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「JA新みやぎ 初夏の体験ツアー」を開催しました

6月25日~26日の2日間にわたり、米産地 JA新みやぎにて「初夏の体験ツアー」を開催し、組合員6家族18名、理事・職員含め22名が参加しました。

『エコ・宮城ひとめぼれ』『有機宮城ひとめぼれ』などを栽培しているJA新みやぎとは、25年にわたり、春は田植え、初夏は生きもの観察、秋は稲刈り、冬はマガン観察など、さまざまな交流を行っています。

今回の交流では田んぼの生きもの観察と草取り、地域の見学などをとおして、2017年12月に世界農業遺産に認定された大崎地域で、環境にやさしい環境保全型農業に取り組んでいる産地について、理解を深める交流を行いました。

集合写真

田んぼのなかで生きものさがし

感染症対策をとりながら、ツアーがスタート。産地までのバスのなかでは産地の概要の説明や「お茶碗一杯分にはどれくらいの米粒が入っているでしょう」「お米はどこの都道府県で作られているでしょう」などのクイズを行い、お米に対する関心が高まった様子でした。

南郷営農センターで開会式を行い、ポテトチップスメーカーにも出荷しているじゃがいものほ場や美里町産小麦粉「夏黄金」の小麦畑を見学した後、いよいよ田んぼでの生きもの観察です。

田んぼに入るのは初めての子どもたちばかり。大崎市職員で自然環境専門員の鈴木さんに教えていただきながら、網を使って生きものを捕まえました。

おとなも子どもも上手にバランスを取りながら、田んぼに入り、カエル、ヤゴ、ザリガニなどを見つけては、目を輝かせていました。オタマジャクシ、イトミミズ、タイエビ、ドブシジミなどたくさんの生きものがみつかり、産地の豊かな生態系を体験する機会となりました。

たくさん見つけるぞ

田んぼの生きものを観察

鈴木さんによる見つけた生きものの解説

おやつに「ササニシキ」のおにぎりと、きゅうりの一本漬けをいただき、ひとやすみした後は、草取りです。

春に植えた苗はとても元気に育っていましたが、雑草も元気よく生えていました。豊かな生態系を保つため、除草剤を使わず手作業で草取りを行います。慣れない泥に足をとられながら、産地のみなさんといっしょに、コナギなどの雑草を手で抜く作業を体験しました。照り付ける太陽の下、転ばぬようバランスを取りながら、腰をかがめての草取りはとても根気がいる作業ですが、参加者のみなさんは熱心に取り組んでいました。

転ばないようバランスを取りながらの草取り

おとなに混じってたくさん取りました

宿泊先で温泉を堪能したあとは、産地の方を交えての夕食。いただいたあとは「バケツ稲の栽培」について相談する子どももいて、産地の方やJA新みやぎの職員との交流を楽しんでいました。

その後、黄金行政区長 達曽部(たっそべ)義美さんの案内で黄金山神社のそばでホタル観察を行いました。数は少なかったですが、木の陰や草の中で幻想的な光を放つホタルの姿を楽しみました。

砂金採りと世界農業遺産認定地域の見学

2日目は地域の魅力を知るため、日本初の金の産地と称され、日本遺産に認定された「わくや万葉の里 天平ろまん館」で砂金採りに挑戦しました。この地域は聖武天皇の時代から川で天然の砂金が取れる地域で、奈良の大仏の造営にも貢献したそうです。「椀がけ法」とよばれる天然の砂金が混ざった砂を、黒い皿ですくい、水を入れて回しながら砂を飛ばす方法で、砂金を探します。30分の時間内でなかなか見つからず悪戦苦闘する人もいましたが、採れた砂金を各自小瓶に入れて持ち帰りました。

次に、同じ地域にあり農業にもゆかりのある箟峯寺(こんぽうじ)を訪れました。全国でも珍しい微笑んでいる仁王像、樹齢推定1000年の杉の木、「やませ」とよばれるオホーツク海から吹く冷たい季節風などから人びとのくらしや生きものを守ってきた「居久根(いぐね)」の遠景を見学しました。

地域の魅力を学んだあとは、産地の方が昼食として用意してくださった、牛タン、野菜、やきそば、おにぎりなどを堪能し、2日間にわたる交流は終了しました。

砂金採り体験

箟峯寺から見た居久根

産地の食材を堪能

2日間をとおして、産地の魅力を思う存分味わえる体験ツアーとなりました。JA新みやぎは地域全体で環境保全型農業に取り組んでいます。化学合成農薬や化学肥料を減らし、環境にやさしい農業に取り組んでいる産地の努力を、生きもの観察、草取りをとおして知ることができました。

秋には稲刈り体験を行う予定です

※集合写真撮影時のみマスクを外しております。

参加者からは

  • 産地のみなさんが、麦畑や田んぼの説明をしてくださり、とても理解が深まりました。交流会を通して、人と触れ合うことの大切さを思い出させてもらいました。
  • 田んぼを見たことがない子どもが、怖がり、足を入れることができなかったのですが、貴重な体験でした。パルシステムのカタログを見るたび、今回のツアーのことを思い出しそうです。
  • 産地の方たちのお顔を拝見し、田んぼを見学することで、毎日口にするお米に対する関心、産直に対する思いが深まりました。
  • 子どもはこの経験を機会あるごとにお友だちにお話ししていくことと思います。次世代へもみんなで繋いで行ってほしいと思います。
  • などの感想がありました。