「くらしの見直し講演会 ~今から始める資産運用~」を開催しました
1月25日、オンラインにて「くらしの見直し講演会 ~今から始める資産運用~」を開催し、組合員・役職員あわせて154名が参加しました。
今回の講演会は、組合員による講師活動LPA(ライフプラン・アドバイザー)のメンバーが企画・運営し、テレビや雑誌等でもご活躍のFPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 代表取締役の神戸孝氏を講師に迎え、未来のための資産形成についてお話しいただきました。
なぜ金融リテラシーが求められるようになってきているの?
「よく使われる経済用語に”失われた20年、30年”という言葉があります。これは何が失われたのかわかりますか?」と問いかけた神戸氏。これは「経済成長が」失われた20年、30年ということだそうです。日本のGDPは約30年間横ばいでほとんど成長しておらず、1993年から現在にかけて、一人当たりGDPの順位は世界第3位から第26位に低下しているそうです。神戸氏は「少子高齢化により労働人口・消費人口ともに減少傾向で、現状のままだと経済成長はむずかしく、雇用者の賃金も上昇しにくいでしょう。一方、長寿化が進み、2035年に65歳となる男性の5人に2人、女性の3人に2人を超える方が90歳まで長生きする見込みです。2,000万円必要と言われている老後資金も、医療費や介護費用を考えると3,000万円から3,500万円ほど用意しておくほうがいいと思います」と話されました。
終身雇用制度の動揺や公的年金制度の先行き不安などで、将来の収入が予測しにくくなり、同時に単身・DINKS、ファミリーなどライフスタイルが多様化したことで、誰もが同じようなライフプランではなくなってきています。神戸氏は、「生活者自身が将来の”収入曲線”を意識して作っていく必要性が生じており、資産運用のスキルも求められる世の中になってきている」と話されました。
講師の神戸孝氏
求められる老後の資産運用スキル
分散投資を積立型で行い、お金にも働いてもらおう
では、どのように考えていけばよいのでしょうか。「まずはライフプランありきです」とライフプランニングの6つのステップを説明する神戸氏。今どのような生活をしているかという現状の把握や将来どう過ごしたいかを基にキャッシュフロー表を作成し、資金が足りなくなりそうな場合には3つの対策「支出を減らす」「収入を増やす」「運用を考える」という考え方について、事例を挙げながら具体的に説明されました。
そのうえで、「運用」については、現役世代・リタイア世代のそれぞれが保有している金融資産別に、どのような資産形成方法や運用スタイルが適しているかを話され、お金に働いてもらうスタイルの資産運用の基本になる「長期」「分散」「積立」について説明されました。なぜ分散投資を積立型で行うべきなのか、投資における「リスク」の考え方、そしてリスク許容度に応じた投資信託の組み合わせ方の例など、これから投資運用を始める人にとってだけでなく、すでに運用を始めている人にとっても勉強になる講演会でした。
ホワイトボードも活用し、わかりやすく説明される神戸氏
多くの質問が寄せられ、関心の高さが伺えました
神戸先生くらしの見直し講演会<アンケートから抜粋>
- 歴史をからめて社会の流れについて解説をしてくださり、とても腑に落ちました。ただ投資をしようという声がけではなく、なぜ投資が必要なのかもいろいろな側面から説明され、何を目標にどんな投資を考えればよいのかとても参考になりました。
- 社会の構造が変わっているとこに気づくかどうか、社会というのはそうして捉えていくものだと勉強になりました。
- 笑いもありながら、楽しく学べた。知識がないから不安だった箇所も、専門家の意見を聞き、納得できた。
- 先生の語り口がおもしろく、全体的に興味深い講演で大変勉強になりました。ありがとうございました。投資についての心構えや世の中の流れなど全体的な把握ができてよかった
- 構造的変化のお話から始めてくださり、大変濃密でハイレベルな講演でした。例え話や、趣味としての投資と仕事としての投資の比較など、とてもわかりやすく、先生の著作やブログを拝見しようと思いました。