市民活動応援プログラムの支援団体について、各団体の訪問・ヒアリングを行い、支援金の使途状況や近況などを確認し報告します。

  • 第24回助成
  • 福祉

かながわ県医療的ケア児者家族会~つなぐ~

当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。

かながわ県医療的ケア児者家族会~つなぐ~

「医療的ケア児を授かったばかりの当事者家族こそつながりを必要としており、そのサポートを行いたい」という目標のため、定期的に当事者・家族交流会、情報交換・勉強会、ピアサポート活動などのほかに、こういった支援が地域行政の事業のしくみとして確立することをめざすロビー活動、提案も並行して行っています。

所在地:横浜市、茅ヶ崎市
Instagram:https://www.instagram.com/tunagu_kanagawa/

今回は、活動のひとつである「ちびっこzoom」(0歳~3歳くらいまでのお子さんがいる親御さん限定のおしゃべり会)を見学しました。

参加者は、リピート参加の医療的ケア児をかかえる先輩保護者2名、参加歴の浅い当事者保護者2名、事務局(当事者でもある)3名、神奈川県障害福祉課2名、県西地域担当の支援者1名、さむかわ基幹相談支援センター1名。当組合からは理事1名、事務局1名が参加しました。

先輩当事者の自己紹介(どのような医療的ケアをしてきたか、現在利用している医療サービスなどの紹介、近況報告)から始まり、参加歴の浅い当事者保護者からは、どのような医療的ケアをしているか、現在利用もしくは検討している医療サービス、不安や悩みの共有がありました。進行者が一人ひとりに寄り添って、コメントや質問、応援メッセージを伝えている様子が印象的でした。
医療的ケア児保護者は、ケア児への対応だけでも手一杯なところ、ほかの家族に何かがあると途端に窮地に陥ります。今回見学した会は、医療的ケア児保護者が日々抱える不安に対する理解を広げ、地域全体でフォローする体制づくりをめざし、情報交換をする場であると同時に、しくみを変える力をもっている行政にも参加してもらい、行政に対してどのようなサービス、セーフティーネットが求められているのかを肌で感じてもらう場となっていました。

【支援金・賛助金活用状況】
今回のような交流・情報交換会を運営するにあたり、当事者の悩みや想いを引き出し、そこで出たリアルな声をきちんと行政に届け、地域のしくみ・体制として誰もがくらしやすい地域へとつなげるために、運営側には、ファシリテーション力、コミュニケーション力、幅広い知識とさまざまな能力が求められます。会の継続と発展のために、それらを備えた運営者を増やすことをとても重視しています。支援金・賛助金は、運営のクオリティ向上のための人件費や研修費用、オンラインによる通信費用にあてられていて、それが必要であることを確認しました。

【意見交換】
医療的ケア児の育児過程で抱えている課題や悩みに寄り添う場の提供にとどまらず、こういった場を広げつつ、地域全体(行政や福祉、医療など)でしくみや制度として医療的ケア児をケアしていくことをめざして運営されている姿勢がとても印象的でした。将来的には県が事業化し、その事業委託という関係ができればということも話していました。

助成金は活動が自走していくためのきっかけとなるものです。意見を交わすことで課題の共有や協力関係を築いていけることを大切にしています。