パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

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「JA紀南 田辺印の会 公開確認会」を開催しました

2月18日と2月28日の2日間で、オンラインにて「JA紀南 田辺印の会 公開確認会」を開催しました。

例年は産地に赴き、公開確認会を行っていますが、今年は新型コロナウイルス感染拡大を受け「公開確認会 事前監査」を2月18日、「公開確認会 監査所見報告」・「産地受け止め」を2月28日、オンラインにて行いました。

公開確認会は、1999年に始まった、生産者と消費者の二者が産地で生産状況を確認するパルシステム独自の制度で、これまで農産、畜産、水産の産地を中心にグループ全体で累計145回の公開確認会を開催しています(2021年9月末時点)。

今回、パルシステム神奈川が公開確認会を行った「JA紀南 田辺印の会」は和歌山県南部の太平洋に面した紀伊半島西岸に位置する果樹を基幹とした産地で、全国屈指の梅の大産地です。多くの農家が慣行栽培のなか、唯一有機栽培をしています。

 

公開確認会の事前監査

2月18日、「公開確認会 事前監査」がオンラインにて開催され、公開確認会 基礎学習会と事前学習会を修了した組合員、他産地の生産者、パルシステムグループ役職員から代表して、6名が監査人をつとめました。監査人は監査品目『有機栽培の梅』について、栽培基準、産地の理念や現状・課題を産地プレゼンテーションやほ場中継、動画、帳票などで確認しました。

事前監査の様子

監査人による帳票の確認

田辺印の会会長 前田謙さんのあいさつの後、監査項目に沿って、産地よりプレゼンテーションをまじえた帳票の説明をうけました。

監査項目のひとつ、「産地の栽培基準」について、生産者の宇田川さんより「有機栽培では使用できる肥料類は限られているため、共同で梅に適したたい肥を手作りしています。畑で刈った草を積み上げておくと、多様な微生物が集まり分解を始めます。これに米ぬかや魚かすなどを与えてあげると、活発に発酵をはじめ、チョコレートのようなヨーグルトのような、甘い香りが漂い、約4か月かけて良質なたい肥に仕上がります」とお話しいただきました。田辺印の会では資源循環型・環境保全型農業をめざし、手間ひまかけ、環境に負荷をかけない梅づくりに取り組んでいることがわかりました。

「栽培の実践」については、有機での使用が認められていない農薬の周辺からの飛散を防ぐために水路、のり面、緩衝帯を設置し、しっかりと管理がされていることを生産者 田中さんの畑の様子から確認することができました。どんなに有機で栽培していても、周辺からの農薬の飛散により有機認証を断念するケースがあるなか、田辺印の会ではさまざまな工夫・管理がされていることがわかりました。

手作りたい肥

生産者の畑から中継

それぞれの立場の監査人から質問をし、生産者からていねいな回答をいただき、相互の理解が深まりました。また生産者と消費者が同じ生活者として課題を共有する場となりました。

監査所見報告「有機の梅を堪能しよう」

オンラインにて監査所見報告をかねた「有機の梅を堪能しよう」を開催し、組合員、生産者、パルシステムの役職員 合計58名が参加しました。監査所見報告では監査人が事前監査で確認した内容を報告し、他の組合員と共有しました。

合言葉は「おもしろくやろう」

当組合常任理事 鈴木紀子のあいさつの後、産地 JA紀南田辺印の会 宇田川さんより、産地の概要や有機栽培に関する取り組みについて紹介していただきました。30代~80代のメンバーが「おもしろくやろう」を合言葉に有機農産物を作り、地域と共に歩んでいきたいという思いから、世界遺産 熊野古道の道普請(道の整備)活動にも取り組んでいることをお話しいただきました。

次に、オンラインで生産者の田中さんの畑をみせていただきました。畑は中山間地にあるため獣害対策を行っている様子、「南高梅」の受粉に欠かせないミツバチが飛び回る様子、有機栽培で使用可能な自然物由来の農薬(硫黄やお酢など)で梅を見守っている様子がうかがえました。

組合員の参加者からの質問に対しては「慣行栽培と共有して使っている機械・道具に関してはきっちりと消毒を行ったあと有機で使用している」と回答があり、手間をかけて行う栽培、収穫、品質管理のこだわりを知ることができました。

生産者の宇田川さん

2月の梅の木のようす

監査所見報告

公開確認会 事前監査の様子をまとめた動画を視聴したあと、監査人より監査所見報告がされました。

  • パルシステムの環境保全や産直4原則の内容と合致していることを確認しました
  • パルシステムの出荷基準は画像できちんと決められており、毎年生産者とパルシステムで適合基準の調整を行っていました
  • パルシステムの出荷基準を満たさないものの有効活用など、農家が有機栽培を続けられる仕組みができていました

産地からは「パルシステムの組合員には会の発足当初より買い支えていただいて本当に感謝しております。今回このような機会をいただいて、顔の見える関係を築けたことがうれしいです」と有機の梅作りを続けてきた思いが伝えられました。

当組合 理事長 藤田順子より「貴重な梅を届けてくれていることに感謝いたします。組合員と生産者がお互いを分かり合う関係を大切につないでいきたいと思います」という言葉のあと、JA紀南で販売している梅ジュース『きいろのうめっぴ』で乾杯し、公開確認会は終了しました。

JA紀南田辺印の会の公開確認会を通じて、貴重な有機栽培の梅を堪能し、産地を深く知る機会となりました。

田辺印の会会長 前田謙さんによる産地受け止め報告

最後は梅ジュース『きいろのうめっぴ』で乾杯

公開確認会の様子はこちらからご覧いただけます