パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

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「コンポストを学ぼう! やってみよう!」を開催しました

6月6日、ふらっとパル茅ヶ崎にて「鎌倉のごみ減量をすすめる会」の河野千種さん、臼田宗太郎さんを講師に迎え、学習会「コンポストを学ぼう! やってみよう!」を開催し、30名が参加しました。

講師の河野さんと満席の会場

今、コンポストがアツい!?

「コンポスト」とは、生ごみなどを微生物などの生きものの力で分解させて作った堆肥やその容器のこと。分解に使う資材や生きものによって方法や種類もさまざまで、庭に埋める方法、容器やバッグの中で堆肥化させる方法、ミミズの力で分解するタイプもあります。住環境や生ごみを投入する頻度などで自分に合った方法を選ぶことができます。
日本では、生ごみは「可燃ごみ」として回収され、燃やすことが一般的ですが、水分を含んだ生ごみを燃やすには大きなエネルギーが必要で、その分CO₂を多く排出します。コンポストで生ごみを処理すれば、その分焼却時のCO₂も削減し、堆肥として活用することもできます。
この学習会は、コンポストの種類やコツについて知り、自分に合ったやり方を見つけることを目的に企画しました。平日午前中の開催にもかかわらず定員の2倍を超える申し込みがあり、コンポストの注目度が高まっていることがうかがえました。

消滅型コンポスト「キエーロ」

講師の河野さん、臼田さんが所属する「鎌倉のごみ減量をすすめる会」は、鎌倉市と協働してごみの発生抑制とごみ焼却量削減の実践活動を行う会で、おもに消滅型コンポスト「キエーロ」の普及活動をしています。
キエーロは、黒土の中に含まれるバクテリアの力を利用し生ごみを分解し消滅させるコンポスト。葉山町発祥で、生ごみを土に埋めると生ごみが消えることから「キエーロ」と名付けられ、電気を使わずランニングコストがゼロ、不思議と土も増えず、手間もかからないことから注目されています。
河野さんが10年以上前にキエーロを始めた頃は、世の中も地球温暖化についてまだまだ現実味がありませんでしたが、今では地球温暖化対策が待ったなしの状況となってしまいました。自然環境を守るために、生ごみをしっかり分別し、家庭で処理することで「燃やすしかないごみ」(可燃ごみ)を極力少なくできることを、河野さんがくらしのなかで実践していることも交えながら、ウイットに富んだ語り口で話されました。

高校生のお孫さんを含む4人ぐらしの河野さんは、1週間から10日間生ごみを容器にためておき、キエーロに投入。そのときには前回投入した生ごみはほとんど分解されて消えているそうです。くらしのなかでは、ふきんや雑巾を使ってティシュを使う頻度を減らすなどして、「燃やすしかないごみ」を出すのは1カ月から1カ月半に一度という話に、会場からは感嘆の声が。
会場にはベランダに置けるタイプのキエーロや、黒土、剪定枝チップ、竹チップなどのコンポストを展示し、生ごみ投入の実演はとてもわかりやすく、参加者も興味津々。また、地震などの災害でごみ収集がストップしたとしても、家庭で生ごみを自家処理できるということは、防災・減災にも役立つという話も非常に説得力がありました。

質疑応答では、過去にキエーロを実践していてうまくいかなかった事例や、剪定枝チップ・竹チップと黒土との違い、プランターを利用する方法などについて回答があり、参加者も「これならできそう」という気持ちになったようでした。

ごみ投入の実演

ベランダに置けるタイプのキエーロ

ケースの中は右から黒土、竹チップ、剪定枝チップ

バッグ型コンポスト

キエーロのほかに、ベランダなどでも気軽に始められるバッグ型コンポストのひとつ「LFCコンポスト」についても、事務局より紹介しました。LFCコンポストはパルシステムでの取り扱いはないのですが、当組合の配達担当の宮本職員が自宅で実践していて、担当のコースで配付している担当者ニュース「みやもと*つうしん」で紹介したこともあります。
バッグ型コンポストは、ファスナー付きのトートバッグの中に基材を入れ、そこに生ごみを投入して混ぜることを繰り返すと生ごみが分解されて堆肥になる、というしくみ。定期的に基材を追加していく必要がありますが、ベランダなどの小さなスペースで取り組むことできるのが特徴で、できた堆肥を家庭菜園などで活用もできます。宮本職員の自宅では4年間で約400㎏の生ごみを削減できたそうです。気になった方は、検索してみてください。

バッグ型コンポストの説明

コンポストをやってみよう! 楽しんで続けよう!

最後に事務局より自治体の「生ごみ処理機購入助成金制度」について参考情報を共有しました。今年度は神奈川県内21の市町村でコンポスト購入に対して助成金制度があるようです。コンポストを始めようと考えている方は、ぜひお住まいの市町村の助成金制度を確認してみてください。
また、今回はおもに「キエーロ」と「LFCコンポスト」について学びましたが、コンポストを始めるときや始めてからもいろいろと疑問が出てくるかもしれません。当組合では、そんなときに気軽に相談したり、コンポストの進み具合を共有するなど、情報交換の場としてLINEオープンチャットを活用したオンラインコミュニティ「パルかなコンポスト部」を立ち上げました。
コンポストに興味がある方、LINEオープンチャットに参加できる方なら、いつからでもどなたでも参加できます。2024年度いっぱいゆるーく活動していきますので、参加してみたいという方はぜひお申し込みください。学習会講師の河野さん、臼田さん、LFCコンポストを実践している宮本職員も参加しています。みんなでわいわいコンポストトークを楽しみましょう!

◆パルかなコンポスト部の詳細・お申し込みはこちら

学習会参加者の声

  • 家庭菜園をしており、キエーロをやってみたかったのでとても勉強になりました。いろいろなものを買って準備をしないといけないかと思っていましたが、プランターなどでもできるとのことで、まずはやってみようと思いました。
  • 今回のコンポスト学習会は私にとってまさに今必要な情報ばかりでした! 自身も昨年秋からコンポストを始めましたが、いくつか失敗を経験しお休みしていたところ、この学習会で改善法・より良い効果的な方法を教えていただき再度始めるきっかけを頂きました。
  • 生ごみの80%が水分とは驚きました。上手くコンポストを活用して、可燃ごみを減らす生活を送りたいと強く感じました。また、虫の発生を防ぐためやカビや臭い対策のために、野菜などは小さく切ることや空気が出入りできる容器を使用するなど、学びが多い時間でした。ありがとうございます。
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    パルシステム神奈川では、これからも循環型社会をめざして取り組みを続けてまいります。