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「『ゲノム編集食品』オンライン学習会」を開催しました

3月14日、「『ゲノム編集食品』オンライン学習会」を開催し、組合員68名が参加しました。
今回の学習会は、オルター・トレード・ジャパン政策室室長を経て現在はフリーの立場で世界の食の問題を追っているOKシードプロジェクト事務局長、印鑰智哉(いんやくともや)氏を講師に迎え、世界や我が国でのゲノム編集食品の現状について学習しました。

「ゲノム編集、遺伝子組換えの問題は、タネから始まります」と話し始めた印鑰氏。「この問題は多岐に関わりますが、遺伝子組換え作物が出てきてから一番影響を受けているのは農家や農業労働者で、その方たちや地域住民の健康が害されているという問題があります」と続け、さらに「農家の選ぶ権利も奪っていくという問題、私たち人間の命だけでなく自然界の生命を壊していってしまう問題、気候変動の問題、さらには、食料生産の企業独占や政治の問題、社会の在り方が変わってしまったり、国際的な紛争問題にもつながる問題でもある」と述べられました。

ゲノム編集食品登場の背景と「いま」

どんなタネを育てるか、タネが関わる問題、品種改良の問題について説明されました。タネの品種改良は長い間選別により行われてきましたが、20世紀初頭から異種交配が盛んになり、その後、外部から刺激を与え遺伝子に突然変異を引き起こす方法が使われ始め、1990年代以降、遺伝子を操作する遺伝子組み換えの利用が始まり、さらに近年ゲノム編集が登場してきたそうです。ゲノム編集された作物が健康や生態系に与える影響については、安全であることを示す証拠は存在しておらず、逆に危険の可能性を示すデータがあると印鑰氏は問題を投げかけています。ゲノム編集食品に対する規制を必要とする国がある一方、我が国では届け出一つで流通でき、その情報も開示されないというのが現状だそうです。

学習会の様子

スポットライト機能で資料を解説

家庭菜園でも在来種のタネを守ることができる

自治体にゲノム編集食品を採用しないよう、働きかけ、学校給食への有機食材の導入、学校や家庭での有機栽培など、多くの人が取り組めば在来種のタネを守ることができるのでは、と私たち一人ひとりが今できることについて、印鑰氏からの提案がありました。私たちの食べている食物がどんな経緯をたどって生産され、流通しているのかを、タネから知ることで、初めて「安心」と言える食を口にすることができるのではないでしょうか。私たち自身が知識を身につけ、行動し、「自分が食べるものは自分が決める」ことの大切さを実感できた学習会でした。

※パルシステム神奈川では、2021年12月に農林水産大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)に対し「すべてのゲノム編集食品の安全性審査と表示の義務化を求める意見書」を提出しています。

質問する参加者

参加者からの質問に答える印鑰氏

参加者のアンケートより(一部抜粋)

  • 内容盛りだくさんのとても充実した時間で、参加できて良かったです。知らなかったことが多く、まずは身近な人と共有することから始めます。ありがとうございました。
  • 知らないうちに忍び寄る策略、とても怖いと思いました。
  • 問題提起だけではなく、解決のための具体的な提案をいただけているのがありがたいです。
  • 日本だけゲノム編集作物を進めていることを初めて知りました。申請や表示をなしにしていることは公表してほしいです。このようなことは情報がないと知ることもなく、関心も持ちようがないので広がることを希望します。
  • ゲノム食品を知らないうちに取ってしまう危険があることに、非常に驚きました。OKシードマークが、今後拡がっていくことを強く希望しています。