一般社団法人 国際交流支援B.P.Solutions
当組合では、市民活動応援プログラムの支援団体について、支援金の使途状況や近況などをうかがうため、各団体を訪問しています。
一般社団法人 国際交流支援B.P.Solutions
2022年2月末、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったのをきっかけに、日本にいるウクライナ避難者が自立した生活を送れるようサポート活動をスタート。
避難民が自立した生活を行うことができるように就労・学習支援をしていくなかで、彼らが安心して生活できるように基盤を整えることの必要性を実感しました。さまざまな支援のなかでも“食”支援は人間が生きていくなかで欠かせないものであると考え、“食”をとおして、避難民と日本人との絆を深めたいと考えています。
所在地:相模原市
ホームページ:https://www.bp-solutions.org/
活動から2年が過ぎ、その活動の変化や課題、あわせて支援金活用状況をうかがいました。
【現在の活動】
おもに日本にいるウクライナ避難者への食料支援と、それに付随して生活、学習、就労サポートを行っています。
支援対象は45世帯。内訳としては、横浜、東京、次いで千葉に住んでいる世帯が多く、相模原市は5世帯ほど(横浜市は市のサポートが充実していて全国的にも充実度は上位。横浜市での滞在を希望する方が多いことが支援対象者の住まいにも反映)。
月日の経過とともに支援の必要がなくなったり、出国されたりで、月に何世帯かは支援対象外となります。一方、新規申請は停止していても口コミなどで問い合わせが来るため、毎月追加支援を行っているのが現状で、支援が必要な方がいることに変わりはありません。支援対象世帯に対しては定期的にアンケートを取り、希望する食材(米類、缶詰類、麺類、お菓子、和食などから希望するカテゴリーにチェック)を参考に食品を選定、梱包。それ以外にも、生活面での困りごと、身近な相談相手の有無、就職の状況などについて聞き取っています。連絡があれば個別相談にも対応しています。アンケートや個別相談内容から、支援対象者の特徴的な課題は、「仕事」と「日本語」であることが見てとれます。
「仕事」・・・市のサポートはあっても、コミュニケーションを必要としない仕事(清掃、工場作業など)に限定され、本人の希望に合わない仕事となってしまうこと、小さいお子さんがいる世帯が多く就労できる時間帯や制約があるため、条件にあう仕事が見つからないといったことから、就労に大きな壁があります。
「日本語」・・・子どもは園や学校で日本語を習得する機会があるが、親にはその機会がなく、日本語が話せない、わからないなか生活する苦労があります。
その一方で、日本に親戚や頼れる人がいる方もいます。そのようなことを考慮し、今後は支援対象を絞っていくことも検討しています。
【支援金、賛助金活用状況】
毎月の食料発送にかかる経費や、発送作業や食料保管のために借りている場所の賃料の一部に充てんしています。不足分は、昨年度に続き、この夏にクラウドファンディングを予定。しかし、ウクライナ避難者への関心度が社会全体で低くなっていると感じており、これまでのように支援を募っても厳しさが予想されるため、今後はよりいっそう現状の課題を発信し、啓発活動にも力を注ぎたいと考えています。
いずれにしても運営資金には限りがあるため、より緊急性の高い対象支援者に絞り、食料支援を継続していく方向ですすめようと考えています。
【課題】
①活動の継続
支援を継続するうえでの資金調達が厳しいため、クラウドファンディングを行う予定ですが、同時に現状の課題を発信したり、啓発にも力を入れ、その必要性をきちんと伝えたうえで、支援を募る必要があると感じています。
②日本語の習得
日本に長期滞在するうえで、日々の生活や就労を少しでもスムーズに送るためには日本語の習得は欠かせません。そこで、小さなお子さんがいる世帯が多いことから、日本語を習得する機会がある子どもと機会のない親がいっしょに日本語を学ぶきっかけとなるよう、絵本にウクライナ語と日本語を同時に表記して活用することを考えています。自宅でも学べるツールにしたいと試行錯誤していますが、絵本をどのように集め、活用するかが課題です。
以上の課題に対して、意見交換、提案を行いました。
こちらの団体に対する当組合からの助成金は今回で終了します。助成金は活動が自走していくためのきっかけとなるものです。意見を交わすことで課題の共有や協力関係を築いていけることを大切にしていきます。
食料提供と梱包作業の様子
「フードバンクかながわ」からの食料提供
アンケートを参考に希望の食料をセット