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「くらしの見直し講演会『最高の遺言書を遺す』」を開催しました

1月15日、ユニコムプラザさがみはら(相模原市南区)にて「くらしの見直し講演会『最高の遺言書を遺す』」を開催し、組合員・役職員49名が参加しました。
今回の講演会は、組合員による講師活動LPA(ライフプラン・アドバイザー)のメンバーが企画・運営し、開業当時より遺言書の起案・相続手続きを中心に業務を行う、行政書士の宇田川亨(うだがわとおる)氏を講師に迎え、財産の大小関係なく、誰もが直面する相続における「最高の遺言書を遺す」についてお話しいただきました。

元気なうちに準備しておきたい遺言書

多くの組合員にご参加いただきました

「遺言書は、財産が多くて相続でもめそうな人だけが必要なもの」と思っていませんか?「法定相続分という法律で定められた財産を分ける目安があるとはいえ、金融機関などが法定相続分どおりに遺産を自動的に振り分けてくれるというわけではありません」と話される宇田川氏。遺言書がない場合、必ず相続人全員で遺産分割について話し合う必要がありますが、相続人同士が不仲であったり、遠方に住んでいたり、疎遠になっていたりすると話し合いが大変とのこと。また、子のいない夫婦の場合、法定相続人となる義理の親または義理の兄弟姉妹との話し合いが必要になる場合もあり、義理の関係では話し合いにくいと感じることもあるというご説明に「あぁ…」とうなずく会場のみなさん。

講師の宇田川亨(うだがわとおる)氏

では、具体的に相続の手続きが必要なのはどんな方でしょうか?「不動産をもっている」「預貯金をもっている」「株式をもっている」「自動車をもっている」という方が亡くなった場合に相続手続きが発生します。さらに気になるのが、「いつ遺言書を書けばいいのか」ですが、宇田川氏は、「病気になって入院してからと考えている方もいるが、心身ともに元気なうちに書いておいたほうがいい」と話されました。宇田川氏が実際に病室を訪れて遺言書を作成された際、ただでさえ病気でつらいなか、財産を洗い出したり、どう相続するかを考えたりするのは、とてもつらそうに感じたとのことです。日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができるとされる健康寿命の70歳台前半を目安に作成されることをおすすめされていました。

遺言書には種類や書くポイントがある

さまざまな質問はどれも参考になりました

遺言書があれば、迅速に相続手続きができますが、「有効な遺言書であること」と「スムーズな相続手続きができるように書くこと」が必要です。まず、自筆証書遺言と公正証書遺言について、それぞれの特徴や費用、保管方法や危険性について説明いただき、さらに具体的な事例をもとに書き方のポイントを説明いただきました。「遺言を書いてから相続が発生するまでの期間がどれくらいかは誰もわかりません。その間に環境や気持ちに変化があるかもしれないため、想像力が必要です」との話に、みなさん、深くうなずいていました。

質疑応答では、多くの質問がありましたが、「遺言書があっても、相続人の合意があれば内容を変えられるのか?」や「相続人が認知症などで話し合いが難しい場合、遺産分割協議はどうするのか?」など、どれも参考になる質問ばかりで、充実した2時間半となりました。

 

この講座はコープ共済連、パルシステム共済連の助成を受け開催しています。