ジャム・マーマレード
確かな原料とこだわりの製法が生み出す みずみずしい果実そのものの味と香り
1984年に誕生以来、 29年もの長きにわたって好評の声をいただいているパルシステムPB商品(※)のジャム、 マーマレード。原料を吟味し、果実を最大限に生かす製法に工夫を重ねて商品づくりを続けてきたみなさんにお話をうかがいま した。※PB商品:独自開発商品
『パルシステムの「ジャム・マーマレード」』について詳しく知ろう!
- 【今回お話をうかがった方】(2013年3月時点)
- デイリーフーズ東京販売株式会社 光丸永援さん
デイリーフーズ株式会社 真島幹夫さん
パルシステム連合会 ドライ食品課 吉江健一職員
保存食としてのジャムから果実を味わうジャムへ
パルシステムPB商品のジャム、マーマレードは4品。そのすべてを製造するのが、果実加工に40年以上の実績をもつ食品メーカー、デイリーフーズ(株)です。パルシステムとの取り引きが始まったのは創業まもない1970年代のこと。自社ブランドのジャム製品をとおしてのことでした。「デイリーフーズでも一般の市場でも、当時は糖度66度、果実含有率50%のジャム類が主流でした。現在私たちが製造するパルシステムのジャム類が糖度39度、果実率がおよそ70%ですから、当時主流のジャムは、果実を味わうというより保存食としての性格が強かったといえるでしょう」(光丸さん)
1980年にはいると、パルシステムではマーガリンなど毎日の食事で使う食品を中心に、PB商品の開発をスタートさせます。「ジャムはそのひとつとして企画に上がった商品でした。私たちは国産原料にこだわった商品づくりを進めてきたメーカーとして、開発から参加することになったのです」(光丸さん)このとき商品コンセプトとして上げられたのが、果肉分が残ったプレザーブスタイルであること。低糖度と保存料・着色料不使用を実現すること。当時の主流とは大きく異なる、“果実そのもののみずみずしさを味わうことができるジャム”は、こうして誕生することになったのです。
果実を最大限に生かす「ジュール製法」を開発
安価な外国産果実を原料にしたジャム類が多いなか、パルシステムのジャム類は国産原料を用いたいちご、りんご、あんず(いずれもプレザーブ)の3品でスタート。39度の低糖度に加え、合成保存料不使用を実現したことで、組合員のみなさんから大きな支持を得ることになりました。
「原料へのこだわりは今日でも変わらず生きています。現在と大きく異なっているのは、当時の製造方法です」(真島さん)
ジャム類の製造といえば、大きな釜に果実や砂糖などの原材料を入れ、撹拌(かくはん)しながら30分以上加熱して水分を飛ばし、煮詰める方法が一般的でした。
「この方法だと、常に同じ状態の製品を作り出すために、人の眼と手で絶えず確認する必要があります。しかし経験のある職人がどんなに注意を払っても、どうしても果実くずれや充填(じゅうてん)ムラが出てしまいます。また時間の必要なこの工程のなかで、普通であれば果実は煮くずれしてしまうのです」(真島さん)
ムラがなく品質が安定しているとともに、果実の形が残ったジャム類を作ること。この課題への探求の結果デイリーフーズが開発し、のちに特許を取得した技術が「ジュール製法」でした。
ジュール製法の採用を機に商品ラインをリニューアル
「ジュール製法は導体に原料である果実を流し込み電流を流すことで、果実そのものを自己発熱させ、内部まで均等に加熱殺菌する 製造方法です」(真島さん)
この製法のメリットとして釜を用いていたときの約30分から約3分へと、加熱時間を大幅に短縮させることに成功。
「果実は高温に長時間さらされると、果肉くずれが進みます。ジャム類の製造ではそれが相矛盾した課題でもありました。ジュール製法によって果実が高温にさらされる時間を大幅に短縮したために、色や味を損なうことなく製品化することが可能になったのです」(真島さん)
ジュール製法による製造開始を機に、1993年パルシステムではジャム類を大幅にリニューアル。商品ラインをいちご、りんごに、ブルーベリーと甘夏を加えた4品に確定し、リユースびんの使用をスタート。紙ラベルからフィルム印刷のシュリンクパックとなり、現在でもおなじみのパッケージに包まれたジャム類が登場したのです。
