公開確認会「基礎学習会」及び公開確認会「事前学習会」を開催しました
パルシステム神奈川では、梅の産直産地であるJA紀南 田辺印の会(和歌山)にて2月に公開確認会を開催します。 開催に先立ち、11月27日に「基礎学習会」、12月18日に「事前学習会」をオンラインにて開催しました。
生産者と組合員が直接つながる“公開確認会”
公開確認会とは、消費者である組合員自身が産地へ赴き、食にかかわる安全性や生産者の努力を確かめるとともに、生産者と消費者がより深く理解し合い、課題を共有し改善につなげる、パルシステム独自の発展的な交流システムです。パルシステムでは1999年に始めてから、グループ全体で累計145回の公開確認会を開催しています(2021年9月末時点)。また、公開確認会に必要な基礎知識や心構えを学ぶ「基礎学習会」及び「事前学習会」を開催し、学習会を修了した組合員が公開確認会に参加し、組合員の代表として産地での取り組みの確認を行います。
監査人になる第一歩!「基礎学習会」
11月27日、オンラインにて「基礎学習会」を開催し、組合員・理事・職員16名が受講しました。
はじめに、パルシステム生活協同組合連合会 産直推進課 下昭彦氏より公開確認会のしくみ、公開確認会の成り立ちや意義、目的や役割について、また、公開確認会で使用する基礎用語などについて説明がありました。 公開確認会では消費者が自分の目で確かめることを「監査」と言い、監査する人を「監査人」と呼びます。監査人は、消費者の視点から産地の取り組みを監査し、監査所見を述べ、監査シートに記述し提出する役割を担うこと。環境や地域への貢献なども含めて、産地の特性や取り組みも正しく評価し、クローズアップすることも重要な役割であるということが伝えられました。
つぎに、有限会社リーファース代表取締役 水野葉子氏から農産物認証・確認の種類、しくみ、チェック項目、パルシステムの監査、産地を見る時のポイント、生産者への質問の仕方、監査の手法について説明いただきました。実際の監査の場では、消費者の代表という意識をもって、生産者への敬意を忘れず、5W1Hを意識し簡潔に質問をすること。生産者の取り組みについてよく聞き、基準が守られているか責任をもって自分たちで確認し、さらに現場に行けない他の組合員へ「伝える」という大事な役目があることが伝えられました。
休憩をはさんで、ふたたび下昭彦氏よりパルシステムの産直と監査項目に沿った帳票類の説明と見方についてお話がありました。 パルシステムの産直の目的は農と食をつないで、豊かな地域社会を作ること。しかしながら、人手不足、異常気象の慢性化、資材・物流コストの価格高騰など、日本を取り巻く農業の課題や背景などを監査する側も踏まえておく必要があるとのことでした。
その後、JA紀南 田辺印の会の概要を動画で学び、知識を深めました。
講師 下昭彦氏
基礎学習会の様子
講師 水野葉子氏
事前学習会ではより実践的に
12月18日には、同じくオンラインで「事前学習会」を開催し、組合員・理事・職員8名が受講しました。事前学習会では、基礎学習会で習得した知識を実践で生かせるように、公開確認会に向け、監査人の心構えを復習し、管理記録など各種書類の見方、帳票の監査の仕方について講師の水野葉子氏、下昭彦氏より説明を聞きました。またJA紀南 田辺印の会 生産者のみなさんが現地より、産地の概要や取り組みなどの説明をしてくださいました。
はじめに水野葉子氏より監査人の心構えや質問・発表時の注意点をお話しいただきました。 質問ははっきりとゆっくりすること。他の監査人が質問している内容をよく聞き、同じ質問をしないこと。はい、いいえで答えられる質問はしない。など、より実践的な解説がありました。
次に、JA紀南 田辺印の会 生産者 宇田川氏による産地取り組み報告がありました。 JA紀南 田辺印の会では「おもしろくやろう」を合言葉に有機農業を安定的に発展させるために2008年4月に発足。現在14名のメンバーが梅を中心にかんきつ類やキウイフルーツなどを栽培。中山間のほ場で、工夫しながらの作業や共同堆肥作り、剪定講習会などさまざまな取り組みについてお話しいただきました。
JA紀南 田辺印の会 生産者のみなさん
生産者 宇田川氏による説明
その後、グループに分かれて、生産者を交えてグループワークを行い、水野氏に教えていただいたように、各々が感じた疑問を質問し、生産者からのていねいな回答で理解を深め、事前学習会は終了しました。
今回の学習会をとおして産地と消費者がつながり、買い支えていくことの大切さを再認識する学習会となりました。
グループワークの様子A
グループワークの様子B
当組合では、2月18日〜19日に和歌山にて、JA紀南 田辺印の会公開確認会を開催します。学習会を修了された組合員のなかから代表者が監査人として参加します。当日の様子は、2月28日開催の「有機の梅を堪能しよう」(1月10日から募集開始)またはホームページニュースにてご報告します。