福島の子ども保養プロジェクト「2019春休み♪ かながわでいろんな体験をしよう!」を開催しました。
東日本大震災から8年が経過し、復興がすすみつつあります。一方で、いまだに原発事故の影響を残す場所があり、子どもの健康への影響を心配されている方がいらっしゃいます。そんな思いに寄り添い、当組合では毎年、神奈川県に福島の子どもたちを招待する「福島の子ども保養プロジェクト」を実施しています。この春は心身のリフレッシュを目的に3月28日~30日の間、小学校低学年のお子さんとそのきょうだいと保護者、合計12家族32名を神奈川県に招き、2泊3日を過ごしていただきました。
都筑冒険あそび場 「まんまるプレイパーク」で外遊び
初日は「都筑冒険あそび場 まんまるプレイパーク」での外遊びです。プレイパークは「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにした野外の遊び場で、ここまんまるプレイパークは、毎年お世話になっている保養には欠かせない場所です。
何にもないただのまあるい広場が、プレイパークのスタッフによって、みるみるうちに竹のジャングルジムやターザンロープ、ブランコのある遊園地に早変わりします。今回の保養プロジェクトのボランティアの学生スタッフもいっしょに設置を手伝いました。
朝早く、いわきや郡山から電車で東京駅に到着した参加者32名は、昼すぎにはスタッフの引率でプレイパークに到着。地域の食堂で作ってもらったおにぎりとプレイパークでつくった豚汁を食べたあと、公園を訪れた地域の子どもたちといっしょに、マシュマロやポークウインナー、さつまいもを焼いて、食べました。
プレイパークでは、のこぎりで竹を切ったり、ジャングルジムやブランコ、ハンモック、ターザンロープで遊んだり、竹細工をつくったり、おにごっこやハンカチ落としなど、からだと公園遊びの知恵をめいいっぱい使って楽しみました。
「できれば外で活動する部活には入ってほしくない」
夜は、ホテル近くの横浜中華街で夕食交流会を行いました。
食事のあと、子どもたちは学生ボランティアのよびかけで、伝言ゲームやハンカチ落としなどのゲームを楽しみました。その間、おとな同士で、子育てのことや福島でのくらしのことを話し合いました。
「もう何も心配することがない」という政府や福島県からメッセージがある一方で、実際に放射線量を測ってみると、いまだに少し高めのところもあるそうです。いくら「大丈夫」といわれても、どうしても不安が残るのが親の心情。
いまでも蛇口の水をそのまま飲むのは控えているという方や、学校の部活はできれば屋外で活動するものは選ばないでほしいが、禁止するのもかわいそうで悩んでいるという保護者の話もありました。
ふだんは、何事もなかったかのように、気にしないで過ごしていても、複雑な葛藤をかかえていることがうかがえました。
鈴廣かまぼこの里にご招待いただきました♪
2日目は自由行動です。電車大好き!のお子さんはモノレールに乗ったり、みなとみらい線に乗って大満足。ほかにも横浜を散策したり、カップヌードルミュージアムやアンパンマンミュージアムを訪れたりなど、横浜ならではの周遊をそれぞれ楽しみました。
最終日の3日目には、鈴廣蒲鉾の副社長鈴木悌介氏から「鈴廣かまぼこの里」にご招待いただきました。
鈴木氏は2012年に「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」を立ち上げ、経済人の立場から原発政策への疑問の声をあげています。また、福島の現状を大変心配されていて、保養の取り組みに賛同いただいたことから、今回ご招待いただくことになりました。
鈴廣かまぼこの里では、鈴なり市場での買い物を楽しんだり、かまぼこ博物館でかまぼこの科学を学んだりしたあとに、ちくわ・かまぼこづくりを体験しました。 お昼ごはんは鈴廣のレストラン「えれんなごっそ」でかまぼこをはじめ、小田原の食材をたっぷり使ったちゃんぽんなど、鈴廣ならではのごちそうをいただきました。
ジャングルジムの前で集合写真~スタッフも久しぶりにからだを動かしました
8年以上経った今でも、原子力発電所の事故は終息したとはいえません。パルシステム神奈川ゆめコープは、今後も多くの団体と協力しながら、保養プロジェクトを継続していきます。