パルシステム神奈川のイベントレポートをご案内します。

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オンラインで「パン豚探検ツアー」を開催しました

7月21日、『神奈川のすくすくパン豚』に関連する生産者・メーカーとオンラインでつながる企画を開催し、30名が参加しました。『神奈川のすくすくパン豚』は、パルシステムのパンを作る子会社(株)パルブレッドで発生するパンの余剰分を、豚の飼料として利用する資源循環の取り組みから生まれた豚肉です。地産地消を希望する組合員の声と資源循環の取り組みに賛同する県内生産者の協力により実現した、当組合限定の商品です。

 

今回の企画では、飼料となるこだわりのパンを作っている(株)パルブレッド、そのパンの余剰分(余った部分)を活用してこだわりの豚を育てている(有)山口養豚場、豚肉を衛生的かつ安全・安心に加工・流通しているJA全農ミートフーズ(株)、(株)パル・ミートの担当者がそれぞれの工程やこだわりの取り組み、組合員の疑問・質問について各々説明しました。

飼料となるパンの製造工程

まずは、八王子市にある(株)パルブレッドから、こだわり酵母食パンについて説明がありました。パンの製造は深夜から早朝に行われ、じかに見ることがむずかしいため、事前に撮影した動画を使用して工場に入る際の衛生管理、生地作り、発酵、焼成、冷却、袋詰めなどの様子を見ていきました。

その後、カットされた耳の部分や余剰品、生地の残渣、冷凍保存サンプルなどを袋詰めして、飼料化する工場へ配送することや、パンを粉砕・乾燥したパン粉末が冷蔵10℃以下で保存され山口養豚場へ運ばれることなどの説明があり、1週間に約4.5tも発生するパンの余剰分が衛生的に飼料として有効活用されていることを知ることができました。

こだわり酵母食パンの発酵

商品をカットした後のパンの耳

神奈川のすくすくパン豚の飼育

次に、愛甲郡清川村でこだわりの豚を育てている山口養豚場の山口さんご夫妻から豚の飼育についてお話しいただきました。母豚は日本ではほとんど見られなくなった群飼(ぐんし)飼いという、より自然に近くストレスの少ない状態で飼養していること、肥育豚は太陽光が充分にあたり換気が常にされ、洗浄・消毒が徹底されたストレスのかからない環境で飼育されていること、こだわりの自家配合飼料を与え、パン飼料を肥育後期に12.5%配合していることなど、山口養豚場でのこだわりの飼育方法を教わりました。パン飼料を与えて育った豚は、ほかの豚に比べて非常に元気だそうです。

また、奥様の和代さんからは、パン豚を使った「バラ玉とじ丼」「みそバラなす」の作り方を、動画を観ながら教わりました。

母豚の飼育の様子

山口さんおすすめのバラ玉とじ丼

豚肉の加工・流通

千葉県にあるJA全農ミートフーズ(株)、(株)パル・ミートからは、と畜された豚肉が組合員に届くまでの過程や、パン豚の取り組み、解凍のポイント、解凍方法などの説明がありました。

スライスした商品は、-35℃の低温で6分間凍結することによって、品質を損なうことなく急速に凍結し、組合員まで届くことや、パンを飼料に加えることで保水性が高くジューシーで甘みの強い豚肉になっているとの話もありました。

株)パル・ミートの取り組み説明

スライスして凍結されるパン豚

また、パン豚が1頭まるごと消費する商品であり、1回に2種類ずつお届けすることにより、さまざまな部位の肉をなるべく均等に食べることができるしくみであることや、ドリップ(肉の水分)の流出をなるべく少なくして上手に解凍する方法などの説明もありました。冬は夏に比べると冷蔵室内の温度が低くなる傾向にあるため、季節や切り方・量目によって解凍する時間を変えた方がよいそうです。

 

参加した組合員が事前にパン豚で作った料理の紹介をしたあとに、山口さんからの「実際にお会いすることができませんでしたが、農場のみんなも元気でやっています。みなさんにパン豚をおいしく無駄なく食べていただけることがいちばんの願いです。みなさんと会える日を楽しみにしています」との言葉で会は終了しました。

 

山口さんご夫妻

笑顔で記念撮影

参加者の感想

  • 資源循環の取組みがよく理解できました。
  • パンの製造、養豚家の山口ご夫妻、飼料加工、食肉の加工、流通に至るまで、みなさんがおいしくて安全なものを届けるために、小さなことから一つひとつ努力なさっているのだと感じ、あらためて食に携わる方々に感謝して食べなくてはと思いました。
  • 換気や日光、夏は気化熱を利用したり、また、飼料にも工夫があること、飼料を自家配合している養豚場が少ないことなどを知ることができました。
  • パルシステムの方々のこうしたすばらしい取り組みが、もっと知られ、そして同じような取り組みが広がって、環境にやさしい社会になってほしいと感じました。

 

例年、生産者の山口さんとはバーベキューや料理教室などで交流を深めていましたが、今回は離れた場所のさまざまな工程を短時間で見ることができる、オンラインならではの企画となりました。