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オンライン講演会「熟年離婚をする前に知っておきたい大切なこと」を開催しました

2月13日、一般社団法人くらしサポート・ウィズ(※)が運営する「くらしの相談ダイヤル」で、離婚・DV法律相談を担当され、成年後見センターつちうら審査委員も務めておられる田中記代美弁護士を講師に迎え、オンライン講演会「熟年離婚をする前に知っておきたい大切なこと」を開催し、187名が参加しました。

※一般社団法人くらしサポート・ウィズ:誰もがくらしやすい地域・社会をめざし、くらしの相談窓口などをパルシステムから受託しているほか、居住支援、若者支援などを行っている団体。 ホームページはこちら⇒https://kurashidial.or.jp/

講師の田中記代美弁護士

熟年離婚で出てくる問題

「熟年離婚の場合、子どもが成長するまでなど、長い期間夫婦生活に耐えてこられた方が多くおられます。離婚後は、これまでより自分らしく、自分の思った人生を歩みたいと希望されているのですから、別居後、あるいは離婚後に、予期せぬ困窮に陥らないよう、いっしょに考えていきたいと思います」と参加者に語りかける田中弁護士。

パルシステムが委託している(一社)くらしサポート・ウィズで、離婚・DV相談を担当されている田中弁護士は、自身の離婚時の経験から、調停や裁判では、女性がおかれている複雑な背景を理解する女性弁護士が担当した方がわかり合えるのでは、と弁護士を志したとのこと。

まず、豊富な相談経験から見えてきた「熟年離婚でみられる傾向や問題になりやすいこと」を紹介されました。それにより離婚後の実家の状況や、夫婦双方の収入が増えにくくなっていることなど、若い世代とは異なる問題が次々明らかになりました。

離婚後のビジョンをもつ

「‶それでも離婚したい″気持ちであることは、よく理解しています。だからこそ、視野が狭くならないよう冷静に考えていくことが大切です」と語り、自身の経験を時おり交えながら、さまざまな問題についてわかりやすく解説。 とくに熟年離婚で中心となる「財産分与」や「年金分割」については、知っておきたい基本的知識や問題となることを表で示すなど、ていねいに説明されました。

講演後半には続々と質問が寄せられたことから、参加者の聞きたい気持ちを考慮し、質疑の時間を長めに設けてくださった田中弁護士。寄せられた質問は、全員が理解できるよう嚙み砕いて説明し、的確に回答されていました。

田中弁護士は講演をとおして「離婚後の生活をどのように過ごすかのビジョンをもつことが大切。そのためには、冷静に情報を収集し、考えていくことが重要」と伝えていました。
当事者の立場を理解し寄り添う、誠実な人柄が終始感じられた有意義な講演会となりました。

講演を始める田中弁護士

配信会場の様子(左から、くらしサポート・ウィズ事務局長中根氏、
田中弁護士、当組合小磯理事)

アンケートから抜粋

  • 押さえるべきポイントや全体像がつかめて大変ためになりました。メリット、デメリット両方の情報を聞くことができ、冷静に判断できるすばらしい講演だと感じました。
  • 別居や離婚について相談できる人がいなく、ネット情報はわかりづらいので、講演をうかがえてありがたく思います。大きな道筋が見えたので確認しつつ取り組みたいと思います。
  • まさに知りたかったことで、よく理解できました。何から取りかかればいいのか、相談先などいろいろなヒントをいただき、頭の中が整理されました。ありがとうございました。
  • 感情的になり、自分ではうまく思考が働かなくなる複雑な内容を、わかりやすく整理してくださり、冷静に聞くことができました。女性の立場で説明してくださったこともありがたかったです。
  • 知りたかった情報だけでなく、知る必要があるのにわかっていなかった情報も知ることができて、大変ありがたかったです。希望がもてました。
  • 多岐にわたりわかりやすく説明してくださりありがとうございました。市の無料相談に勇気を出して行っても親身に答えてもらえなかったので、今日はとても参考になりました。
  • むずかしい法律・現状をわかりやすく説明していただき感動しました。温かく寄り添ってもらえそうな方という印象を持ち、相談する際は講師の先生に依頼したいと強く思いました。

  

◆当企画はパルシステム共済連『福祉・たすけあい助成金』を使用して開催しています。