市民活動応援プログラムの支援団体について、各団体の訪問・ヒアリングを行い、支援金の使途状況や近況などを確認し報告します。

  • 第24回助成
  • 福祉

ケアラーズカフェ モンステラ

当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。

ケアラーズカフェ モンステラ

カフェと地域の居場所づくりを「住み開き」にて開催しています。社会処方として高齢者(含認知症の方)・ケアラー~ヤングケアラー・一般の方などが気軽に来られる「どなたでもどうぞ」の居場所として、軽食・ランチ・多世代交流(夕食)を提供。どの年代にも、共食の重要性を掲げ、孤立化を防止する活動をしています。

所在地:相模原市南区
ホームページ:https://gallery-monstera.amebaownd.com/

【支援金、賛助金活用状況】
開催場所でもあるご自宅は、おしゃれなカフェのようでした。訪問のタイミングで数名の来訪者や部屋からは会話が弾む声が聞こえて、大変活気がある様子でした。
各部屋は、すてきな絵やさまざまな雑貨が整理されて置いてあります。見渡すと時間を持て余すことなく、居心地のよい空間が自然と作られています。家具などはちょくちょくリサイクルショップに行っては、ブランド品を安く買っているそうです。
驚いたのは、来訪者の情報は受付表などへの記入内容から得たのではなく、ふだんのコミュニケーションから収集したそうです。始めての参加者には、ゆっくりマンツーマンで会話をし、その人となりや抱えている問題などに配慮しながら聞き取り、2回目からは顔と名前などをすべて把握していることは、片道2時間をかけて毎回通う利用者などの信頼につながっていると感じました。

 

【課題】
順調に思える活動も課題があります。それは、参加者が家からカフェに来るときの移動で、来るにもからだなどの問題がある方が多いということ。そこで、送迎サービス事業への支援を市の助成金と地域の介護事業所のドライバーなどに働きかけて、この度開始することが決まったそうです。ここまでの経過には、関係する担当者の方の変更に始まり、さまざまな問題がありましたが、当該団体の行動力と実践力だからできたと感じました。このことは近隣の薬局などが撤退するなどの買物困難地域であるエリアにも課題解決の可能性を感じました。

 

【印象に残ったこと】
ヤングケアラーだった子どもは、おとなになってもその影響が残っていて、通常の感覚を鈍らせる場合があるといいます。実例として、社会人となった人が突然体調不良となり、原因を追究すると過去のケアラー体験がもたらしていると診断されたそうです。このことからヤングケアラーという社会問題の存在を子どもたちや周りの人に理解してもらうことをめざし、わかりやすい冊子を作成したところ、その内容は各方面で評価され活用がすすんでいるそうです。

 

高齢化社会のなかで、ヤングケラーとなるおとなや子どもたちが増えています。この問題の解決には子どもが子どもでいられる時間をつくることが必要であり、この活動の意義を深く感じました。

カフェの一室にて、代表の山田さん

カフェの入口にて、ふたりで運営する山田ご夫妻