JA新みやぎ 冬の米産地ツアー
12月3日~4日の2日間にわたり、宮城県の米産地JA新みやぎにて「JA新みやぎ 冬の米産地ツアー」を開催し、6家族12名の組合員が参加しました。冬の渡り鳥である「マガン」との共生を図りながらお米を作っている産地を知る機会となりました。
JA新みやぎ みどりの地区は宮城県大崎市、涌谷町、美里町を管内とし、など地域全体で環境保全型農業に取り組んでおり、『エコ・宮城ひとめぼれ』『宮城まなむすめ』『エコ・宮城つや姫』などパルシステムのお米の産地です。
同地域はラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に指定されている蕪栗沼(かぶくりぬま)を有し、管内を含む大崎耕土は世界農業遺産として伝統的な水管理や持続可能な水田農業が評価されている地域でもあります。 春・夏・秋のツアーでは稲作の作業を体験していますが、冬のツアーは稲作が一段落している時期のため、稲作と密接な関係があるマガンの観察や、お米の検査方法などを見学することで産地への理解を深めました。
宿で集合写真
渡り鳥「マガン」
「マガン」という渡り鳥の名前はあまり耳にしないかもしれませんが、「がんもどき」のように意外と身近なところで雁に由来する食べ物は手に入ります。狩猟によって大きく数を減らしてしまったマガンは国際的な保護活動により数を回復させ、近年は1シーズンに10万羽前後が飛来するようになりました。
マガンは1日に約140gのエサを食べること、1ha(100m✕100m)の田んぼには約60kgの落穂が落ちていることなど、マガンは休息できる湿地だけではなく、エサとなる落穂がある場所でないと越冬できないというお話を聞きました。
生産者から「お家でお米を食べる時に、わたしたちもマガンも同じお米を食べているんだ、と思い出して食べてもらうと味わいも変わると思います」とのメッセージをいただき、参加者は大きくうなずいていました。
今回は夕方の“ねぐら入り”と早朝の“飛び立ち”を観察しましたが、翼を広げると150cmくらいあるマガンが群れで大空を舞う姿は圧巻です。
ねぐら入り
ねぐら入りの説明を受ける参加者
飛び立ち
飛び立ちを観察
北部広域倉庫見学
収穫し、乾燥を済ませたお米が保管されている美里町の北部広域倉庫では、お米の等級検査の実演やお米の保管状況を見学しました。等級検査においては米粒が割れていないか、色は緑や黒ではないかなど、専門の資格を持った検査員が最盛期には1日当たり3,000袋検査するとの説明を受けました。この他JA新みやぎでは検査義務はないのですが、“食味(香り、味、粘りなどの総合評価)”も機械で測定して生産者にフィードバックしているとのこと。今年は例年より収量は少なかったものの、食味は例年より良いとのことでした。安全性だけではなく、おいしさにもこだわっているなんて、食べる側として嬉しいですね。
近年はお米の消費が少なくなり、新米が出始めても一昨年のお米が倉庫に残っている状況もあることから、生産者やJAの職員は「どうぞ宮城のおいしいお米をたくさん食べて下さい。」と笑顔で参加者に呼びかけ、ツアーを締めくくりました。
北部広域倉庫の様子
米袋でバックを作成
参加者アンケートより(一部抜粋)
産地へのメッセージ