走水産のりで「のりすき」に挑戦を開催しました
3月28日、神奈川県漁業組合連合会の協力で横須賀市走水にて「走水産のりで゛のりすき”に挑戦」を開催し、組合員22名が参加しました。
「のりすき」体験
当組合では、神奈川県内の水産業への関心を高めてもらおうと学習会・収穫体験を通じて漁業生産者とのさまざま交流会を行っています。今回は当組合独自商品チラシ『いいね!かながわ』でも取り扱っている「神奈川県産焼きのり」「神奈川県産きざみのり」の産地を知るため、生産者のひとりである、のり漁師 長塚良治さん(丸良水産)の加工場で「のりすき」体験を行いました。
はじめに自己紹介を行った後、長塚さんに昔ながらの道具を使ったのりすきの方法を教わり、体験がスタート。参加者は初めての体験に最初はぎこちない様子でしたが、手首の返し方、のりの流し方、脱水方法など、コツをつかむとどんどん作業をすすめていきました。
のりすきの方法を説明する長塚さん
のりをたっぷりすくいます
低いところから木枠に一気に流し込みます(一番緊張する工程)
そっと木枠を上にあげます
スポンジでぎゅっと押して脱水します
のりすをピンと張って天日乾燥※当日は曇りのため、強い北風で乾燥させた感じでした
希少な神奈川ののり
自分たちがすいたのりが乾くまでの間、神奈川ののりについて長塚さんにお話をうかがいました。プランクトン豊富な東京湾に面した走水地区で育つのりはうまみ成分がたっぷりと含まれた味の濃さが特長で、色、つや、香りもよく、とても人気があります。
しかし東京湾の埋め立て・整備にともない生産者も減っており、神奈川県では現在11軒のみが養殖を行っているそうです。のりの全国における神奈川産の割合は約0.1%ほどと希少。また近年は海水温の上昇による不作、鴨や水温の変化でのりを食べる魚(ボラ、クロダイ、メジナなど)が大量発生し、食害も増え生産量も減少しているそうです。
長塚さんは「のりの味は海の状態で決まります。海の状態が悪いとみなさんにおいしいのりを届けることができません。海の状態を良くするためには海岸ごみを減らすことが大切です。それにはどんなことができるのかを考えてみませんか。地球温暖化防止のためにできることを考えてほしいです」と話されました。
のりの味は海の状態で決まる
拾っても拾っても海岸にはプラスチックごみが流れつく
あいにく小雨で肌寒いなかでの開催となりましたが、生産者ののりづくりの苦労などを学び、参加者は豊かな海や環境を守るためにできることを考えるきっかけとなる企画になりました。
最後に笑顔で集合写真