「くらしの見直し講演会 ~離れて暮らす親の介護とお金~」を開催しました
ムリせず親をささえるには介護の「マネジメント」
「介護」と聞くと、入浴・排せつ・食事の世話をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし、太田氏は「入浴・排せつ・食事の世話だけが介護ではありません。マネジメントも大事な介護です」と説明を始められました。介護のマネジメントとは、「老親の状況を把握し、支援・介護する代役を探し、そのサービスや治療法等の契約・決断や財産管理を代行する」という一連の流れを行うことです。
「90歳まで生き抜く人の割合がふたりにひとり(女性)といわれる今、介護は長期戦で共倒れしないことをいちばんの目標にすることが大切です」と話す太田氏。
別居の親に介護が必要となった場合に、入浴・排せつ・食事の世話といった直接的な介護をしていなくても罪悪感をもつ必要はないという説明に、会場のみなさんもホッと肩の力が抜けた様子でした。
さらに、事例をもとに、今からできる準備や、いざ介護が必要となったときにまずすべきことなど、具体的な介護のマネジメント方法を説明いただきました。とくに、嫌がる親に介護保険の申請を提案する工夫や介護保険の申請時のポイントでは、なるほどと思わされる方法に深くうなずくみなさんでした。
介護資金の算段も忘れない!
「最初はわからないことも多く、自分や家族がやることが多い介護。2~3カ月後にはマネジメントできる体制づくりを」とのことですが、サービスを利用するにはお金も必要です。「どのお金(誰のお金)で介護するか計画していない」「どんなお金がかかるか知らない」「介護費用を軽減する制度を知らない」という3つの「ない」ではうまくいきません。介護にかかるお金やそれを軽減する制度の情報を収集する方法、介護が必要となる前に親とお金の話をする方法など、多くの事例を知っている方だからこそのお話にメモをとる手が止まらない様子でした。
「みんなが最高の笑顔になるような介護は見たことがありません。そこそこのところをめざすというのがいいのではないでしょうか。そのためには、親との対話、情報収集や人を頼ること、そして介護資金の算段も忘れように。」とまとめられた太田氏。参加されたみなさんが、離れて暮らす親の介護について、今からできることを具体的に考えられる内容でした。
この講座はコープ共済連、パルシステム共済連の助成を受け開催しています。