「避難所運営ゲーム『HUG』を体験」を開催しました
10月15日、日本丸メモリアルパーク訓練センター(横浜市西区)にて「避難所運営ゲーム『HUG』を体験」を開催し、16名が参加しました。当初6月の企画を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け延期とし、今回感染対策を実施して開催しました。
災害時の避難所では住民の助け合いが必要です。認定NPO法人かながわ311ネットワーク 防災教育担当の石田真実氏を講師に迎え、避難者に対し、どう対応しどう解決して行くか、ゲームをとおして考えました。
HUGとは
「HUG」は、Hinanzyo(避難所)、Unei(運営)、Game(ゲーム)の頭文字を取ったもので、英語で「抱きしめる」という意味も含んでいます。避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けられたものです。
避難所運営を任されたという想定で、年齢や性別、家族構成や国籍など、避難者の情報が書かれたカードを体育館や教室に見立てた平面図に適切に配置します。また、避難所で起こるさまざまなできごとにどう対応していくかを模擬体験できるカードゲームです。
次々と起こるできごとに適切に対応していく参加者
石田真実氏より、避難所についての〇×ゲームをしたあと、さっそくゲームのルールが説明されました。過去に起きた災害の様子のスライド画像を見て具体的な被害状況のイメージがわいてきたところで、参加者は4つのグループにわかれました。
グループでは、進行する人、掲示板を書く人、カードを配置する人など担当を決めます。平面図に受付、通路を書き込み、避難者をどのように配置していくかを決め、ゲームの開始です。
認定NPO法人かながわ311ネットワーク 防災教育担当 石田真実氏
スタッフによって読み上げられる避難者カードとイベントカードを避難者の状況や要望を考慮しながら配置していきます。また、同時に、避難者への情報共有が必要なことは、掲示板へと書き込んでいきます。参加者のみなさんは、次々と起こるできごとに最初は戸惑っていましたが、次第に迅速かつ適切にカードを配置していきました。
次々と読み上げられるカードを迅速に配置していきます
掲示板には避難所で混乱が起きないよう、情報共有するべきことを書き込みます
ゲームを終えて
ゲームが終わったところで、グループごとにカードの配置のルールを再確認し、対処に困った点、アピールポイントを発表。多くのグループがトイレの問題やペットの扱い、喫煙者の対応に困った様子でした。参加者からは、「女性の更衣室を確保した」、「避難者を住居の地域ごとにわけていたので、ひとりで避難してきた子どもを一緒にしてあげた」、「掲示板を色分けして活用した」などの発言がありました。
慌ただしいゲームを終えて、振り返りをします
グループごとに発表して全体で共有しました
最後に、石田真実氏より、ペットの避難の問題について「同伴避難(避難所で一緒に生活)」は、避難所が各々に決めていること。「女性の視点」を加えることで女性にも居心地の良い避難所運営ができること。避難所として利用する学校も再開しやすいように、可能であれば校舎をできるだけ使わないようにするなど、運営のポイントをお話しいただきました。
ゲームをとおして、避難所で起きえる状況の理解と適切な対応を考えるとともに、災害時に協力し、助け合うことの大切さを学ぶことができました。
ゲームの様子を動画でご覧ください(3分5秒)
参加者の声
- とてもおもしろいゲームで、エキサイティングで楽しかった
- 多方面に配慮しながら瞬時に判断しなくてはならないのが難しかった
- 運営するうえで、初めてお会いした方とどこまでこだわりポイントを共有し、どのようにコミュニケーションをとったらよいか戸惑ったが、それも含めて疑似体験ができた
- 運営者同士の目線合わせや情報共有をしながらすすめることが最も大事だと気づいた
この講演会はコープ共済連『くらしの見直し講演会』支援金、パルシステム共済連『たすけあい活動助成金』を使用して開催しています。