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「JA新みやぎ稲刈り体験(脱穀体験)」を開催しました

10月14日~15日の2日間、宮城県の米産地JA新みやぎで産地交流会「稲刈り体験(脱穀体験)」を開催し、組合員8家族24名が参加しました。

当組合とJA新みやぎは、年4回の産地交流会をはじめ、神奈川での学習会や料理教室などを通じて、30年近くにわたり交流を続けています。今年度3回目となる今回は、パルシステム向けのお米を作っている田んぼでの稲刈り体験を行う予定でしたが、猛暑の影響でお米の生育が早まったため、脱穀体験に変更して開催しました。

機械を使った脱穀体験

1日目は、お米を保管してある「北部広域農業倉庫」の見学から始まりました。年間を通じて12℃でお米が保管されている倉庫内の見学、お米の検査の方法などをJA新みやぎの職員木村さんに教えていただきました。

その後、JA新みやぎ田尻地域にある生産者髙山さん宅で『エコ・宮城ひとめぼれ』の脱穀を体験しました。
脱穀とは、収穫した稲穂を干して乾燥させ、穂先から「もみ」を外す作業のことですが、現在ではあまり使用されていない「ハーベスター」という脱穀専用の機械に稲穂を通して、「もみ」と「わら」に分けていく作業を体験しました。産地では、コンバインで「収穫」とともに「脱穀」も行うため、「ハーベスター」はほとんど使用してされていない機械だそうです。また、その傍らでは、さらに昔(昭和初期以前)に使用されていたという「千歯(せんば)こき」という農機具での脱穀を体験しました。大きな鉄の櫛状の歯に穂先を通して引き抜き脱穀をする道具ですが、こちらも今ではほとんど残っておらず、貴重な作業を体験することができました。

JA新みやぎ職員木村さんの説明による北部広域倉庫の見学

「ハーベスター」による脱穀を体験

「千歯こき」での脱穀も体験

JA新みやぎは、地域が一体となって農薬や化学合成肥料を極力使わない持続可能な農業を行っている産地で、管内は、2017年に世界農業遺産に認定された「大崎耕土」に含まれている地域です。例年、この時期の田んぼでは、黄金色に実った稲と秋の風物詩「赤とんぼ」をたくさん見ることができますが、今年は夏の猛烈な暑さにより稲の生育が早まり、管内のほとんどの田んぼではすでに稲刈りを終えていました。さらに暑さが続いているため、稲を刈り取った後の田んぼには「ひこばえ」という青々とした短い稲が生えてきているところが多く、田植え後のような田園風景が広がっていました。

また、12月にはシベリアから10万羽以上の渡り鳥「マガン」が飛来する地域でもあるJA新みやぎですが、今年はすでに1万羽の「マガン」が飛来しているとのことでした。この時期に「マガン」が来ることはなかったとのことで、予期せず「マガン」の姿を見ることができ嬉しい反面、異常気象の影響を痛感することとなりました。

生産者の奥様方お手製のおにぎりをおやつにいただいたあとは、髙山さん宅のお米の乾燥・調整施設の見学を行いました。コンバインで刈り取った籾(もみ)を乾燥して、籾摺りを行い、色彩選別機(玄米を袋詰めする際に、異物や変色した不良品を取り除く機械)を通して、玄米が出てくるところまでの一連の作業を見学しました。
JA新みやぎでは、猛暑だったにもかかわらず、収量は昨年より多く、食味(香り・味・粘りなど)の数値も良いそうです。

宿泊施設「ロマン館」での温泉や、生産者との夕食を楽しんで1日目は終了しました。

きゅうり収穫と餅つき体験

2日目は、はじめに南郷地域の生産者砂金さん宅できゅうりの収穫体験を行いました。朝から冷たい雨が降るあいにくの天気でしたが、きゅうりの香りが漂う広いハウスの中には、砂金さんが丹精込めて育てた大きなきゅうりがたくさんなっていました。「近隣の直売所でおいしいと意外に評判なんだよ~」と照れながら話される砂金さんの言うとおり、その場でいただいた新鮮なきゅうりはおいしく、新鮮ならではの「トゲ」の感触も感じながら、持ち帰り用のきゅうりの収穫もさせていただきました。

その後、お米の乾燥・調整などを行う南郷カントリーエレベーターの見学や、農産物直売所「花野果市場」での買い物を楽しんだあとは、菜園レストラン「野の風」で、餅つき体験と地元の旬の食材をふんだんに使ったお料理やずんだ餅を昼食にいただき、2日間にわたる交流会は終了しました。

宿泊施設「ロマン館」の前で集合写真

生産者砂金さんのハウスできゅうりの収穫体験

菜園レストラン「野の風」でみんなで餅つき

参加者の感想

  • おとなはもちろん子どもがまだ帰りたくなかったと家に帰って呟いていました。ふだんできない機械に乗せていただいたり、おいしいお食事をいただいたり、おいしいきゅうりを収穫させていただいたりと大変濃厚な時間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました。
  • おいしいお米や野菜を生産いただきありがとうございます。今年の猛暑のように今後も厳しい自然環境、災害が予想されるなかで、安定して続けるのは大変だと思いますが、日本の食文化を次の世代につないでいくためにも、引き続き応援していきます!
  • たくさんの楽しい企画を実施していただき、お米についての勉強、そして楽しく過ごすことができました。
  • 貴重な体験をさせていただきました。2日間とは思えないほど、楽しく過ごさせていただきました。これからはぜひお米を注文し、みなさまのお顔を浮かべながらおいしくいただきたいです。