「みんなでいっしょに梅干しづくり♪」十郎梅の収穫と袋漬けに挑戦しました
6月1日、小田原市下曽我にて「みんなでいっしょに梅干しづくり♪」を開催し、組合員12家族32名、役職員を含め37名が参加しました。
神奈川県内の身近な産地「ジョイファーム小田原」は環境保全型農業に取り組み、「オニオン祭」や、みかんの収穫体験「柑謝祭」など年間を通じてさまざまな交流を行っており、「みんなでいっしょに梅干しづくり♪」は自分で収穫した梅で梅干しづくりに挑戦できる大人気の企画です。
開催内容をギリギリまで検討
今年の梅は開花が例年より早かったものの、その後で気温の低い日が続いたことも影響し、色づくのが例年より遅く、産地では開催直前まで梅干し作りができるか何度も畑の様子を確認。青梅の状態のままなら梅シロップ作りに変更したほうがよいかなど、悩ましい日々を過ごしたものの、当日は畑で完熟梅がボトリと音を立てて何度も落ちるような、絶妙なタイミングでの開催となりました。
「エコ・チャレンジ」栽培の梅の畑で
梅の里センターでジョイファーム小田原の生産者の長谷川さんと事務局の大須さんにごあいさつをいただき、長谷川さんの梅の畑に向かいました。生産者で梅干し作りの名人でもある斉藤さんと畑で合流。きれいに草が刈られた長谷川さんの畑はふわふわの土、子どもたちは足元のいろいろな生き物に興味津々です。ジョイファーム小田原のみなさんの指導のもと、十郎梅の収穫を体験。参加者はさまざまな角度から梅の樹を眺めて色づいた梅を一生懸命探し、手の届かない高い枝の実は脚立を使ったり、抱っこしたりして収穫しました。
ジョイファーム小田原では除草剤を使わずに猛暑のなかで何度も草を刈り、食べる人の立場で手間をかけた栽培についての説明を聴きながら、生産者のこだわりを知ることができました。また、参加した子どもたちからは「もっと梅収穫のお手伝いをしたい」という声もあり、楽しい時間となったようです。
生産者の長谷川さん(左)と斉藤さん(右)
畑の生き物に夢中
高い位置の実は脚立を使って
梅の木陰で集合写真
梅干し名人との袋漬けと『梅のしずく』の試食
収穫した1kgの梅を梅の里センターに持ち帰り、斉藤さんの説明を聴いて早速、袋漬け作業開始です。竹串でヘタを取り、梅の表面の産毛をきれいに洗い落として、水分が残らないようにていねいに拭きとります。チャック付き袋に梅と塩180g(18%)を入れて混ぜ、平らにしてしっかり空気を抜き、さらにチャック付き袋に入れて二重にしたら当日の作業は終了。「十郎梅は、皮が薄くてやわらかいので、家に帰ってからの天地返しや天日干しの際には皮が破れないように気をつけてくださいね」と斉藤さんからアドバイスがありました。また、梅を漬けたときに出る梅酢は料理に活用できるので、産地ではおにぎりを作るときに梅酢を手に付けたり、きゅうりの梅酢漬けなども作るそうです。
梅干し名人の斉藤さん
梅の表面の産毛をきれいに洗い流して
かわいい梅の実にさわる手がやさしい
家族みんなで作業を楽しむ
梅の袋漬けが終わると、斉藤さんの十郎の梅干しと『緑みかんシロップ』を冷水で4倍に薄めた緑みかんジュースに加え、7月に当組合オリジナルカタログ『いいね!かながわ』に新商品として登場した『梅のしずく』を使った試食も用意していただきました。『梅のしずく』に少しの水を加えてきゅうりを漬けたもの、さらに砂糖を少し加えて甘酢にしてオニオンスライスやミニトマトを漬けたものなど全5品。参加者からは、これからの季節にいろいろアレンジできそうなので『いいね!かながわ』の配付が楽しみという声もありました。
メッセージに感謝と応援の気持ちを込めて
7月にデビューとなる『梅のしずく』
参加者から届いた「産地カード」
最後に、参加者がお世話になった産地の皆さんへのメッセージを書いて企画は終了。参加者は袋漬けした十郎梅を大事そうに抱え、笑顔で会場を後にしました。
「十郎梅」とは
小田原のブランド梅で、果肉が厚くて実が大きく、皮が薄くやわらかいのが特徴です。その名称の由来は「小田原独自の良質の梅干しを作ろう」と1957年当時の小田原市長の鈴木十郎氏が提唱した、小田原に伝わる日本三大仇討のひとつ「曽我物語」の主人公の曽我十郎の名前からとった、などとされているそうです。
参加者から
ジョイファーム小田原では、除草剤不使用で農薬使用量を神奈川県の基準の半分以下に抑えて栽培する「エコ・チャレンジ」栽培のむずかしさだけでなく、今年の梅は天候不順などの影響を受け不作となり、さらに見た目が悪くなった実も大量に出て出荷量が激減するという大変な状況です。そのようななかで今回の企画を予定通り開催してくれた産地のみなさんに心から感謝したいとの声もありました。
当組合は、今後も産直産地と連携し、組合員と生産者が交流し、理解し合える場を提供していきます。