JA新みやぎ 冬の体験ツアー
1月18日~19日の2日間にわたり、JA新みやぎにて「冬の体験ツアー」を開催し、組合員10家族16名、理事・職員を含め21名が参加しました。
JA新みやぎ(旧JAみどりの)とは、20年以上にわたり、農作業体験をはじめさまざまな交流を行っています。管内を含む1市4町の大崎地域は、2017年12月に世界農業遺産(※)に認定されました。今回のツアーは、JA新みやぎでは初めて大人限定で開催し、地域全体で生物多様性を育む農業を続けている産地への理解をより深める交流を行いました。
(※)世界農業遺産とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり形づくられてきた伝統的な農林水産業と、それにかかわって育まれた文化、ランドスケープ、生物多様性などが一体となった世界的に重要な農林水産システムを国連食糧農業機関(FAO)が認定する仕組みです。
みそ作り体験
産地に到着すると、まずは小牛田流通センターでみそ作り体験を行いました。
事前にJA新みやぎ職員が途中まで仕込んでくださっていたみそだねを手で丸めて、空気を抜くように叩きつけながら樽に詰めていきます。
これに重しをのせ、直射日光の当たらない場所で寝かせるとみそが完成します。
自宅でも食べられるよう、保存用袋にも詰めて各自持ち帰りました。
作業のあとは、昨年冬の交流で作ったみそを使用したみそ汁と、JA新みやぎのササニシキの炊き立てごはんをおいしくいただきました。
北部広域倉庫見学
次に北部広域倉庫へ行き、温度管理された倉庫で保管されているお米の見学をしました。「どのようにして高く積み上げるの?」と組合員から質問があがり、実際にフォークリフトを動かして見せてくれました。
パルシステム用に栽培されたお米もありました
フォークリフトで高く積み上げます
マガンのねぐら入り
続いて、大崎耕土の世界農業遺産とマガンの説明を受け、いよいよねぐら入りの観察です。
蕪栗沼には約10万羽以上ものマガンが越冬をしに飛来しています。大崎市職員の方をガイドに迎え、日中、周辺の田んぼで落ち穂や大豆などを食べたマガンが、家族単位で寝床である蕪栗沼へ戻って来るようすや、マガン特有の落雁(空からハラハラと沼に舞い降りるようす)も観察することができました。数万羽ものマガンが群れとなり戻ってくる光景は壮観で参加者から感動の声があがりました。
1日目の最後は、お楽しみの夕食交流会です。女性生産者による手作り料理とお酒をいただきながら、生産者との会話が弾みました。
マガンの群れ
マガンの飛び立ち
2日目は、夜明け前から再び蕪栗沼へ行き、マガンの飛び立ちを観察しました。
日が昇る頃、次々に飛び立つマガンの群れや白鳥なども見ることができ、豊かな自然が残る土地であることを改めて感じることができました。
酒蔵一ノ蔵にて工場見学や試飲、買い物を楽しんだ後は、北浦コミュニティーセンターにて1日目の夕食に引き続き女性生産者の手作り料理をいただきました。閉会式をして産地の方とはここでお別れです。
参加者からは「ネットやスーパーで食料を手に入れる時代に生産者の方と直接お話しできたのは貴重な体験でした。」「多くの生き物と共生し持続しながら農業をするのはむずかしいと思っていました。今回のツアーに参加して、それができるんだということが理解できました。」などの感想をいただきました。
集合写真
2日間をとおして、産地の魅力が存分に味わえる体験ツアーとなりました。 JA新みやぎでは地域をあげて生物多様性の農業に力を入れています。できるだけ農薬は使わず持続可能な農業を推進し豊かな自然を守り続けている産地の努力を、マガンの観察をとおして知ることができました。 パルシステム神奈川ゆめコープでは、今後も「大崎耕土」の世界農業遺産を応援していきます。
2019年度の産地交流は今回で終了となりますが、2020年度も春から交流がスタートします。田んぼの農作業体験や生きもの観察を通じて、米産地JA新みやぎを満喫できるツアーを予定していますので、お楽しみに!
産地レポーター報告
パルシステム神奈川ゆめコープでは、産地交流などのイベントに参加した際、感想や産地へのメッセージを投稿いただく「産地レポーター」を募集しています。今回参加した組合員が投稿してくださったレポートを掲載します。
ペンネーム:かいつぶりさん
10万羽超のマガンの群れをも受け入れる大崎耕土のスケールの大きさに圧倒!それを支える生産者の方の努力や台風でのご苦労を直に聞き、あらためて私たち消費者ができることは何かを考える機会になりました。みなさん明るい笑顔で地元の手料理もおいしく、まるで故郷に帰ったようでした。体験で詰めた味噌、半年後の完成が楽しみです。お世話になったみなさんを思い出しながらいただきたいと思います。貴重な体験をありがとうございました!