よりよい製品づくりに必要なきめ細やかな品質管理
こうした高い製造技術とともにパルシステムのジャム類を支えているのが、原料果実についての厳しい品質管理です。
「たとえばいちごの場合、プレザーブスタイルのジャムを作るにはいわゆる加工用ではダメで、生食でも販売できる良質ないちごが大量に必要です。しかし多くのいちごが集められれば、中には粗悪なものが混ざっている恐れがあります。まずどんな原料が栽培され、集められるのか、現地に定期的に足を運んでこの目で確認する必要があります。それはコア・フード基準で栽培される無茶々園の甘夏、国産のりんごだけでなく、カナダ産のブルーベリーの場合も同様です」(光丸さん)
「果実は高温に長時間さらされると、果肉くずれが進みます。ジャム類の製造ではそれが相矛盾した課題でもありました。ジュール製法によって果実が高温にさらされる時間を大幅に短縮したために、色や味を損なうことなく製品化することが可能になったのです」(真島さん)
またジャム類は加工品であるために、原料だけでなく、一次加工を行う業務提携先の仕事内容にも注意を払う必要があります。 「いちごであれば、デイリーフーズの製造工場に運ばれる前に、ヘタをとったり砂糖漬けにしたうえで凍結する、といった処理が必要です。その仕事が、お願いしている内容のとおりに行われているかどうか、常に意思の疎通を図って確認しあうことがとても重要です」(光丸さん)
商品展示会では「甘さひかえめで果実のおいしさが味わえる」「パンに塗れないぐらい果肉がいっぱい」といった好評の声が聞かれるなか、時には「高い」と言われることも。「そんなときは“私は店頭に並べる商品ではなく、食べ物を作っているんです”とお話しするとおわかりいただけるようです」と光丸さんは語ります。 「デイリーフーズの原料へのこだわりと技術力への信頼感がともに歩み続けてきた理由ですね」と吉江職員。そんなパルシステムの思いを受けて「そのキャッチボールのなかで、いまもっとも求められているものを常に探したいですね」(光丸さん)という言葉に、パルシステムのジャム類が歳月を経てなお愛される理由が垣間見えるように感じられました。
『パルシステムの「ジャム・マーマレード」』ができるまで
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step01
一次加工
一次加工の工場で、洗浄やへたをとる作業、加糖凍結処理などを行います。
(一つひとつ手作業でへたをとります。) -
step02
調合
いちご、砂糖、ペクチンなどの原材料を60℃に加熱し、砂糖やペクチンを充分に溶解させます。
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step03
ジュール製法で製造
2をジュール製法の装置に移し95℃で約3分間加熱殺菌します。
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step04
充填(じゅうてん)
加熱殺菌後、約2分後に充填が完了します。
(いちごの色合いそのままの超短時間加熱製法!) -
step05
後殺菌→打検査
製品の密封度、真空度の検査をして完成です。
(ひとびんずつ叩き、音の違いで異常を見つけます。)
おいしく食べたら、リユースへ!
パルシステムではリユースびんの回収をすすめています。しかしジャム類など200mlびんの回収率が低いのが現状です。大切に扱えば20 〜30回も繰り返し使えるリユースびん。ぜひ回収にご協力ください
パルシステム神奈川ゆめコープ おすすめ商品
『いちごジャム(プレザーブ)』 『りんごジャム(プレザーブ)』 『甘夏マーマレード』 『ブルーベリージャム(プレザーブ)』各200g
※本ページの内容は2013年3月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。