九州のえだまめ(塩ゆで)
自営農場から加工場まで30分の近さ 新鮮さそのままに急速冷凍した、産直ならではの味わい
緑あざやかな枝豆の塩ゆでは夏の常連メニューのひとつ。家庭で調理してもおいしい一品ですが、急いで食卓に出し たいとき重宝するのが、『九州のえだまめ(塩ゆで)』。中国や台湾産を使った商品が多く出回るな か、パルシステムと産直提携した宮崎県のメーカーが栽培から冷凍加工まで一括管理しています。収穫したその日のうちに急 速凍結した新鮮な味わいが特徴です。
『九州のえだまめ(塩ゆで)』について詳しく知ろう!
- 【今回お話をうかがった方】(2011年8月時点)
- 丸紅食料株式会社 能川小太郎さん
イシハラフーズ株式会社 吉川幸一さん
パルシステム連合会 冷凍食品課 田端伸行職員
栽培から冷凍加工まで 一括管理した産直品
『九州のえだまめ(塩ゆで)』は、宮崎県都城市のイシハラフーズ(株)が製造しています。同社とパ ルシステムは2007年に産直提携し、枝豆だけでなく、ほうれん草や小松菜の冷凍野菜産地としても結びつきを深めてきました。
イシハラフーズ(株)の強みは、野菜の栽培から冷凍加工までの流れを一社で一括管理していること。加工する野菜は、130ヘクター ルにおよぶ自社農場を中心に、近郊の契約農家約60人からも供給を受けています(都城市を中心に一部、近郊の鹿児島県内も含む)。 収穫した野菜を自社工場で商品化しているので、生産者や栽培内容が明らかな冷凍野菜を提供することができるのです。
イシハラフーズ(株)が力を入れているのが、農薬使用の削減です。農薬の使用量や回数については、各都道府県が「栽培慣行基準」 を設定していますが、『九州のえだまめ(塩ゆで)』の原料の枝豆はすべて、宮崎県が定めた基準の半分以下(※)という厳しいレベルを 達成しています。
青果業として1976年にスタートしたイシハラフーズ(株)は数年後に野菜の冷凍加工に着手。中国産冷凍ほうれん草の残留 農薬問題を発端に、国産の安全・安心な冷凍野菜を求める声が高まるなか、同社とパルシステムの産直が始まったのでした。
「九州は消費地から遠いので、青果物を生鮮品として流通させることがむずかしく、凍菜に加工する取り組みが多く行われています。 なかでも、イシハラフーズは農産物の栽培のレベルが高く、凍菜の産直が始まりました。パルシステムでは、首都圏に近い千葉県の和郷園などと、遠隔地の北海道や九州のイシハラフーズといった産直産地から凍菜の供給を受ける体制をとっています」(田端職員)
※天候不良などで該当しない場合もあります。
洗浄から凍結まで30分 収穫から半日で製品化
収穫後、すぐに鮮度や栄養価が落ちるといわれる枝豆。イシハラフーズ(株)では、そのような枝豆が損なわれないように、収穫し たその日のうちに加工します。このスピーディーな工程が、『九州のえだまめ(塩ゆで)』の おいしさにつながっているのです。
「ほかの業者から原料を仕入れているのではなく、冷凍加工のための栽培体制ができていますし、生産計画に合わせて収穫し、収穫 から半日で製品化しています」(能川さん)
イシハラフーズ(株)の自営農場は加工場ま30分以内という近さ。加工ラインに投入されると、洗浄から凍結までの一連の作業に かかるのは約30分という素早さです。これは同社の大きな強みとなっています。
また、イシハラフーズ(株)では、生産者や畑、栽培内容などを厳格に記録して管理しているので、 生産から流通まで追跡できる、いわゆるトレーサビリティが実現し ています。『九州のえだまめ(塩ゆで)』のパッケージの裏側には、一袋ごとに「ロット番号」が印字さ れています。同社のホームページで、このロット番号を入力すると、原料に使った枝豆の栽培履歴が確 認できるようになっています。
「イシハラフーズでは、収穫作業を効率化するため自社で収穫用の機械を改良していますし、残留農薬検査センターも自社で設立して 全作物の検査を行っています。ほかのメーカーで、ここまで徹底しているところはほとんどないと思 います」(能川さん)
人海戦術で始めた枝豆 異常気象との闘いも
イシハラフーズ(株)が枝豆の商品化を始めたきっかけは、夏場の商品も充実させるためでした。しかし、同社の吉川幸一さんによ ると、枝豆の栽培を始めた当初は、苦労が絶えなかったそうです。
