NPO法人さかえ・まごころの会
当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。
NPO法人さかえ・まごころの会
福祉事業所を利用している障がいのある方といっしょに、「おおた福祉農園」での農作業や、音楽ユニット「セラピーまごころ」として演奏活動や家事支援などを行うことで、工賃や出演料などが彼らの精神・経済面での自立につながることをめざすと同時に、事業所への継続通所が事業所支援ともなる活動を行っている団体です。
所在地:横浜市栄区
ホームページ:https://magokoronokai.jimdofree.com/
訪問当日は「セラピーまごころ」の第7回演奏会の開催日でした。演奏や歌を披露するメンバーは14名程で、それぞれがクラリネット、電子ピアノ、ボンゴ、キーボード、電子ドラム、トランペット、ボーカルなどの担当があります。観客は約20名程度で、会場は少しの緊張感もありつつ、ワクワクと演奏を待ちわびる雰囲気に包まれていました。理事長の方の明るく朗らかな司会とともに演奏会が幕を開けました。「音楽という演奏者、歌い手自身が癒される活動を続けるなかで、みなさんにも聴いてもらえたら。楽器の演奏、歌の練習は大変だが、メンバーで支え合いサポートし合いながら行っています」というお言葉もありました。心のこもった歌や演奏で誰もが知っている曲目(「瑠璃色の地球」「マツケンサンバ」「365日の紙飛行機」「星に願いを」など)が奏でられ、温かい演奏会が進行します。みなさんとても堂々とされていて、また曲目によってスポットライトが当たる方が変わり、全員が主役と感じられる内容でした。「セラピー」というユニット名そのままに、舞台に立つ方も観客も心が温まり癒やされる演奏会でした。
準備や片付けなどもメンバーのみなさんが主体的に行います。練習は月に3回を半年間行い、演奏会を迎えます(演奏会は年に2回)。
「行政などからの障がいのある方への生活の最低限のサポートはあります。しかし、彼らには健常者とは何ら違わず音楽や映画などの少しの贅沢も楽しみたいという思いがあり、それを抑え込まれてしまうと引きこもりなどへつながってしまい、結果余計な税金を使うことになってしまう」と理事長はお話しくださいました。生活を豊かにするものに触れたいという自然な欲求を抑え込まず大切にしながら、楽器や歌の練習で継続して仲間や自分自身と向き合い(筋力や忍耐力を養い)、演奏会でお客さんにも披露できる(達成感、自信を得られる)、当団体が行っている音楽活動というのは心を育み、彼らの自立の背中を押す活動であると実感できました。
【支援金、賛助金活用状況】
農作業の人件費として事業所利用者に支払う工賃の一部、電子楽器・楽譜の購入費、練習場所使用料に使われています。
障がいがあっても、なくても、人を笑顔にできた、人の役に立てたという経験は何にも代えられない喜びがあり、生きている実感を得られると感じます。
障がいがあるということで、彼らに何かを「してあげる」「支援をしてあげる」ということより、彼らが前向きに主体的に活動できる場を用意することにより、彼らの人生はより豊かになり、自立の道しるべにもなっていくということを感じました。
福祉事業所の利用者、事業者双方にメリットがあるこのような場や仕組みが多くの地域で生まれ、社会の中で存在するようになっていくことを願います。それによって、彼らの精神的・経済的自立を促す「工賃」のしっかりとした支払いが継続して行えるようになっていくといいと思います。
電子ピアノの演奏でメンバーを引っ張ります
電子ドラム
電子楽器がつながれていてボリュームなどを調節します