パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

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日本大学×パルシステム県内産学連携 研究成果発表会

2023年度の、日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科の2つのゼミとの県内産学連携では、『「食」×「居場所」×「作り手」の掛け算の力による地域課題解決』を研究テーマに取り組んでいます。

これまで2回にわたって、ゼミ生のみなさんに対し、学内でパルシステムの食と福祉の事業活動を通じた地域貢献の考え方をお伝えしました。
それに加え、県内で事業展開をしている秋本食品(株)、(有)ジョイファーム小田原との交流を、パルシステム神奈川の地域の居場所である「ふらっとパル茅ヶ崎」で実施。企業理念や生産にかけるこだわり、課題としていることなどをゼミ生のみなさんに伝え、質問などのやり取りを行いました。
ゼミ生のみなさんは、これまでの講義や産地での作業体験、商品の試食などをとおして感じたことから課題を見つけて研究を深め、アンケートなどを通じて分析し、このたび、12月18日に、新横浜本部にてさまざまなアイデアを発表してくれました。

若い感性による斬新なアイデアがいっぱい

ゼミ生26名が4チームにわかれて、この4月からすすめてきた「若い世代への商品普及」という課題の研究成果を発表。どのチームも、枠にとらわれない自由な発想が新しいものを生み出す、ということを改めて認識させてくれました。

以下に各チームの研究内容をご紹介します。

①「辛くないキムチのレシピのご提案」 チーム名:シン・キムチ

キムチのうまみを生かしながら、辛みをまろやかにするチーズを使い、子どもも辛い物が苦手な人もみんなが楽しめるキムチレシピを考案。広報方法としてパッケージへの二次元コード掲載やインスタグラムへの投稿で、若い人の目にも留まるような仕掛けも提案しました。

②「若者の漬物離れ」 チーム名:漬物パイレーツ

こちらのチームは、年々消費量が減少している漬物に着目。特に若い世代への普及を目的に、同大学の学生と当組合職員を対象にアンケート調査を実施。結果を分析してオリジナルレシピを考案し、レシピの広報・発信の仕方について、メーカーや当組合にも提案してくれました。発表会にいらしていた秋本食品の方からは「商品開発につなげたい」との言葉を聞くことができました。

③「家庭内における梅干しの消費量拡大方策の解明」 チーム名:梅レンジャー

ジョイファーム小田原との交流の際に、「梅干し、食べないでしょ?」と言われたことがきっかけとなり、梅干しの消費量を増やすことを目的に研究が始まった「梅レンジャー」。梅干しを“万能調味料”として使うことに視点を置き、小さいお子さんも親しめるよう梅干し餃子を考案。「ふらっとパル茅ヶ崎」にて親子で参加する梅干し餃子作り教室を開催しました。参加者のお子さんからも「おいしい!」と好評だった梅干し餃子レシピの広報にと、当組合の商品展示会「パルゆめつなごう展」で梅レンジャーのみなさんが来場者に向けて紹介するなど、梅干しの魅力を伝えるための活動の場を広げていました。

研究にあたり、梅干しを干す作業も体験された「梅レンジャー」のみなさん

④「ジョイファーム小田原の体験ツアー企画提案」 チーム名:生産者と消費者のキューピット

「消費者は、生産者のことや生産現場のことをよく知らないまま、日々さまざまな食べ物を消費している」という気づきと、ジョイファーム小田原との交流から、有機キウイフルーツに注目。持続可能な農業をめざし、こだわりをもった生産現場の裏側を知ってもらいたい、と“フードツーリズム”を提案しました。また、有機キウイフルーツやジョイファーム小田原の魅力、そして生産者の声を発信するためにチラシや新聞を制作。オンラインで発表を傍聴されたジョイファーム小田原の方からも「ツアーを実現につなげられたら」と、今後の展開に期待が膨らむ発表となりました。

若い感性で、生産者と消費者をつなぐことをめざす“キューピット”のみなさん

これからも当組合は、学生のみなさん、生産者やメーカーとともに、食の課題の共有や、居場所づくり・地域づくりをすすめていきます。

最後に全員で記念の一枚を