「がん患者に寄り添う」を開催しました
2月3日、オンライン講演会「がん患者に寄り添う」を開催し、71名が参加しました。
がんを知り、がんに備える
今回の講演会では、NPO法人支えあう会「α」副理事長で、キャンサーソリューションズ登録講師の野田真由美氏に、ご自身のがん、ご家族のがん罹患に寄り添われた経験、そこから感じられたことなどをお話しいただきました。
野田氏は子育て真っ最中の40歳の時に乳がんが見つかりました。病気や治療法など、事前に知識として準備していたつもりでも、悩み、迷い、不安の数々。直面した時の思いを語られました。
またご自身の手術・治療とほぼ同時期に、父親の膵がん、その20年後には母親の大腸がんの診断を受け、キーパーソンとしてふたりを支え、看取られた経験を話されました。がん専門相談員(2007~2018年)や患者会活動など、経験豊かな野田氏でもそれぞれの経過や心情などの違いに、迷い、戸惑いがあったと言います。そのご経験は多くの参加者の胸に響いたようでした。
さらに「がん」への備えとして、経済面や情報を得る方法、相談先なども紹介されました。
常にその人に寄り添い、最もよい方法を模索し、前を向く野田氏の姿や、ご自身の罹患で「先のことまで考えられなかったところから、治療後の生活を考えられるようになれた」と話された言葉などに、参加者は自身を重ね、聴くことができたようです。もし自身や大切な人が罹患したとき、私たちはひとりではなく、野田氏のように寄り添い、相談できる場があることをぜひ知っておいてほしいという講師の思いを感じる、充実した1時間でした。
参加者アンケートから
- ご自分の体験談をもとに、さまざまな角度からお話いただき本当に参考になりました。父と母が同時に罹患し、いまだとても落ち込んでおりますが、お話を聞き、少し力が沸いてきました。私もいつか野田さんのような活動ができたらよいなと、活動自体にも関心をもちました。本当にありがとうございました。
- 短い時間の間に、ご自分の闘病経験とご両親の看護、見取りの経験をわかりやすくお話いただきありがとうございます。妻ががんと診断され、介護しながら経過を見守っています。本日のお話で、さまざまな相談窓口があり、介護の合間にいろいろな方からアドバイスを得ることが大事とお教えいただきました。ありがとうございました。
- ご自分やご両親それぞれ異なる体験に基づいたお話、とてもよくわかりました。とくに患者側の意に沿い寄り添っていくことの大切さも感じ入りました。具体的な情報サイトなども知ることができてよかったです。実際の局面に立つと不安ですが今回の情報はとても参考になりました。
- 手術前の1カ月と、手術が終わって治療方針を決めるまでの1カ月、心は重病人だったのでとても共感できました。正しい情報を得ることの大切さも考えさせられました。とてもよいお話で参加してよかったです。
- それぞれの視点でお話ししてくださってわかりやすかったです。がんと診断され、毎日塞ぎ込んでいましたが、お話を聞くことで少し整理できてきたように思います。これから治療方針が決まりますが、自分にとってよい選択をしていきたいと思いました。
- 父をすい臓がんで亡くし、翌年自分に初期の乳がんが見つかり、現在手術直後だったので、すごく共感しました。講師の方のケースは非常に参考になりました。患者の立場になると、本当の気持ちを出すことはなかなかむずかしいと思いました。もう少し素直になってもいいのだなと思いました。
- 自分や家族ががんになったとき、決断することがたくさんあるということが具体的にわかりました。この講座のような話は初めてだったので、本当に参考になりました。
~この企画はパルシステム共済連「たすけあい活動助成金」を使用して開催しています~