パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

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公開確認会「基礎学習会」及び「事前学習会」を開催しました

パルシステム神奈川では、『エコ・じゃがいも(男爵)』などを扱う有限会社大牧農場(北海道・音更町)にて7月に公開確認会を実施します。それに先立ち、5月19日に「基礎学習会」をオンラインにて、6月16日に「事前学習会」を新横浜本部にて開催しました。

生産者と組合員が直接つながる“公開確認会”

「公開確認会」とは、消費者である組合員自身が産地へ赴き、食にかかわる安全性や生産者の努力を確かめるとともに、生産者と消費者がより深く理解し合い、課題を共有し改善につなげる、パルシステム独自の発展的な交流システムです。パルシステムでは1999年に始めてから、グループ全体で累計152回の公開確認会を開催しています(2022年12月時点)。「基礎学習会」および「事前学習会」で公開確認会に必要な基礎知識や心構えを学んだ組合員が公開確認会に参加し、組合員の代表として産地での取り組みの確認を行います。

監査人になる第一歩!「基礎学習会」

5月19日、オンラインにて「基礎学習会」を開催し、組合員・役職員15名が受講しました。

はじめに、パルシステム生活協同組合連合会 産直事業本部職員より、公開確認会のしくみ、公開確認会の成り立ちや意義、目的や役割について、また、公開確認会で使用する基礎用語などについての説明がありました。 公開確認会では消費者が自分の目で確かめることを「監査」といい、監査する人を「監査人」と呼びます。監査人は、消費者の視点から産地の取り組みを監査し、監査所見を述べ、監査シートに記述し提出する役割を担います。環境や地域への貢献なども含めて、産地の特性や取り組みも正しく評価し、クローズアップすることも重要な役割であるということが伝えられました。

次に、(有)リーファース代表取締役 水野氏から農産物認証・確認の種類、しくみ、チェック項目、パルシステムの監査、産地を見るときのポイント、生産者への質問の仕方、監査の手法について説明いただきました。実際の監査の場では、消費者の代表という意識をもって、生産者への敬意を忘れず、簡潔に質問をすること、生産者の取り組みについてよく聞き、基準が守られているか責任をもって自分たちで確認し、さらに現場に行けない他の組合員へ「伝える」という大事な役目があることが伝えられました。

オンラインで実施した基礎学習会の様子 

「事前学習会」ではより実践的に

6月16日、新横浜本部にて「事前学習会」を開催し、組合員・役職員12名が受講しました。事前学習会では、基礎学習会で習得した知識を実践で生かせるように、まずは、水野氏より監査人の心構えや質問・発表時の注意点についてお話ししていただきました。
聞き取り時には「じゃがいもの栽培で大変な作業はなんですか」といったように「5W1Hを意識して、「はい」「いいえ」で答えられる質問はしない。ほかの監査人が質問している内容をよく聞き、同じ質問をしないこと。」など、より実践的な解説がありました。
また、監査人としての発表時には、「述べる所見が何点あるか冒頭に明確に話すこと」や「所見内容について事実確認していること」「問題点だけでなく良い点も、総合的に評価すること」など、公開確認会を通じて、生産者と消費者がより理解し合い、課題を改善していくための共有の仕方を具体的にお話しいただきました。

次に、産地の概要や取り組みなどについて話がありました。(有)大牧農場の代表取締役五十川氏より音更町の概要、大牧農場の理念や運営、特徴などをお話ししていただきました。(有)大牧農場がある音更町は粘土質の土壌特性のため深層暗渠(あんきょ)水管工事を実施し、湿害対策を行っていること、耕畜連携による自家製造たい肥や、ニンジンや馬鈴薯、小麦などで輪作を実施し土の状態を良くしていること、農薬削減の取り組みについてなど栽培の工夫をお話しいただきました。

講師の(有)リーファースの水野氏

(有)大牧農場の五十川氏

(有)大牧農場の村橋氏

このあと、生産者を交えてグループワークを行い、水野氏に教えていただいたように、各自で感じた疑問を質問しました。生産者からていねいに回答いただき、産地について理解を深めることができました。

今回の学習会をとおして産地と消費者がつながり、お互いを理解し合うことの大切さを再認識する学習会となりました。

グループワークの様子A

グループワークの様子B

7月13日~14日に有限会社大牧農場にて開催する公開確認会には、学習会を修了された組合員のなかから代表者が監査人として参加します。当日の様子は、8月10日「北の大地『大牧農場』とつながる!」(オンライン開催)、またはホームページニュースにてご報告します。