電力の「容量市場制度の見直しを求める意見」を提出しました
11月24日、政府に対し、電力の「容量市場制度の見直しを求める意見」を提出しました。
私たちパルシステム神奈川は「生命(いのち)を愛(いつく)しみ、自立と協同の力で、心豊かな地域社会を創り出します」を理念とし、安心して暮らせる社会をつくるために神奈川県内で事業活動を行なっております。当組合では、県内外の産地と産直を通じて消費と生産をつなぎ、互いが助け合い、資源循環と持続可能性のある社会づくりを目指しています。エネルギー分野では、パルシステムグループとして2011 年に起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故を重く受け止め、未来の世代への責任と地球環境全体への責任を自覚し、2012 年に「エネルギー政策」を制定しました。「減らす」(省エネルギーの推進)、「止める」(脱原子力発電)、「切り替える」(再生可能エネルギーの普及)を柱として掲げ、再生可能エネルギーの普及などの事業・活動に取り組んでいます。
容量市場の目的は、再生可能エネルギーの拡大を見据え、長期にわたり安定した電力供給体制を効率的に確保することにあります。しかしながら今回の約定価格や制度設計は、再生可能エネルギーを積極的に導入する新電力事業者にとって事業の存続がおびやかされかねない内容となっています。さらに消費者にとっても問題点をはらんでおり、電力自由化ならびに電力システム改革の意義を損なう事態になりかねません。今回の約定価格は、逆数入札を認めたことなど制度設計上の問題があったことに因るものと考えられますが、今回の容量市場制度については、新電力にとって一方的に負担が増加し、結果的に新電力事業者が競争上不利な立場に追いやられてしまう懸念があります。「ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の売り手やサービスを自由に選べる」という電力小売全面自由化の理念、「再生可能エネルギー主力電源化」「非効率石炭火力のフェードアウト」等の国家目標達成に向けて齟齬が生じないよう、制度設計をやり直す必要があると考えます。以上の立場から、私たちは約定結果の白紙撤回と容量市場制度の再検討を強く求め、次の通り意見します。
- 旧一般電気事業者に有利、新電力事業者に不利な容量市場を根本から見直すべきです。
- 再生可能エネルギー供給能力等をふまえて容量市場の目標調達量を最小化する必要があります。
- 減価償却を終えた発電所やCO2排出係数の高い電源の市場参加に制約を設ける必要があります。
- 新電力事業者が事業継続困難となることにより、消費者にとって電力会社の選択肢が狭まるおそれがあります。