「食品添加物と食品表示 講演会」を開催しました
4月30日、オンラインにて、食品添加物と食品表示についての講演会を開催し、組合員と役職員あわせて約200名が参加しました。
食品問題評論家で「消費者問題研究所」代表の垣田達哉氏を講師に迎え、わかりにくい食品添加物や表示のカラクリについて学びました。食品や原料原産地の表示でわかること
まず最新事情として「新型コロナウイルスは人間の細胞の中に入ってから増殖する。食品を介しての感染事例はない」と食とコロナとの関係の話から始まり、食品における産地表示の話へと続いていきました。
垣田氏によると、農産物は収穫した場所が産地となるため、中国で菌床栽培されて日本に輸入され、収穫(袋詰め)した「しいたけ」であっても「国産しいたけ」となるとのことで、2020年3月より菌床栽培地を表示することが推奨されているそうです。また、水産物の場合、水揚げ地のほか漁獲した船の国籍が産地となるそうで、畜産物の場合は生まれではなく育った場所が産地となるそうです。
オンラインで講演する垣田達哉氏
2022年4月から、すべての加工食品の重量の多い原材料に「原料原産地」が表示されます。小麦粉(国内製造)と表示されたものは、どこの小麦粉かわからないけれども国内で混ぜたもの。また表示基準の改正により、大豆の「遺伝子組換えでない」表示がなくなるため、納豆や豆腐の原材料についてはメーカーのホームページで確認するのがよいと話されました。
見える添加物と見えない添加物
新食品表示により、私たちは添加物が入っているか把握できるようになりました。垣田氏はスナック菓子のパッケージを見ながら「スラッシュルール」を紹介。「/」の前までが原材料で、後には添加物が表記されています。原材料と食品添加物を明確に区別して表示しているので、「/」以降が添加物だとひと目でわかります。
垣田氏はパルシステム商品のウインナーやさばの缶詰を見て、「添加物はなく、原材料表示があり、/もない」と感心していました。加工食品の栄養成分表示も必須になり、塩分やカロリーも簡単に確認できます。しかし通販、バラ売り、外食は表示対象外。表示されていないものほど怖いものはないと力説。
表示されない添加物の例として、鮭のエサに使用される添加物の話が出ました。ほかに気をつけるものとして、アルミニウム(菓子パンやお菓子などの膨張剤や魚介類や煮物の煮崩れ防止)や人工甘味料、エナジードリンクや加工肉、着色料についての話もされました。
「スラッシュルール」について解説
添加物の摂取量について解説
「添加物がどのくらい人体に影響があるかわかっていないが、できるだけ摂取量を少なくしたい。どんなものでも多くとるとプラスになるよりマイナスになることがある。商品を選ぶ際は、キャッチフレーズやPRより表示も見ましょう」と述べられました。
参加者からの質疑応答(一部抜粋)
司会進行役の島村常任理事からパルシステム商品の説明があったあと、垣田氏はチャットで受け付けた質問にわかりやすく答えていただきました。
Q:輸入の野菜や果物、冷凍のオーガニック野菜の農薬使用について
A:防腐剤として農薬を使用している。オーガニック認証を受けているものは農薬不使用。アボカド、キウイフルーツ、バナナなど皮を食べない果肉は大丈夫。飲食店で出てくるレモンの皮は要注意。皮をむいたあとは必ず手を洗いましょう。
Q:体内に入った放射性物質が減るように、添加物も減るのか?
A:添加物も便から排出される。ずっと溜まっていることはないが、いつゼロになるかわからない。体内から減っていくが食べたらまた入ってくる。
多くの質問がチャットに寄せられました
私たちの日々の食品選びや健康な生活を送るために役立つ、学びの深い講演会でした。