JAみどりの(JA新みやぎ)初夏の体験ツアー
7月6日~7日の2日間にわたり、宮城県美里町・大崎市・涌谷町にて「JAみどりの(JA新みやぎ)初夏の体験ツアー」を開催し、組合員9家族30名、理事・職員を含め36名が参加しました。
JAみどりの(JA新みやぎ※)とは、20年以上にわたり、農作業体験をはじめさまざまな交流を行っています。自然豊かな田んぼが広がるJAみどりの(JA新みやぎみどりの地区)管内を含む1市4町の大崎地域は、2017年12月に世界農業遺産へ認定されました。
今年度2回目となる今回の交流では、田んぼの草取りや生きもの調査をはじめ、地域の見学をとおして、化学合成農薬や化学肥料を極力減らし環境にやさしい農業の取り組みをしている産地への理解を深める交流を行いました。
※2019年7月1日に宮城県北部地域の5つのJA(栗っこ・南三陸・あさひな・いわでやま・みどりの)が合併し、「新みやぎ農業協同組合(JA新みやぎ)」となりました。
農作業体験と生きもの観察
1日目は、玉ねぎとブルーベリーの収穫体験からスタートしました。
玉ねぎは、パルシステム米栽培研究会(パルシステム向けにお米を作っている生産者)の木村さんが育てているラッキーという品種で、パルシステムにも出荷している玉ねぎです。
柔らかく甘みが強く生食に向いているということで、収穫したばかりの玉ねぎをその場でむいてかじった参加者からは、「みずみずしくて甘い~」という声が上がりました
その後、田んぼに移動して、おやつに宮城ひとめぼれの塩むすびをいただいたあとは、田んぼの生きもの観察を行いました。
大崎市職員で自然環境専門員の鈴木さんに教えていただきながら、実際に田んぼの中に入り、網を使って生きものを捕まえました。
たくさんのドジョウやマルタニシ、トウキョウダルマガエル、イトミミズ、赤トンボなどを見ることができ、持続可能な環境保全型農業を続けている産地の豊かな自然を体験する機会となりました。
続けて、田んぼの草取りを行いました。
慣れない泥に足をとられながら、生産者のみなさんといっしょに、コナギなどの雑草を手で抜いて丸めて土の中に埋める作業を体験しました。
この日は、やませ(オホーツク海高気圧から吹き出す冷たく湿った東寄りの風)が吹いて肌寒いくらいの気温でした。米が実をつける頃にやませが吹いて、気温が17℃以下の日が続くと米の実入りが悪くなるという話も生産者からお聞きしました。
昨年は気温の高い日が続き、高温障害が発生したとのことで、天候に左右される農業の大変さをうかがい知る機会となりました。
宿泊先に行って温泉を堪能したあとは、夕食交流会を行いました。
地元のおいしい料理や日本酒、生産者のみなさんとの話を楽しんでから、1日目の最後となるホタルの観察に向かいました。ホタルが飛ぶには少し涼しすぎるとのことでしたが、10匹以上のホタルを見ることができました。
世界農業遺産認定地域の見学と砂金採りに挑戦!
世界農業遺産に認定された「持続可能な水田農業を支える伝統的水管理システム」は、水田の持つ豊かな湿地生態系や農文化も育んでいます。
2日目はこのような地域を知るため、まず始めに、農業にもゆかりがあるという箟峯寺(涌谷町)を訪れました。
樹齢推定900年の杉の木や、標高200mから農家のくらしを支えてきたという屋敷林「居久根(いぐね)」の遠景を見学しました。
次に、同じ地域にあり日本遺産に認定されたという「わくや万葉の里天平ろまん館」に移動して、砂金採りに挑戦しました。
この地域は昔から川で天然の砂金が採れる地域だそうです。天然の砂金が混ざった砂を、黒い皿ですくい、水を入れて回しながら砂を飛ばすと、砂より重い砂金が残ります。30分の時間内でとれた砂金を各自持ち帰りました。なかなか見つからず悪戦苦闘する人もいましたが、8粒見つけたという家族もいました。
地域について学んだあとは、生産者の方が昼食として用意してくださった肉や野菜、やきそば、おにぎりなどをいただき、2日間にわたる交流は終了いたしました。
砂金採り体験
おいしい野菜や肉を堪能
10月には、稲刈り体験をとおした交流を行う予定です。 やませが吹かず、稲が元気に育ちますように!