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  • 平和 国際活動

「明治大学平和教育登戸研究所資料館 見学ツアー」を実施しました

3月29日、明治大学生田キャンパス(川崎市多摩区)内にある「明治大学平和教育登戸研究所資料館」の見学ツアーを行いました。
戦前に旧日本陸軍によって開設された研究所の建物では、現在資料館として当時の開発・研究内容の展示が行われています。

登戸研究所は、戦争には必ず存在する防諜(スパイ活動防止)・諜報(スパイ活動)・謀略(破壊・かく乱活動・暗殺)・宣伝(人心の誘導)のためのさまざまな秘密戦兵器を開発する場でした。
アジア太平洋戦争において秘密戦の中核を担っていた施設とされています。

研究所の役割

動員された女子学生が作った風船爆弾

学芸員の方の説明を受けながら、資料館を見学。風船爆弾や細菌兵器、偽札の展示を見て、当時の過酷で緊迫した状況を知りました。

風船爆弾は、牛を殺傷し、食糧生産に打撃を与える「牛疫ウイルス」という生物兵器をアメリカに散布する目的で開発されました。
当時の女子学生が風船の部分を作ったときに、「指紋がなくなる」と感じるほど多く生産された爆弾は、偏西風に乗ってアメリカへ移動し、600発着弾した記録があるそうです。

実物1/10の風船爆弾模型

働いていたのは、学者、女性、子ども

当時、親子で働いている人もいましたが、秘匿性の高い施設のため、家族であっても「お互いにどのような仕事をしているのか一切話ができなかった」と伝えられています。
「『国のために』と思いながら仕事に従事していたが、それぞれが強い孤独を感じながら仕事をしていた」という証言の記録がありました。

参加者からは、旧日本陸軍がこの研究所で生物兵器やスパイが使用する道具、偽札製造など行っていた解説を聞き、展示の見学をしたことで「後世にも残し伝えなければならない重要な戦跡に来ることができて学びになった。戦争の『暗部』を知り、平和の大切さを考えるきっかけになった」との感想が聞かれました。

平和課題は今後も戦争の史実を知る企画を行い、平和の大切さを考える機会を作っていきます。

本企画ついてのお問い合わせは新横浜本部 組織運営課(email:palkana-heiwa@pal.or.jp月~金・10~17時)宛てにお願いいたします。