「スタート時期は人の手で根っこからひっこがして(引っこ抜いて)、枝や葉っぱがついたまま工場に持ち込んで、昔でいう脱穀機のよう なもので枝豆をとっていたんです。畑でひっこがす作業に40〜 50人、工場で豆だけとる作業にまた40〜 50人と人海戦術でした」(吉川さん)
手作業の苦労は、4年前に導入した機械によって、ようやく解決しました。それでも枝豆栽培には 九州南部で頻発する局所的な豪雨などとの闘いが残っています。今年1月に噴火した霧島連山・新 燃岳(しんもえだけ)の火山灰の影響で、ほうれん草などは被害を受けており、再噴火のリスクも完 全にはなくなっていません。6月には激しい雨に見舞われ、火山灰が土石流を起こす恐れがあるとして、 同市内で避難勧告も出ました。
薄めの塩味だから サラダやスープなども
『九州のえだまめ(塩ゆで)』の味の特徴は、豆の甘みを引き立てる、ほどよい薄めの塩味。ビール のつまみなどとして、もう少し塩味をきかせたい場合は、塩をふってお好みの味にできます。枝豆はサラダやスープ、枝豆ごはん、ひき肉料理など幅広い料理に活躍しますが、そのようなメニューに使うときでも味のバランスを調整し やすい塩加減となっています。
「メーカーによっては、加熱時に1回で塩味をつけているところもあるかもしれませんが、わたしたちは、加熱と冷却の2段階で塩味をつけています。時期や天候によって、枝豆のさやの硬さが変わるので、塩加減に偏りができないよう2段階にして、しっかり味を浸み 込ませているんです」(吉川さん)
『九州のえだまめ(塩ゆで)』は、室温で自然解凍するのがおすすめ(約30分)。お急ぎの場合は、電子 レンジや流水解凍でも大丈夫です。チャックシールが付いているので食べたい分だけ手軽に使えます。タンパク質やビタミン、ミネラルなど栄養豊富な枝豆を、 夏場に限らず一年中味わえるのも冷凍ならではのメリットです。
『九州のえだまめ(塩ゆで)』ができるまで
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step01
栽培
原料の枝豆が栽培されているのは宮崎県都城市。温暖で雨が多いな か、農薬の使用を宮崎県の栽培慣行基準の半分以下(※)に減らしている。
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step02
収穫
人海戦術だった収穫も4年前から機械化。収穫したその日のうちに加工場へ搬送する。
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step03
洗浄
たくさんの空気を送り込んであわ立つ水に投入して土や汚れを取り除く。
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step04
加熱
90〜 95℃の熱湯で3〜7分加熱する。色落ちを防ぐため塩を加えているが、塩分濃度は1%前後と低めに設定。
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step05
冷却
流水で冷却した後、濃度7〜9%の塩水に移して20℃以下に冷やす。枝豆が冷える段階で塩味が浸み込んでいく。
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step06
凍結
マイナス20℃のトンネルフリーザーで8分間の急速凍結。
洗浄から凍結まで約30分で鮮度を逃さず
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step07
冷凍保管
マイナス18℃以下で冷凍保存する。
生産者の声
イシハラフーズ(株)の吉川幸一さん
今年は3月下旬の植え付け時期に1カ月ほど雨が降らなくて、発芽が不ぞろいだったんです。後半は順調 ですが、収量は落ちそうです。中国産などの冷凍枝豆も市販されていますが、わたしたちが育てた枝豆の味 のよさは希少価値があります。ぜひそのおいしさを実感してみてください。
「国産でも味は二の次」ではなく、どこにも負けないレベルの品質、味を追求していきたいと思っています。
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※本ページの内容は2011年8月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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