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「宮城県JA新みやぎ 田植えツアー」を開催しました

5月21日~22日の2日間に渡り、宮城県の米産地JA新みやぎにて「田植えツアー」を開催し、組合員4家族11名、理事・職員を含め16名が参加しました。

JA新みやぎとは、20年以上にわたり、農作業体験をはじめさまざまな交流を行っています。コロナ禍で産地での交流会は2年間中止していましたが、3年振りに開催しました。今回は、例年より参加人数を縮小し、感染対策をとりながらの開催となりましたが、田植え体験、生きもの観察、地域の見学をとおして、世界農業遺産や、化学合成農薬・化学肥料を極力減らし環境にやさしい農業に取り組んでいる産地について、理解を深める交流を行いました。

「おかえりなさい」から始まる交流会

1日目は、宮城県大崎市にあるJA新みやぎ鹿島台地域の生産者鈴木史人さん(パルシステム米栽培研究会会長)の「まなむすめ」の田んぼで生きもの観察と田植えを体験しました。
JA新みやぎでは、初めて来る人にも故郷に帰ってきたような気持ちになってほしいという思いから、毎回「おかえりなさい」のあいさつで出迎えてくれます。今回も、JA新みやぎ職員の「おかえりなさい」のあいさつから交流会が始まりました。

まずは、田んぼでの生きもの観察を行いました。大崎市職員の三宅さんに教えていただきながら、田んぼに入り、網ですくって生きものを捕まえました。今回の田んぼは有機栽培の田んぼではありませんでしたが、それでもたくさんのカエルやどじょう、タニシなどを目にすることができ、持続可能な環境保全型農業を続けている産地の豊かな生態系を体験する機会となりました。

おやつに「宮城ひとめぼれ」のおにぎりと、きゅうりの一本漬けをいただいた後は、いよいよ田植え体験です。

代掻き(田んぼをかき混ぜ、平らにする作業)の見学、田植え機の乗車体験、育苗箱の洗浄、苗の手植えなどを生産者やJA職員のみなさんに教わりながら体験しました。マスクを着用しながらの体験と交流でしたが、生産者のみなさんも大勢参加してくださり、楽しい時間を過ごしました。

田んぼの生きものを観察

田植え機に乗車して田植え体験

生産者に教えてもらいながら手植えを体験

生産者・JA職員のみなさんと集合写真

世界農業遺産に認定された産地

JA新みやぎ管内を含む大崎耕土は、「持続可能な水田農業を支える伝統的水管理システム」などが認められ、2017年に世界農業遺産に認定されました。水田のもつ豊かな湿地生態系や農文化を知るために、2日目は農家のくらしを支えてきたという屋敷林「居久根(いぐね)」を見学しました。生きもの観察でもお世話になった三宅さんといっしょにこの日訪れた古川地区にある佐野さん宅の広大な庭の北側には、風から屋根や家を守るために大きな木がたくさんあり、実を食料としても活用できる、くるみ・柿・とちの木なども植えられていました。また、わらび・ふき・たけのこなどもたくさん植えられており、昔からの生活の知恵を感じることができました。

地域について学んだあとは、北浦地区に移動して、杵と臼での餅つきを体験したり、女性生産者が用意してくださった宮城県の伝統的な食文化「ずんだもち」「すっぽこ汁」をいただき、2日間にわたる交流は終了しました。

大崎市職員の三宅さん

居久根でたけのこ掘り

餅つきを体験

女性生産者のみなさんといっしょに

参加者からは、

  • いろいろな行程が組み込まれていて本当に充実した2日間で、とても楽しかったです。
  • 今まで、ただの商品としてみていたものが、背景の作り手の人の存在感を感じるようになりました。また、JAという組織や地域の人の繋がりが、農業を支えていることを実感しました。
  • 子どもは、帰る前から「また行こう!」と言っていました。あまり食べなかった野菜も、以前より食べるようになりました。
  • などの感想がありました。

    6月には生きもの観察と草取りのツアー、10月には収穫体験ツアーを開催予定ですので、お楽しみに!