オンライン学習会「ヒトを浴びる~子どもの孤立と支援」を開催しました
11月22日、一般社団法人Omoshiroの相談支援専門員で、ここしる代表の武田茉里氏を講師に迎え、生きづらさを抱えた子どもたちへの理解と支援について学ぶため、「ヒトを浴びる~子どもの孤立と支援」を開催し、69名が参加しました。
講演会では、困難を抱えた子どもたちを支援するため当組合が立ち上げた「公益財団法人 神奈川ゆめ社会福祉財団」の活動内容についても紹介しました。
※一般社団法人Omoshiro:精神疾患を抱えた親やひとり親など、サポートが必要な家庭とその家庭で育つ子どもに対し支援を行っている。
※ここしる:MHL(メンタルヘルスリテラシー)の普及活動を行っている。
ヒトを浴びる~子どもの孤立と支援「子どもの今に心を配る」
武田氏は、子どもや若者、親子の支援をとおして「特別な環境にいる、特異な性質をもっている子どもだけが困難な状況になるのではなく、わたしたちの周囲のすべてての子どもたちはみな、いつ“困難な状況にいる子ども”になってもおかしくないと気づいた」と話しました。
子どもたちを支援する際、年齢ではなく、その子、その人がどのような発達段階を経てきたか、どの段階にいるのか、それらをきめ細かく見てかかわる“発達段階に合わせたかかわり”が大切になるとのこと。乳幼児期の信頼関係の土台作りの時期から、社会性が育っていく時期など、発達過程には必要な段階があるそう。環境により必要な段階が欠けてしまう場合もあるが、支援のなかで、あとから少しずつ補うことができることを、かかわってきた子どもたちの事例から紹介しました。
また子ども時代のポジティブ体験が、将来の逆境や心身のあり方に影響することなど、グラフを用いて解説。「子どもたちが楽しく過ごせるよう、おとなが心を配る必要がある」と語りました。
参加者からは「声かけなど、どのようにかかわればよいか」などの質問が多く寄せられ、また「おとなの対応や役割の大きさを実感しました」「発見が多いお話だった」などの声が聞かれました。
事例を交え話す講師の武田氏
画面共有をする講師
「公益財団法人 神奈川ゆめ社会福祉財団」活動報告
続いて、高校生に返済不要の奨学金を給付し、伴奏支援を行っている「公益財団法人 神奈川ゆめ社会福祉財団」の活動内容について、財団の余事務局長から紹介がありました。
「現在の日本の子どもの貧困は、9人に1人という状態となっており、社会制度の狭間からこぼれ落ち、進学を諦めざるを得ない子どもたちがいます。そこでパルシステム神奈川は、子どもたちを直接支援していけるよう財団を設立。経済的理由や困難な状況にあっても進学を諦めず、社会のなかで自分らしい生き方を実現できるよう、奨学金を給付するとともに、地域で活動している人や団体、行政などと連携・協同して子どもたちを支援し、その未来を応援しています。伴奏支援では、大学生ボランティアによる学習支援や、家庭学習のためのノートパソコンの補助のほか、キャリア支援、文化・社会的体験の機会の提供などを行っています。また社会への周知のため、啓発活動なども行っています。これまで112名の子どもたちを支援してきました」と報告しました。
ぜひ神奈川ゆめ社会福祉財団の活動内容を知っていただき、誰もが希望をもてる社会の実現をめざすため、ご賛同いただけますようお願いいたします。
神奈川ゆめ社会福祉財団について、詳しくはホームページ(https://kanagawa-s.or.jp/?kanagawa_top_m)をご覧ください。
神奈川ゆめ社会福祉財団の活動報告
お話しされたみなさん(右上:当組合市村常任理事、下:財団の余事務局長)
アンケートから抜粋
- いろいろなところや人とのつながりは大事だと感じました。今日お話しいただいた支援された人たちの生きる力強さを感じました。つながる勇気がなく、諦めてしまっている人も多いと思います。支援する人たちの活動をもっと国に伝え、国の事業のひとつとしてしっかりやっていってほしいとも思いました。
- 発達段階に足りなかったことが生きづらさに関係してくること、それは後で補うこともできることなど、参考になることが多々ありました。
- 今まさに子どもたちに起きている問題について親や周りのおとながどう向き合っていけばいいかをわかりやすくお話しいただけた。相談を受けたとき、どうしたらいいのかと迷っていたことも整理できよかったです。
- 子育てしている身として、とても勉強になりました。同時に、自分自身の子ども時代のこと、答え合わせができた気がします。知ることって大事ですね。
- 実体験を交えてくださり、とても聞きやすく理解しやすかったです。支援につながるまでが大きな壁があるのも事実なので、どんどん支援につながってほしいです。
パルシステム神奈川では今後も、くらしに役立つ講演会や学習会を実施していきます。
◇◇当企画はパルシステム共済連『福祉・たすけあい助成金』を使用して開催しています◇◇