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「進化している家族信託」を開催しました

1月28日、城南信用金庫元知事長で現名誉顧問、しんきん成年後見サポート理事長の吉原毅氏を講師に迎え、オンライン講演会「進化している家族信託」を開催し、190名が参加しました。

今回の講演会では、環境問題や高齢者福祉、また社会的に弱い立場にある子どもやシングルマザーに寄り添う活動など、さまざまな社会課題にご尽力される吉原毅氏に、高齢者をサポートする制度の一つ、「家族信託」についてご講演いただきました。

認知症と後見制度

先ず認知症と後見制度について吉原氏は説明されました。現在、65歳以上の7人に1人が認知症に。2025年には、5人に1人の割合で認知症になると予想されます。認知症は他人事ではなく、すべての方に共通した心配ごとです。

「金融機関では、店頭にご家族が一緒に来られても、認知症などで判断能力が明確でない場合、法律により払い戻しができなくなります。契約や不動産賃貸事業などの行為ができなくなり、本人はもちろん、家族も困るケースが多くみられます」と話されました。

そのため検討されるのが法律で支援する後見制度。「法定後見制度」と「任意後見制度」について、誰が後見人となり、どのような手順で何ができるか、費用の目安など、具体的にご説明いただきました。

高齢者をサポートする制度として耳にしたことのある後見制度ですが、お話しを伺い、それだけでは私たちが抱える不安には不充分であることが明らかになってきました。

 

家族に寄り添う「家族信託」

そこで「家族信託」が有効とのこと。吉原氏は欧州の中世で行われていた「信託」の歴史を交え、「家族信託」のイメージを解説されました。続いて、不動産管理を任せる信託、障がいのあるお子さまを守るための信託、夫婦のための信託など、「家族信託」でできるさまざまな例や注意点、その他制度との組み合わせについて話されました。

そして最後に「家族が対立することがないよう、資産については親が決めておきたいことです。家族信託は健康年齢と実年齢差の10年間を守る、高齢社会を保障する最大のもの」と締めくくられました。

質疑の様子

質疑の時間には、多数の質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。人生100年時代となり、誰しも先々への不安はありますが、知識を得て備えることで、少しでも不安を解消し、安心した将来を迎えたいと思います。
今後も有益な情報をお伝えして行きたいと思います。

 

参加者アンケートから

  • 家族信託を知らなかったので、勉強になりました。家族に話してみたいと思います。講師の吉原さんのさまざまな事例がとてもわかりやすく、テンポも良く、明快でよかったです。またお話を聞きたいです。
  • 具体例をあげ、それぞれの対応のしかたを詳しく話してくれたのがとても参考になった。長年悩んでいたことに対して突破口が開けたので、ようやく前に進むことが出来ます。
  • 言葉だけは聞き敷居が高い印象がありましたが、講師の方の説明がわかりやすく、身近な課題として感じることができました。大変有意義な時間をありがとうございました。
  • 説明の導入に歴史的な背景などをお話くださり、興味深かったです。
  • 家族信託という言葉自体初めて聞いたのですが、とてもわかりやすくご説明頂き、自分のすべきこと、したいことが明確になりました。
  • 講師の方の話し方が明確で聴きやすく理解しやすかったです。後見制度や家族信託の話を、実際にあった事例や発生する金銭などを例示して、身近に感じられるよう伝えてくださり大変よかったです。