「成人年齢引き下げで変わるアレコレ」を開催しました
2月11日、新横浜本部にて「成人年齢引き下げで変わるアレコレ」を開催し、組合員、学生、高校の教員の方など25名が参加しました。
2022年から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、親の同意なくローン契約などが結べるようになります。消費者被害にあわないよう、知っておきたい知識と対策を、消費者問題に詳しい弁護士の松岡泰樹氏にお話をうかがいました。
保護者が取り消せる権利がなくなる
若者の自立を促す18歳成年の法改正により、これまで守られてきた18、19歳の権利の一部がなくなります。
飲酒やギャンブルなど健康面への影響や非行防止、青少年保護などの観点は変更がありませんが、クレジットカードの作成、高額商品の購入でローンを組むなどの契約は親の承諾なしでできるようになります。
これまで20歳未満での契約は親があとから取り消すことができましたが、18歳から成年になることで取り消せなくなるということです。
大学生が狙われる
これまでは、同じ大学生でも成年か成年でないかわからなかったため、悪徳商法の対象として、大学生はそれほど狙われてきませんでした。
しかしこれからは高校卒業していれば確実に成年とみなせることから、大学生がターゲットとされる可能性が高くなります。
さまざまな手口による悪徳商法が次々に出現し、多くの大人も消費者被害に遭っている現在、社会経験のない若者にも、不当な勧誘などさまざまな商法が待ち受けています。
本来なら充分な教育の機会を作り法制化すべきところ、そうした対策はまだ不十分とのことでした。
賢い消費者に
契約とは、法律上の約束であり、申し込みに対して承諾することにより成立します。このことから、「契約は慎重に行って欲しい」という言葉で講演は締めくくられました。
18歳成年には、自立を促す反面、消費者教育や、家庭に問題を抱える子どもの自立支援など、課題があります。
子どもたちが賢い消費者となるよう、子どもたちを取り巻く消費者被害が拡大しない社会環境を整えていくことが望まれます。
【参加者アンケートより】
- 現状の一端、生の情報を聞かせていただき参考になりました。
- 日ごろから困ったら相談できる空気づくり、話してみようと思える信頼関係を確かにしておくことで、防げることがあると思いました。
- 仲間とのつながりを切に感じる年ごろの子どもたちがマルチ商法などにだまされないよう、サポートするおとなの協力も必要なのではと思いました。