NPO法人 ハビリテーションケア
当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。
NPO法人 ハビリテーションケア
誰もが発達の途上という考えのもと、重症心身障害児・医療的ケア児とそのご家族の「やってみたい」をかなえるために設立されました。生活の中で、きらめきを見つけて伸ばせるように。豊かなつながりを育みながら、地域とともに生きてゆけるように。お子さまを中心に、ご家族と多職種のチームで、一人ひとりに応じた支援を提供しています。
所在地:逗子市・鎌倉市
ホームページ:https://www.habilitationcare.com/
今回は、運営している重症心身障害児・医療的ケア児に特化した事業所「多機能型事業所LEO」での活動を見学しました。
2024年1月にリニューアルしたホームページのていねいでわかりやすい広報により、質の高いケアを行うために1日の定員は5名としていますが、現状は常に満員の状況だそうです。基本1人に対して1人以上の支援者が常に寄り沿って過ごされている様子から、利用するご家族は安心して利用されているのだと実感しました。
また、ただ見守るということではなくお昼前には「活動」という時間をつくり、子どもたちみんなで何かを作ったりする時間を設けていて、いっしょに楽しく過ごせる環境づくりを大事にしている様子がみられ、なかなか表現することがむずかしい状況にある子どもたちからも、その時間は楽しそうな笑顔が見られたのがとても印象的でした。
【支援金、賛助金活用状況】
団体のホームページ作成に使用されておりました。訪問前に事前に確認しましたが、どのような活動をされていて、その対象や団体の想いなどが大変わかりやすく作られていました。また、自己評価表というものを掲載して定款や決算報告などの一般的なもの以外に「スタッフからの評価」「保護者様からの評価」などを公開し、良い点や改善点などが明確にわかりやすく掲載されていました。この項目を取り入れたのは行政からの指導があったということでしたが、利用を考えている人や活動にかかわりたいと思っている人には安心と信頼が伝わるホームページだと感じました。このホームページにしたあとから利用者やスタッフも増えたという実績から伝え方の工夫によって反響が大きく変わるというというあらためて実感いたしました。
【訪問時にうかがった想いや課題など】
(1)利用者からの相談について
利用者からの相談などは、おもにグループラインを活用しているそうで、受付けは年中無休で行っていることから、専任の担当者は作らずに、スタッフ全員でできる人が対応するという協力体制で行っています。相談の内容は、体調のことや入院先のことなどお子さんの対応だけではなく、生活全般まで多岐にわたるそうです。孤立しがちな生活状況にあると思われる方々には、大変心強いつながりであると強く感じました。現在登録者は、スタッフさんも入れて26名です。
(2)活動の周知について
この間、学校での受け入れや行政からの支援も広がってきていますが、それぞれの分野でできることは、それぞれの特性からも限りがあることから、当団体のような活動や施設はこれからも必要であり、学校、行政、市民団体などが連携して補い合うことでケアの充実がすすむとのことです。また、やりたいことは山のようにあるようですが、スタッフだけではやりきれない状況にあることから、地域住民などの参画がひろがってくれればとの想いがあり、そのためには活動の理解や施設の存在をもっともっと知ってもらう必要があるとのお話がありました。
(3)児童館について
子どもたちには、散歩で行ける範囲で違う環境で遊ばせてあげたいという想いがあるそうですが、近くには児童館のようなものがないとのことです。そのような場所の情報を得られる手段がないかとの相談がありました。
【パルシステム神奈川への期待】
ハビリテーションとは、本来もっている能力を発達させるという意味をもちます。これからも誰もが安心できて、さまざまなことに自ら挑戦できる社会をめざしていきます。
みんなで新聞紙を使ったテントづくりに挑戦