さんま蒲焼缶
旬のうまみをギュッと凝縮
あっさりとしたこれまでにない蒲焼き缶
『さんま蒲焼缶』について詳しく知ろう!
- 【今回お話をうかがった方】(2013年9月時点)
- 日本水産株式会社 小田素嘉さん
同 松本将明さん
パルシステム連合会 ドライ食品課 吉江健一職員
最小限の調味料を使ったパルシステムらしい缶詰
日本人にとってもっともなじみの深い魚のひとつ、さんま。毎年、秋になると北海道から三陸にかけての漁港は旬を迎えたさんまの水揚げでにぎわい、漁港近くの保管庫や運送会社、缶詰などの加工会社はフル稼働。水産加工業は古くから地域を支え、私たち日本人の魚食文化を支えてきました。
さんまの蒲焼きの缶詰も、まさにそのなかで生まれた商品のひとつ。「私たちの会社にとっても、さんまの蒲焼き缶は一番人気の高い商品です」と、数多くの魚介缶を取り扱う日本水産の小田さんは言います。
この多くの人に親しまれているさんまの蒲焼きの缶詰を、パルシステムのPB商品(※)として開発することになったのは、今から十数年以上前。パルシステムの前身生協の時代のことでした。
「普通は魚介の缶詰というと、甘辛いとろりとしたたれが、身にからんでいる様子を思い浮かべるのではないでしょうか」と小田さん。しかし本品開発の前提となったのは、そのような缶詰とは一線を画す商品でした。
「パルシステムの商品づくりは、一般に流通する商品とは大きく違います。もっとも異なるのは、非常にシンプルさが求められること。本品の場合も、たれには通常使われるアミノ酸は加えずに、砂糖、しょうゆ、わずかな香辛料だけを使用しています。また、増粘剤など添加物も不使用です。その結果、たれはとろみのない水のようにさらさらしたものとなっています」(小田さん)
もともとうまみの多いさんまは、旬を迎えると丸々と太り、脂がのってさらにうまみが増します。味付けに頼らず、そんなさんまのおいしさを前面に押し出した缶詰。これはメーカーにとってもまた、初めてのチャレンジとなる商品でした。
(※)PB商品:独自開発商品
この味付けだから生きるさんまのうまさ
本品の製造元・岩手缶詰(株)は、魚介缶製造を中心とした水産加工メーカーです。日本水産とは半世紀にわたって取り引きがあり、さんまの買い付け量では、日本屈指を誇るといいます。
「さんまの水揚げは、8月に始まり11月まで続きます。岩手缶詰では、北海道から三陸にかけて季節を追って行われる水揚げに合わせて、それぞれの地域の漁港に出向き、買い付けをしていきます」(尾崎さん)
3カ月ほどの水揚げで買い付けた1年分のさんまは、いったん漁港近くに冷凍保管され、製造に合わせてそのつど解凍し、工場に運び込まれます。工場に運び込まれたさんまは、まず、用途別にサイズの選り分けが行われます。
「本品用のさんまには、生で店頭に並ぶ大ぶりのさんまより小さめのサイズを選びます。小ぶりのさんまならひと缶に一尾そのままを詰めることができますし、脂の量も適度で、開いて薄い身にしたときの食感もいいからです。しかし缶詰製造には実績のある岩手缶詰でも、本品の商品づくりの条件のなかで調味料の配合率を決め、たれがさんまの身にからんだときの味を調整することには非常に苦労があったそうです」(尾崎さん)
また、缶詰は長期の保存性が前提です。濃い味付けをすれば、そのぶん、安全性は高まりますが、本品の場合はあっさりとした味でありながら、安全性も万全であることが求められます。
岩手缶詰にとっては、初めてのチャレンジの数々。しかし、何度も試作を繰り返し、ようやくたどりついた本品は、手がけた岩手缶詰でも、“画期的”と呼ぶ缶詰に。ともに開発した日本水産でも「魚そのものを食べているような」と表現する、まさに素材のよさが前面に出た商品となったのです。
改めて見直したい「缶詰」の価値
こうしてできた本品は「発売以来、一度もリニューアルされることもなく、パルシステムの缶詰の代表的な商品として、変わらぬ人気を誇っています」と、吉江職員は言います。組合員のみなさんが手軽に利用できるお助け食材として、安定した支持をいただいている様子がうかがえます。
「私たちも、組合員のみなさんとお話しする機会があるときには、そのまま食べるだけではなく、混ぜ込みごはんやパスタの具材に利用するなど、さまざまな食べ方の提案をしています。味付けが主張しすぎないので、どんな食材に合わせてもおいしく、調理済みなので、いつでも手早く食べていただけます。みなさんには、幅広く応用のきく、素材缶のように使っていただけるとうれしいですね」(小田さん)
「私たちも、組合員のみなさんとお話しする機会があるときには、そのまま食べるだけではなく、混ぜ込みごはんやパスタの具材に利用するなど、さまざまな食べ方の提案をしています。味付けが主張しすぎないので、どんな食材に合わせてもおいしく、調理済みなので、いつでも手早く食べていただけます。みなさんには、幅広く応用のきく、素材缶のように使っていただけるとうれしいですね」(小田さん)
確かに、さんまを買い付けるところから始まり、加工製造にいたるまで、作る人々の知恵や努力がたっぷりと詰まった本品。あまりにも身近な商品であるために、私たちは、その価値をあまり意識しないで利用しているのかもしれないと感じさせられます。
今が最盛期のこの秋のさんま漁。3年という賞味期限を生かして、非常時のための備蓄用食品としてはもちろん、わが家の定番おかずとしても、ぜひご活用ください。缶詰の底力を、きっと再発見していただけるはずです。
岩手缶詰の復興への努力は、今も続いています!
東日本大震災の津波で、岩手県大槌町で 保管していた原料のさんまはすべて流され、奇跡的に最小限の被害にとどまった宮古工場も、復旧までに2カ月近くがかかり ました。
それでも組合員のみなさんの支援によって、工場では元通りの生産ができるまでになりました。
旬のおいしさをお届け するために、みんながんばっています。こ れからもご利用をよろしくお願いします! (小田さん、尾崎さん)
『さんま蒲焼缶』ができるまで
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step01
解凍さんま受け入れ
保管されていた冷凍さんまを解凍し、製造を開始します。
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step02
脱頭・脱尾・背割
頭と一緒に内臓を取り除き、蒲焼きにするために身を開きます。
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step03
焙焼・風乾
300〜600℃で2分間、遠火の強火で表面に焼き色を付けます。遠赤外線と熱風の効果で、身をふっくらと仕上げます。
焼き目の香ばしさが味のポイントに
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step04
寸法切断→肉詰
缶に合わせて大きさを切りそろえ、身を詰めます。
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step05
調味液充てん→巻き締め
最大の特徴、さらさらのたれ
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step06
加熱殺菌
113℃で90分加熱することで、骨までやわらかくなります。
旬のおいしさをどうぞ!
パルシステム神奈川ゆめコープ おすすめ商品
3缶セットなので備蓄用に、定番おかずに、幅広くご活用ください
『さんま蒲焼缶』
※本ページの内容は2013年9月時点の情報です。
商品の規格変更などにより、最新の商品情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。