~平和のつくりかた~ 「沖縄戦から平和を考えるワークショップ」を開催しました
例年実施していた沖縄スタディツアーが感染症の影響で中止となり、今年度は8月1日にオンラインで沖縄琉球大学教育学部の山口教授による「沖縄戦から平和を考えるワークショップ」を開催しました。
開催時間を18時~19時30分とした初めての試みでしたが、62組と子どもを含めた多くの方が参加しました。事前に配付したワークシートと資料で事前学習を行い、当日、沖縄のお菓子を食べながら、講師の質問に投票する参加型の企画を開催しました。
ウクライナ情勢に対する沖縄の子どもたちの声から
「なぜ、おとなは戦争はいけないことだとわかっているのに戦争をするのでしょうか。戦争をしないため話し合いで解決できないのですか」。
冒頭、山口先生から新聞に投稿された子どもたちの声が紹介されました。その疑問から戦争をしていた77年前の日本のおとなが何を考えていたのかを知り、戦争をしなくてもよい方法、平和のつくりかたのヒントをいっしょに考えましょうとのお話がありました。山口先生は大学で教員養成にたずさわり、おもに小学校、中学校の教員志望の学生たちとともに学び、沖縄戦や米軍基地、学校の平和学習の研究をしていて論文も書かれています。
やってみよう!沖縄戦ワークシート
事前に配付したワークシートの設問ごとの問いかけに、参加者は画面への投票や、学習した内容をチャットに入力して回答していきました。山口先生からは、回答に関する解説と同時に、平和のつくりかたの問題提起がなされました。「沖縄戦のときに、沖縄の人々はどうして亡くなったか」との設問には、60万発の爆弾が落とされた「鉄の暴風」「強制集団死」という衝撃的な解説がありました。さらに、沖縄の人々はさまざまな理由で4人に1人が亡くなったのですが、何でこのようなことがおこったか。亡くなった方への悲しみや追悼の気持ちをもちながら、4人に3人はどうやって生き残ることができたのか、それが平和を考えるヒントになるとのお話がありました。
「ひめゆり学徒隊」の設問では、「自分から戦争に協力する人がどのように生まれたのか、自分とは何が違っているのか考えてほしい。戦争を止めなくてはならない、戦争を止めるために敵を攻撃する。その政府の呼びかけに賛同しますか。おとなでもむずかしい問題ですが、みんなに考えてほしい。そこに戦争のつくりかた、平和のつくりかたのヒントがあると思っています」と話されました。
投票で参加者の回答を見ながらお話しました
今でも見つかる爆弾の破片は大きく、磁石もくっつく鉄なので重みがあります
活発な発言が続いた質問タイム、参加者からの声
「不発弾はどのくらい残っていますか? 」
「何でアメリカ軍は沖縄で戦争したのですか? 」
「なんの取り合いで戦争になったのですか? 」
質問タイムでは、子どもからの数多くの発言が続きました。どの質問にも、わかりやすくていねいに山口先生から説明がされ、とても有意義な時間となりました。
終了後、子ども編26名・おとな編32名に分けて、参加者アンケートに回答していただきました。
「わかりやすくかみ砕いた内容で伝えてくれて親子ともに勉強になりました」
「沖縄に行って、爆弾が落ちた跡を見に行こうと思った」
「戦争にいやいや協力してると思っていたのに、国のためにという気持ちで協力していたことに驚きました」
アンケートでも多くの感想がよせられ、おとなも子どももいっしょに平和について考える機会となりました。