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「『海から見る地球』~目撃者の話【オンライン】」を開催しました

10月6日、Zoom学習会「『海から見る地球』~目撃者の話【オンライン】」を開催し、組合員・役職員あわせて140名が参加しました。

今回の講演会は、40年間のダイビング生活のなかで、地球の環境の変化を体験してきたプロダイバー・環境活動家の武本匡弘氏を講師に迎え、気候変動と海洋プラスチック問題についてお話しいただきました。

気候変動・気候危機・気候正義とは?

真っ青で透明感のある美しい海中の写真がスクリーンに映し出されました。武本氏が20年前に撮影された沖縄の写真です。現在も上空から見るときれいな青に見える海ですが、実際はサンゴの6割以上ががれき化しているそうです。なぜそのような変化が起きているのでしょうか?

「それには気候変動が影響しています」と説明される武本氏。気候変動は、30年に一度程度の偶発的な発生である異常気象とは異なり、その常習化のことを指しています。

武本氏は、5年前から自ら操船したヨットで探査・国際交流などを目的に航海されていますが、そのなかで、台風発生場所の変化や竜巻の増加などを知り、プロダイバーであるご自身も水温の上昇を感じているとのことでした。さらに、南の島で国際交流した際には、島の方々から「風の向きが変わり、ヤシの木などに影響が出ている」と聞き、気候危機を実感したそうです。

10年以上前の沖縄本島那覇沖(武本氏撮影)

主に先進国が消費してきた石炭などの影響を途上国が受けている現状に対して、倫理面から考える気候正義。私たちは何をしたらよいのかについて、さらにお話しいただきました。

社会を動かし、変革を求めるために私たちができること

ヨットでの探査中、武本氏がさらに気付いたのは海中に多く漂うプラスチックごみです。気候問題と海洋プラスチック問題は別の問題ではありません。プラスチックは、作る過程でもリサイクルでも二酸化炭素を排出し、気候変動の原因のひとつとなっています。

このような現状を受け、武本氏はプラスチックフリーのエコストアプロジェクトに取り組んでいます。そして、「一人ひとりができることとしては、当たり前のことを疑ってみるといった思考が大事」とのこと。

こういうことを話すと、「私は生協にはいっています」と伝えてくれる参加者がいたりするそうですが、それだけでは不十分。そのことを他の人に伝えて、広げていくことが大事と武本氏。「ただし、強要してはいけない。やってみたらこっちがいい(環境にとっても自分にとっても気持ちがいい)と思うことを実践し、それを無理のない範囲で声かけをして、仲間を増やしていく」ということの必要性を語りました。

藤沢駅から徒歩4分のところにエコストアパパラギがあります。店舗まるごとプラスチックフリー。無農薬、添加物にもこだわっています。竹の歯ブラシやシリコンのラップ、セルローススポンジなど、工夫をこらしたノンプラスチックの商品約90品目が所狭しと並んでいます。こうしたプラスチックフリーのエコストアが全国に広がることが武本氏の夢でもあります。https://ecostorepapalagi.com/

最後にZOOMのチャット機能を利用して、質疑応答の時間もあり、多数の質問がありました。

「洗濯時にマイクロファイバーを出さないためには?」や「チャック付きポリ袋をシリコン製に変えるのはどうか?」、さらには、新築住宅を検討中の方から樹木の計画伐採についてのご質問や、使い捨て紙おむつの影響など、さまざまな視点からのご質問にオンラインでの開催でしたが、とても盛り上がりを感じる数時間となりました。

講師の武本匡弘氏

当日の様子を約30分のダイジェスト版にまとめました