として、いまやなくてはならないペットボトル。パルシステムでは、その利用をめぐって慎重に議論が重ねられてきました。原料のPET樹脂は石油から作られるために、資源枯渇の問題や輸送時、製造時のCO2排出、ゴミの大量廃棄など、さまざまな環境問題に向き合う必要があるからです。

 議論がすすむきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による水不足でした。

 「それまでパルシステムではABパック入りの水をお届けしてきましたが、非常時の備えとして持ち運びや保管がしやすいペットボトルの利用も検討してほしいという声が数多く寄せられたのです。その後、使用済みのペットボトルを新たなペットボトルに再生させる“ボトル(B)toボトル(B)”というリサイクル方法が日本でも実用化され始めました」(パルシステム連合会 商品開発本部 ドライ食品課 職員)。この方法は高い技術力が必要なために、取り組む企業が限られていました。そんななか初めてB to Bを可能にした協栄産業株式会社(栃木県・小山市)との出合いを機に、本品の開発は大きく動き始めたのです。

高純度のPET樹脂でB to Bが可能に

B to B実現のために前処理を徹底

 ペットボトルのリサイクルは、行政や量販店、コンビニによる回収などで私たちにとってすっかりおなじみです。しかし回収後のペットボトルがどのような道をたどるのかについては、意外と気にすることが少ないのではないでしょうか。

 一般的に使用済み容器の多くは、食品用のトレイやフィルム、収納容器、衣料品などペットボトルとは別の製品に姿を変えます。本品は、回収したペットボトルは再び同じペットボトルになります。この方法がB to Bと呼ばれるゆえんです。

 「このふたつの違いは、使用済みのペットボトルを“どれだけ純度の高いPET樹脂に精製するか”によって決まります。ペットボトルはおもに食品の容器として利用するために、再生ペットボトルにも高い安全性が求められます。ペットボトルをペットボトルに再生する技術は旧来にもありましたが、実験室レベルの技術でコストと時間がかかりすぎ、実用化に見合わないものでした。そのため今までの日本では、ペットボトルはたとえ回収されても、低純度で再生可能な容器や繊維などに再生されることが多かったのです。しかし協栄産業ではPET樹脂に入り込んだ不純物を除去し、純度の高い樹脂に再生する技術を開発し実用化。石油から作った新品と同等の原料を作り出すことができます。かかるコストはトータルで同等ですが、B to Bであれば石油から製造するよりも、CO2排出量が63パーセント削減できるとされています(※)。ただ“便利だから”ではなく、パルシステムがペットボトルの利用に取り 組む意味は、そこにこそあると考えています」(パルシステム連合会 商品開発本部 ドライ食品課 相原職員)。

※三菱UFJリサーチ&コンサルティング算出

水は採水地で充てん容器の回収にもご協力を!

高純度な本品のPET樹脂(右)

 本品の水には、富士山麓で採水したナチュラルミネラルウォーターを使用しています。製造元の朝霧ビバレッジ株式会社(静岡県・富士宮市)が位置するのは、標高約1000メートルの朝霧高原の近隣。工場敷地が富士山箱根伊豆国立公園と接し周辺は開発が禁じられているため、同社上方には建築物やゴルフ場、酪農・畜産施設などの人工物や汚染源がありません。また、富士山に降った雨水は7層の玄武岩層で数十年かけてろ過されるため、水質がよいことはいうまでもなく、まろやかでさらりとしたおいしさが特徴です。

 水源をもつ朝霧ビバレッジとB to B技術をもつ協栄産業およびパルシステムは、2016年10月に「森林保全および資源循環推進に関する協定書」を結びました。内容は、水源地周辺の森林保全活動を積極的に行うとともに、地震や豪雨等の災害が発生した場合は、協力して被災地域および被災者支援に取り組む、というものです。

 こうして、多くの人の知恵や技術をつなぐことで実現した本品。現在の課題は、「なんといっても回収率をもっと上げることです。本品のリサイクルのしくみは、組合員のみなさんが使用後の容器を戻してくださることで成り立っています。貴重な資源を守り、地球環境に負荷をかけないくらしを続けていくためにも、ぜひこの“リサイクルの環”への参加をお願いします」(相原職員)。

『富士の天然水(PET)』ができるまで

揚水~製品化の工程

  1. step01

    揚水→加熱殺菌

    採水後、微生物殺菌のために加熱殺菌とフィルター殺菌を行う。

  2. step02

    充てん・キャッピング→転倒殺菌→冷却

    充てん(※)した水全体をムラなく殺菌するために、ボトルごと加熱殺菌する。

    ※本品はボトル内を真空にしてキャッピングしています。キャップを開けるときは、水がこぼれないように水平な場所に置き、静かに開けてください。

  3. step03

    ラベル装着→画像検査

    ラベルを装着し、賞味期限印字後、画像検査を経て出荷する。

ペットボトルの戻し方

●外装フィルム、キャップをはずし、乾かしてから軽くつぶしてください。
※フィルムとキャップは回収しないため、各自治体の指示に従って処分をお願いします。
●市販のものは回収していません。

飲んだあとの容器は、必ずお戻しください


本品のペットボトルは、回収後、また新しいペットボトルに生まれ変わります。現在、回収率は約50%。紙パック(回収率約73%)やリユースびん(約60%)と比べても、まだ低いのが現状です。ペットボトルにおける再生資源100%活用を実現するため、回収にぜひご協力いただけますようお願いいたします!(パルシステム連合会 地域支援本部 環境活動推進課 植村幸子職員)

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※本ページの内容は2017年7月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。