「檻の中のライオン」~憲法ってなんだろう?~ を開催しました
12月5日、『檻の中のライオン』の著者である弁護士の楾 大樹(はんどう たいき)氏を講師に、パルシステムグループの3生協合同でオンライン憲法学習会を開催しました。100名を超える方々の視聴参加がありました。
政治的な立場や考え方は違っても共有する前提条件が憲法
「ライオンを檻に入れよう」-そもそも憲法とは何か?
一人ひとり、みんな大切 〔天賦人権・個人の尊重〕:私たちは生まれながらに基本的人権をもっています。人類の歴史上、人権は権力に侵されてきたため憲法に書かれているのです。一人ひとり違っても個人として尊重されています。みんなが幸せにくらすために国があり、国家のための個人ではありません。立場が違ってもここが話の出発点で根っことなるのです。
ライオンに政治を任せよう~ライオンは檻の中へ〔社会契約・立憲主義〕:秩序のなかでみんなが幸せにくらせるように、仕切り役のライオンに政治を任せていますが、権力を自分や特定の人のために使うなど乱用されることがないように、権力を縛っている契約書が憲法です。
法律を守らないといけないのはなぜ? 檻を作るのは私たち 〔国民主権・民主主義〕:私たちが認めた檻の中で、ライオンが作った法律を私たちは守って生活する必要があるのです。檻を作るのも変えるのも、どのライオンを檻に入れるのかも決めるのは私たちです。憲法を知らなくては国民主権が成り立たなくなるのです。
ライオンを檻に入れてなにを守っているのか?〔平和と自由〕
平和なくらしと自由を守っています。「戦力」「交戦権」は檻の外に置かれています。また、権力に傷つけられやすい表現の自由、知る権利も檻で守られています。安心して自由に声をあげることができるのは檻があるからです。私たちの声は、政治のアクセルにもブレーキにもなり、政治をコントロールする手段になります。権力にコントロールされず、主権者である私たちが権力をコントロールしなくてはなりません。
檻を壊されないようにするセキュリティーシステムと不断の努力が必要〕
権力が集中しないよう檻に3頭のライオンを入れ、国会(立法権)・内閣(行政権)・裁判所(司法権)が役割分担をしてブレーキを掛け合うしくみがあり、檻はライオンの力では壊せない「硬い」作りでできています。 しかし、憲法改正の動きがある今、主権者の私たちは、ライオンの動きに関心をもち、声をあげ、選挙では檻を壊さないライオンを選ぶなど、自分の権利は自分で守るための不断の努力をしていく必要があります。
学習会まとめ-私たちのために憲法というしくみが必要
憲法という檻が壊れかけている今だからこそ、主権者である私たち一人ひとりが憲法を学び、それぞれ自分の頭で、自分や子孫の問題として真剣に考えて行動していかなければなりません。今日の学習会を聞き終わりにせず、ぜひ、身近な人に学習会の感想を伝え知らせてほしい」と楾氏は最後に視聴参加者にこのように伝え、締めくくられました。
参加者より「大人なのにわかっていないことを再認識させられた」、「イラストやぬいぐるみを使った説明で分かりやすかった」、「移動時間がかからないオンラインだからこそ今回参加できたのでよかった」などの感想をいただきました。
パルシステム神奈川では、これからも憲法について学ぶ機会を作っていきます。