「JA新みやぎ 産地の文化を体験」を開催しました
12月2日~3日の2日間にわたり、宮城県の米産地JA新みやぎにて「JA新みやぎ 産地の文化を体験」を開催し、8家族19名の組合員が参加しました。
JA新みやぎ みどりの地区は宮城県大崎市、涌谷町、美里町を管内とし、地域全体で環境保全型農業に取り組んでおり、『エコ・宮城ひとめぼれ』『宮城まなむすめ』『エコ・宮城つや姫』などパルシステムのお米の産地です。当組合とは年4回の産地での交流会のほかに、消費地神奈川で開催する料理交流会やセンターまつりへの参加など、25年以上交流を続けています。
みその袋詰め体験とお米の倉庫見学
お米の産地として知られる宮城県ですが、大豆の作付面積も全国2位を誇り、田園風景のなかには収穫を待つ大豆畑も多く見られました。発酵食品で長期保存できるみそづくりも盛んで、毎年各家庭でその家庭の味のみそをつくっているそうです。
今回の交流会では、事前に蒸してつぶした大豆、米、麹、塩、焼酎を混ぜたものを袋に詰めてみそをつくる体験をしました。材料を詰めた袋は自宅へ持ち帰り、直射日光の当たらない場所で保管し、土用を過ぎた頃に食べられるようになります。食べごろを楽しみに待つお土産になりました。
みそを丸めるのは子どもたちが大活躍
空気が入らないように材料を袋に詰めます
次に、収穫後の乾燥を済ませたお米が保管されている美里町の北部広域農業倉庫を見学しました。お米の銘柄や等級、生産者の情報がわかるように高く積み上げられている様子に、参加者から「どのように積み上げるのですか」と質問があり、実際にフォークリフトを動かして見せてくれました。
今年収穫し保管されているお米
フォークリフトに乗車体験
渡り鳥「マガン」の寝ぐら入りと、早朝の飛び立ち
JA新みやぎ管内にある蕪栗沼(かぶくりぬま)には、毎年シベリアから10万羽以上のマガンが冬を越しに訪れます。マガンは、日中は田畑で落ちもみや大豆を食べて過ごし、日暮れになると寝ぐらとしている蕪栗沼に戻ってきます。
大崎市職員の三宅さんのガイドのもと、夕方マガンが沼に戻ってくる光景や、早朝に飛び立つ群れを観察しました。鳥の鳴き声や羽ばたく音などを聞き、生きものの命の尊さを体感することができました。
沼に帰ってくる鳥を待つ参加者
一斉に沼に戻る鳥の群れは圧巻
また、JA新みやぎ管内の田んぼには、マガンが蕪栗沼に密集して病気になるのを避けるなど、沼の機能を分散させるために、冬の間、水を入れている田んぼ「ふゆみず田んぼ」があります。そうすることで自然に田んぼが耕されて微生物も増え、豊かな田んぼになることを生産者の方が写真を見せながら説明してくれました。
バスの中から「ふゆみず田んぼ」を見学
「ふゆみず田んぼ」の説明をしてくれた生産者の西澤さん
酒蔵「一ノ蔵」見学
2日目は酒蔵「一ノ蔵」でお酒に使われているお米の説明を聞き、お酒ができるまでの工程を見学しました。見学に同行したパルシステムのお米の生産者のなかで酒米も栽培している生産者が、「これは私が作ったお米でできたお酒ですよ」と愛情を込めて話してくれました。
酒造りの工程を見学
しぼりたて原酒の試飲
春・夏・秋の交流会では米作りを体験しますが、米作りがひと段落している冬の交流会は、地域に根付いている食文化や、自然を守り生きものとの共生を図る生産者の努力を知る場となりました。
参加者アンケートより(一部抜粋)
- 農家の方とお話させていただいて(みなさん心やさしい人柄の方々ばかりでした!)、現状を聞き、みなさんの労力が救われる社会であってほしいなと思いました。微力ではありますが、宮城のお米買わせていただきます。
- 生産者のみなさま、JA新みやぎのみなさま、大変お世話になりました。今回の交流会により産地の方々のお米への情熱や、ご苦労も直に見聞きでき、今までなんとなく食べていただけのお米がとても身近に感じられるようになりました。
- とても楽しい充実した2日間でした。その土地でしか体験できないことができて本当にうれしいです。パルの方、JAの方、生産者さん、みなさん気さくにお話してくださってうれしかったです。